2024年05月04日( 土 )

就活ルール廃止、新卒一括採用に転機

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 経団連は9日、大手企業の採用面接の解禁日などを定めた採用指針を2021年春の採用から廃止することを決定した。これまで財界と大学側との協定によって策定されてきた就活ルールの廃止は、戦後の日本経済を支えてきた「新卒一括採用」の転機となる可能性が高い。

 現在の就活ルールは、3月に会社説明会、6月に面接をそれぞれ解禁しており、20年春入社までは、これを適用する見通し。企業が卒業予定の学生を対象に年度ごとに一括して求人する新卒一括採用は、明治時代に始まり、戦中、戦後を通して確立された日本独特の雇用スタイル。

 新卒一括採用を前提とする既存の就活ルールは、経団連所属の大企業を中心とした約1400社が対象の自主的ルールで、仮に破ったとしても罰則がなく強制力はない。また、経団連に所属していない外資系企業やIT企業などは、就活ルールに縛られず採用活動を行えるため、まじめな企業がバカを見るルールだと指摘されていた。

 経団連の決定を受けた政府は、就職や採用活動の日程に関する関係省庁連絡会議を設置し、今月15日に初会合を開くと発表した。これにより、企業側と大学側などが1953年に「就職協定」を結んだことから始まった就活ルールは、経団連に代わって政府がルールづくりを主導するかたちになる。

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