補助金に依存しない地域再生などを提唱し、自らも地域再生プロジェクトに関わる木下斉氏((一社)エリア・イノベーション・アライアンス代表理事)が、ダイヤモンド社から『凡人のための地域再生入門』を出版した。価格は、1冊1,550円(税別)。
地域再生をテーマに小説仕立てで、読みやすく書かれている。大学を卒業して東京でサラリーマンとして働く主人公・瀬戸が、実家を解体するため地元と東京を行き来するようになるところから話は展開していく。
瀬戸は同級生との交流を通して地元が廃れている状況を知り、地元の再生に興味をもつ。そのような時に飲食店を経営する同級生・佐田と再会する。佐田の経営に対する考え方や地元の再生のための活動に共感した瀬戸は、実家の解体をやめリフォームして事業を始めることを決意する。瀬戸は佐田の助言など支援を受けながら、事業を立ち上げる。さまざまな壁にぶつかりながらも仲間に支えられながら成長し事業を拡大、地域再生に取り組む姿を描いている。
小説形式ではあるが、中で紹介されている事例などは木下氏が実際に見てきたものだけに、現実味がある。企業は立ち上げ時だけでなく、成長していく過程においてさまざまな問題が起きる。本書では、ポイントとなる部分で注釈やコラムを設け、経営するうえで必要な考え方や起きうる課題、問題、それらに対する解決のヒントなどを掲載している。創業者や新しい事業を立ち上げた経営者なら、一度は経験したような事例がいくつも紹介されているだろう。
地域再生に関わる人だけでなく、これから起業しようとする人、企業経営者やプロジェクトマネージャーとして活動する人にとっても多くの気づきやヒントが得られる一冊と思われる。
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