2024年04月16日( 火 )

安室奈美恵さんが悲痛な「お願い」~沖縄県知事選との関係も取りざた

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 9月16日に引退する歌手の安室奈美恵さんが11日、公式HPに「お願い」と題した文章を掲載した。

 「マスコミの皆様へ」で始まる文章は、16日が近づくにつれて激しくなる取材攻勢に触れ、取材陣が沖縄の家族の実家に押しかけたり、姪が待ち伏せ取材されたことなどを報告し、報道陣に自粛を呼び掛けている。

 安室さんへの取材がヒートアップしていることについては、別の思惑も取りざたされている。「思惑」とは、13日に告示(30日投開票)される沖縄県知事選との関係だ。安室さんが15日に出演予定のラスト公演「WE(ハート)NAMIE HANABI SHOW」(宜野湾市・沖縄コンベンションセンター)で、県知事選に向けたメッセージを出すのではないかと注目されているのだ。

 安室さんのコンサートは歌とダンスなどのパフォーマンスのみで楽しませるのが恒例で、ほとんど言葉を発しないことがファンの共通認識になっている。しかし、翁長雄志前知事の死去を受けて安室さんが9日に出したコメントは予想外に踏み込んだもので、「沖縄のことを考え、沖縄の為に尽くしてこられた知事のご遺志がこの先も受け継がれ、これからも多くの人に愛される沖縄であることを願っております」と、翁長前知事の活動を全肯定するような内容だった。

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 こうした経緯をふまえ、一部の県民からは、「ラスト公演で翁長知事へ向けたメッセージを出すのでは」という声があがっている。安室さんが翁長前知事寄りの発言をすれば選挙に大きな影響を与えることは間違いなく、とくに翁長前知事と対立してきた自民、公明、維新が推す佐喜真淳(前宜野湾市長)陣営は神経をとがらせている。

 安室さんの引退公演は、本人とファンにとってかけがえのない神聖なものだが、単なる「歌手の引退」ではないこともまた事実だ。安室さんが国民的歌姫と呼ばれるまでに人気を得たことで、「勇気や自信をもらった」と話す沖縄出身者は多い。差別を受けることを恐れて沖縄出身であることを隠す者さえいた時代を経て、「安室さんは沖縄を語ることの自由を与えてくれた」(沖縄県出身者)という。

 安室さんの存在自体が政治的なものに絡めとられがちだったことは確かで、本人の預かり知らぬところで生々しい政治的思惑が飛び交っているのは、「沖縄の象徴」である安室さんの宿命なのかもしれない。

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