2024年05月03日( 金 )

予想ではなく「妄想」?大塚家具が18年12月期を大幅下方修正

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通期売上高の前回予想から約80億円マイナス

 (株)大塚家具(本社:東京都江東区、大塚久美子代表)は7日、2018年12月期第2四半期および通期の業績予想を大幅に下方修正した。修正の主な理由には、大型店を中心とした既存店の店舗売上高の不足、商品評価基準の見直しにともなう棚卸資産評価損10億1,700万円の売上原価への計上をあげている。

 修正された18年12月期通期の業績予想では、売上高が、前回発表予想から80億2,900万円のマイナスとなる376億3,400万円、営業損失51億円、経常損失52億円、当期純損失34億2,600万円を計上。16年12月期から3期連続で営業損益段階からの欠損となる。

 同社は、近年の業績不振によって、財務内容が急速に悪化。14年12月期時点で約280億円あった利益剰余金は、18年3月期時点で約118億円まで減少。現金預金は、14年12月期時点の約115億円から18年3月期時点で約10億円まで減少。結果的に、これまでの蓄えを食い潰すようなかたちで現在に至っている。

 近年の業績推移からすると、企業経営における抜本的改善が図られない限り、今後も急速に悪化が進むことが予想される。当初の業績予想に確たる根拠があったのか。今となっては、予想というより、「妄想」だったというほかはない。

 同社をめぐっては、身売り話が取り沙汰されている。

【山下 康太】

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