2022年01月25日( 火 )
by データ・マックス

浜松町×竹芝×芝浦の回遊性が強化 新たに生まれるウォーターフロントのランドマーク(後)

【竹芝エリア】首都高またぎ回遊性向上へ

 旧芝離宮恩賜庭園の東を通る首都高速の隣では、「都市再生ステップアップ・プロジェクト(竹芝地区)」が進行中だ。公文書館跡地や軽量検定所跡地、都立産業貿易センター浜松町館跡地などの都有地約1万5,000m2で、東急不動産や鹿島建設らを構成員とする(株)アルベログランデが業務棟(A街区)と住宅棟(B街区)からなる国際ビジネス拠点を創出する。浜松町駅からのアクセスは、旧芝離宮恩賜庭園や幹線道路の海岸通りを抜けなければならないため、浜松町駅からゆりかもめ竹芝駅、竹芝ふ頭までバリアフリーアクセスできる歩行者デッキ700mも整備される。

▲都市再生ステップアップ・プロジェクト(竹芝地区)

 この歩行者デッキは、山手線や羽田空港へつながる浜松町駅エリアと、東京の海の玄関口である竹芝エリアをつなぐ、本プロジェクトの象徴的存在。「両エリアの人の往来を活発化し、街に新たなにぎわいを創出する」(アルベログランデ)という。このプロジェクトは、官民合築・連携による産業振興とにぎわい創出、浜松町駅・竹芝駅・竹芝ふ頭・にぎわい空間をつなぐ歩行者ネットワークの整備や、防災対応力の強化とエネルギーネットワークの整備、環境教育の拠点形成と環境負荷低減への取り組みが整備方針に挙げられている。

 A街区(業務棟)は都立産業貿易センターと一体整備され、地上40階・地下2階、高さ約208mで20年5月の完成予定で工事が進められている。6階以上はオフィス中心で、5階まではイベントホールや都立産業貿易センター、飲食店などの商業エリアが設けられるほか、屋外には水と緑のステップテラスが設置される。B街区(住宅棟)は業務棟の東側に建設され、地上18階、高さ約60m。賃貸を中心にサービスアパートメントやシェアハウス、子育て支援施設などが設置される予定だ。

 浜離宮の南側では、「竹芝ウォーターフロント開発計画」が進められている。東日本旅客鉄道(株)(JR東日本)による超高層ビルや劇場を建設するプロジェクトで、高層棟と劇場棟、駐車場棟で構成される。高層棟は地上26階、高さ約122mで、低層部に商業施設、中層部にオフィス、高層部にホテルが入る。劇場棟の主な用途は劇場と商業施設。「観光・ビジネスおよび文化・芸術の発信拠点として、ラグジュアリーホテル、オフィス、商業施設、劇場などと合わせて屋外広場を整備し、周辺エリアと連携しながら竹芝エリア全体の賑わい創出を図る」(JR東日本)という。

【芝浦エリア】超高層ツインタワー

 さらに、浜松町駅から南東側では、「浜松町ビルディング(東芝ビルディング)」の建替えを含む再開発計画も進められている。野村不動産の肝いりで進められるこのプロジェクトは、NREG東芝不動産(株)が保有する「浜松町ビルディング(東芝ビルディング)」とJR東日本が保有するカートレイン乗降場跡地を一体としたエリアが対象。約4万7,000m2の敷地に、オフィスや住宅、ホテル、商業施設から構成される大規模複合施設が整備される巨大プロジェクトだ。

 設計を手がけたのは、ワールド・トレード・センター(米国)や幕張メッセ(千葉)などを手がけた実績をもつ世界的な建築家の槇文彦氏。東京湾沿岸部の新たなシンボルとして、高さ235mの超高層ツインタワーが計画されている。槇文彦氏はプロジェクト発表に際し、「芝浦運河、日の出桟橋を介して東京湾を一望するこの敷地に建設される2棟の超高層は東京のどこにもない壮大な景観を享受し得るに違いない」とのコメントを寄せている。

▲竹芝ウォーターフロント開発計画
▲竹芝ウォーターフロント開発計画・断面図

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 旧芝離宮恩賜庭園を中心にした、浜松町駅西側の「浜松町二丁目4地区」と「都市再生ステップアップ・プロジェクト」、そしてこの「浜松町ビルディング(東芝ビルディング)」の建替えを含む再開発計画の3エリアの回遊性が高まることで、浜松町および竹芝エリアが活性化し、東京ひいては日本の新たなウォーターフロントとなることを期待したい。

(了)
【永上 隼人】

(前)

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