2024年04月16日( 火 )

不祥事相次ぐ弁護士業界 裁判所の文書を偽造する弁護士現る!

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 弁護士の不祥事が相次いでいることや、その背景については以前に述べた通りだが、不祥事の内容もバラエティーに富んだ時代になってきた。ある一カ月分の懲戒処分の内容を見ても、さまざまなパターンの不祥事があることがわかる。個人から消費者金融を相手方とする債務整理事件を受任したが具体的な処理を行わず、依頼者に対して虚偽の説明をしたり、企業に私的整理を提案しながら債権者に説明をほとんどしなかったなどの「放り投げ型」。離婚調停で相手方の代理人弁護士に対して、証拠や必要性が十分でないにかかわらず懲戒請求をした「嫌がらせ型」。故人から預かっていた遺産を相続人に返さない、相続人から預かっていた相続財産を返さないといった「ネコババ型」など枚挙にいとまがない。極め付きは裁判所の文書を偽造する弁護士まで登場したのには驚いた。

 東京弁護士会は10月24日、同会所属の田原一成弁護士(東京イースト法律事務所、東京都中央区)を除名した。懲戒処分のなかで最も重い処分であり、弁護士資格を3年間喪失する。問題となった内容は、企業の破産手続きを受任したにもかかわらず放置し、手続きが完了したとの裁判所の文書を偽造したのだという。また民事訴訟の和解金の一部を依頼者に支払わず、別の依頼者から刑事告訴の着手金を受け取ったのに放置したなどもあった。何もしていないことを隠すために、弁護士が裁判所の文書を偽造するなど前代未聞だろう。弁護士がステータスの高い仕事だったのも、すでに過去のものということだろうか。

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