2024年03月28日( 木 )

自然災害に備える住まいとは

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(株)イエノタネ プロデューサー 原田 大介 氏

 2018年も残り3カ月を切ったが、今年は全国各地で、多くの自然災害が発生している。今週末も台風25号が、日本列島を直撃する可能性がある。

 今年起こった主な自然災害を列挙すると、平成30年豪雪(北陸豪雪、福井豪雪)、草津本白根山噴火、島根県西部地震、大阪府北部地震、7月豪雨、台風12、20、21号そして北海道胆振東部地震などが挙げられる。
これらの災害は人命、住まいなどの財産を奪い、水道・ガス・電気、交通網などのインフラを崩壊させた。そして人々に深い悲しみと虚しさ、不安をもたらした。今もなお国と自治体、地域住民が一丸となって街の復興のために活動している。
 今後も地震を中心に、自然災害が多発すると各分野の見識者が警鐘を鳴らしている。そのような状況下、我々は手をこまねいて“命運尽きる”のを待つのではなく、できる限りの準備を行い、自然災害に備える必要がある。

 では、どのように備えれば良いのか?福岡地場の戸建住宅のエキスパートである、(株)イエノタネ(本社:福岡市中央区、木庭律明社長)のプロデューサー・原田大介氏に聞いた。

 ──今年は、さまざまな自然災害が発生し、各地に甚大な被害をもたらしました。これからの自然災害に対し、どのような準備が必要でしょうか

 原田 抽象論、精神論になりますが、まずは我々大人が「しっかりする」ことでしょう。つまり、今まで人類が壊してきた自然を元に戻すことが必要だと思います。日本政府は今の自然環境について、より正しい情報を国民に伝えて、国全体で自然を大切にする取り組みをすることが必要です。「自分1人がやっても変わらない」という考えではなく、「みんなで取り組むなかの1人」という意識で国民1人ひとりが取り組んでほしいのです。

 最近では、スターバックスコーヒーがストローを紙製に変えたという話があります。小さいストローですが、大量のゴミとなり世界を汚染していたわけです。スターバックスに追随する企業も現れてきました。まずは、1人ひとりの意識を変えていくことです。

 ──貴社が住まいづくりで一番大切にしていることですね

 原田 当社がつくる住宅は、二酸化炭素排出の抑制や森林資源の保護を見据えて取り組んでいます。二酸化炭素排出(化石燃料の燃焼)対策は、断熱性を高めることにより、少ないエネルギーで快適で健康的に暮らすようにすることです。森林資源枯渇への対策は、長持ちする住宅をつくることです。
どちらも地球の空気環境に大きく影響を与えている大問題です。空気環境の破壊による地球の気候変動は明らかです。近年、このような情報は建設業界に伝わっているはずです。

 自社の増収増益はもちろん大切でしょうが、それよりも人間の生活の基盤となる自然環境を守る行動に移るべきですね。建築コストやデザインを優先することも良いですが、環境ファーストであることのほうが、結果的に住まれる方にとって重要なのです。

 国民が正しい情報を得て、正しい判断ができるようになれば、さまざまな業界が環境問題に取り組むようになります。そうなれば、100年後の地球も人間が生活できる環境を維持しているでしょう。

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