わらび座ミュージカル「ジパング青春記」特設ページ
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
2018年09月07日 16:08

『主治医は自分』という発想~アンチ・エイジングからリバース・エイジングへ(1) 未来トレンド分析シリーズ 

国際政治経済学者 浜田 和幸 氏

 日本では人口減少に歯止めがかからない。このままでは、21世紀の終わりには「地球上から日本人が絶滅する」との予測まで明らかにされている。とはいえ、平均寿命は延びる一方で、「人生100年時代」は当たり前で、今や「120年時代」もあり得る話となりつつある。実際、100歳以上の日本人の数は年々増え続け、間もなく10万人の大台に乗りそうだ。世界が羨む「長寿大国」といえるだろう。そんな中、寝たきりの長寿ではなく、元気ハツラツな「健康長寿」を実現するうえでの健康法が関心を呼んでいる。

 日本は健康関連グッズや書籍の数では世界ナンバーワンである。中でも、南雲吉則医師が提唱する「空腹健康法」は正に“逆転の発想”といえるかもしれない。実際、同氏の近著『「空腹」が人を健康にする:1日1食で20歳若返る!』は驚異的な売り上げ記録を達成している。南雲医師は過去10年間、一貫して「1日1食」を実践してきているとのこと。自らの経験を基に、「空腹」がもたらす健康上のメリットを明らかにしており、共感する読者の輪が広がりつつある。

 実は、拙著『快人エジソン』(日経ビジネス人文庫)でも紹介したが、アメリカでも発明王トーマス・エジソンの時代までは「1日2食」が当たり前だった。電気をつかった調理器具を開発し、その普及を目論んだエジソンは、「1日3食運動」をメディアを通じて提唱。要するに、食事の回数が増えれば、調理用の家電製品の売上が伸びると判断したのであろう。宣伝を兼ねてアメリカ初の料理学校も設立したほどだ。

 そのおかげで、エジソンが発明したトースターや電気鍋は爆発的な売上を達成したのである。アメリカ人はもとより世界の人々の食事の回数を増やすことに成功したわけで、エジソンが「マーケティングの天才」とも呼ばれるようになった所以である。

 人間が生きていくうえでは1日3食にこだわる必要はまったくない。日本も江戸時代までは1日2食が当たり前だった。そうした食習慣が大きく変わり、今では「体が必要としていない」にもかかわらず、「時間がきたからお昼にしよう」といった流れが世界的に定着している。

 その結果、世界的に肥満人口が増え、かえって寿命を縮めるケースが顕著になってきた。何しろ、世界の肥満人口は10億人を超えるといわれるほど。と同時に、世界では飢餓で苦しむ人々も10億人に達するといわれる。人道的観点から食料支援は欠かせない。自然災害やテロ、内戦の影響で難民数も急増中である。これでは世界的に食料不足が深刻化することが避けられない。しかも、肥満も飢餓もどちらにしても健康にとってはマイナスな環境という意味では「同じ穴の狢」といえるだろう。食と健康をめぐる問題は実に悩ましい限りだ。

 そうした背景もあり、南雲医師に続くように、内海聡氏による『1日3食をやめなさい!』という啓発書が出版され、こちらも版を重ねている。内海氏によれば、「食べ過ぎこそが老化と万病のもと」だという。こうした一連の「食生活の見直し」ブームが起こってきた背景には、現代の医学的常識を再チェックする動きが医者の間で、かつてないほど高まってきたことがあるように思われる。

 健康を確保し、維持するには医療ではなく食生活が要(かなめ)という発想が生まれてきたのである。たとえば、真柄俊一氏の著書『食は現代医療を超えた』などは、そうした観点から食生活の重要性に着目した啓蒙書である。こうした医療より食生活を通じて健康長寿を達成しようとする動きは日本に限らずアメリカやヨーロッパでも顕著になってきている。その意味では、健康維持の観点から食事を見直すのは世界的な傾向といえそうだ。

 これは見方を変えれば、従来型の医学に対する挑戦に他ならない。医師や薬に健康維持を委ねるのではなく、日々の食生活のあり方(回数、食材、調理法、噛み方、食べる場所や雰囲気など)を自ら考えることで、自分に合った健康法を見出そうというわけだ。飲み込む前の噛む回数についても、現役最高齢の医者として105歳まで活躍された日野原重明先生は「30回は最低噛むように」との指導をされていた。

 医者である近藤誠氏の著した『医者に殺されない47の法則』も、過激なタイトルに象徴されるように、現代医学の限界や問題点を痛烈に批判した内容で医学界にも衝撃が走った。当然、医学界からは反論も出たが、患者の立場である読者からは「わが意を得たり」という積極的な反響が圧倒的であった。要は、「自分にとって最も頼りにできる主治医は自分だ」という認識が健康長寿への第一歩ということだろう。

(つづく)

<プロフィール>
浜田 和幸(はまだ・かずゆき)

国際未来科学研究所主宰。国際政治経済学者。東京外国語大学中国科卒。米ジョージ・ワシントン大学政治学博士。新日本製鐵、米戦略国際問題研究所、米議会調査局などを経て、現職。2010年7月、参議院議員選挙・鳥取選挙区で初当選をはたした。11年6月、自民党を離党し無所属で総務大臣政務官に就任し、震災復興に尽力。外務大臣政務官、東日本大震災復興対策本部員も務めた。16年7月にネット出版した原田翔太氏との共著『未来予見~「未来が見える人」は何をやっているのか?21世紀版知的未来学入門~』(ユナイテッドリンクスジャパン)がアマゾンでベストセラーに。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

     

トップニュース

2020年01月19日 07:30

博多の食文化を次代に伝える役割を担い魚の熟成で新たな調理法の確立に挑む

 福岡の食文化に多大な貢献をはたしてきた「日本料理 てら岡」の会長・寺岡直彦氏が博多で創業したのは1976年9月、43年前のことである。わずか27坪で始めた店は、玄界...

2020年01月19日 07:00

顧客の要望に応え続けて事業領域を拡大 自律型社員を育成し、さらなる成長を目指す

 ソリューションは2000年2月、社名のごとく「お客さまの課題や問題の解決をすること」を事業目的に掲げ創業、来年で20周年を迎える。当初は、ビジネスフォンや複合機、電...

2020年01月19日 07:00

地域活性化を支える企画力と実行力

 志水建設は、北九州市を中心に、福岡県全域と山口県を営業エリアとして活動を展開している総合建設業者だ。拠点を北九州市の中心区である小倉北区と、福岡市屈指の商業地域であ...

2020年01月18日 07:00

理念と価値観を共感する仲間とともに 「街と人が輝く社会」を目指す

 一般電気工事から交通信号機設置工事、空調設備工事、電気通信工事まで幅広い事業を手がける第一電建(株)は2020年に50期目を迎える。同社は1971年6月に住宅、ビル...

2020年01月18日 07:00

地場で一番きれいな工事現場で地域活性化に貢献する

 スエナガは、2015年1月に設立された総合建設会社である。同社の代表取締役・出口洋一氏は、34年間、地場建設業の(株)末永工務店に勤務。一貫して技術畑を歩み、常務取...

2020年01月18日 07:00

TRGほか新サービスで解決目指す プレイヤーだからわかる業界の不便

 トリビュートは創業以来、「不動産再生」に主眼を置いてきた。不動産再生とは、「空室が目立つ」「用途が立地に合っていない」「土地が狭小、不整形地」などの課題を解決するこ...

2020年01月17日 15:00

厚生労働省公表の「ブラック企業」1月16日発表 福岡労働局分

 厚生労働省は17年5月から、労働基準関係法令に違反し書類送検された企業の一覧表をホームページに掲載している。

2020年01月17日 12:59

デラックス得丼お試し価格19日まで Hotto Motto(ほっともっと)

 プレナス(本社:福岡市博多区、塩井辰男社長)は10日、同社が展開する持ち帰り弁当店「Hotto Motto(ほっともっと)」の全店舗で「デラックス得丼」を発売した。

2020年01月17日 12:59

原点回帰で収益改善を急ぐほっともっと 20年2月期第3四半期

 持ち帰り弁当店「Hotto Motto(ほっともっと)」を展開する(株)プレナス(本社:福岡市博多区、塩井辰男社長)が14日に発表した20年2月期第3四半期の決算短...

2020年01月17日 12:35

OCHIホールディングス(株)創業の礎を守り進化させる胆力

 2010年10月1日に越智産業(株)の単独株式移転により、持株会社として設立されたOCHIホールディングス(株)。直近の2019年3月期で1,000億円の売上高を突...

pagetop