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2019年01月07日 11:59

世界のビジネスに革命をもたらすか?ブロックチェーン技術の可能性(前編)

 NetIB-Newsでは、「未来トレンド分析シリーズ」の連載でもお馴染みの国際政治経済学者の浜田和幸氏のメルマガ「浜田和幸の世界最新トレンドとビジネスチャンス」から、一部を抜粋して紹介する。今回は、2019年1月4日付の記事を紹介する。

 新たな年が開幕した。このところ環境問題や自然災害が猛威を振るっているが、国家間の対立、覇権争いも激化する一方である。そんな中、国際関係やビジネスのあり方を一変させる可能性を秘めた技術開発が進む。その主役の名は「ブロックチェーン」。日本ではビットコインと勘違いしている向きもあるようだが、投機的な仮想通貨が流行った背後にブロックチェーン技術が活用されたことは間違いない。

 しかし、ブロックチェーン技術はあくまで中立な性格であり、無限の可能性を秘めたもの。ビットコインは一攫千金を狙う欲望に巻き込まれ、大いなる破たんを経験することになったが、ブロックチェーンに関する技術の研究開発は着実に進化を遂げている。実は、昨年末、南米チリのブエノスアイレスで開催されたG20首脳会議では米中間の関税・貿易対立の解消が焦点となったが、隠されたテーマが仮想通貨とブロックチェーンの行方であった。

 というのも、アメリカのトランプ大統領が脅威と受け止め、その行く手を阻もうと躍起になっている中国の習近平国家主席肝いりの「一帯一路」計画の神髄こそが「ブロックチェーン技術を駆使した新たな金融メカニズムの構築」に他ならないからである。

 中国を最大の脅威と位置付けるトランプ政権では日本をはじめとする同盟国に対し、「一帯一路に対抗するため」と称して、「インド太平洋インフラ整備基金」の創設を呼び掛けている。昨年、来日したアメリカのペンス副大統領は安倍首相に働きかけ、この基金創設のために6兆円の資金提供を要請したことは記憶に新しい。

 しかし、トランプ政権の「一帯一路」に対する認識は片手落ちで誤っている。なぜなら、習近平国家主席が思い描いているのは、鉄道、高速道路、港湾などハードのインフラ整備によってアジアとヨーロッパ、アフリカや中南米を一体化させることに止まらず、あらゆるビジネスに関するソフト面でのルールの確立に焦点が定められているからだ。

 言い換えれば、アメリカが戦後のブレトンウッズ体制の下で確立してきた国際基軸通貨ドルに代わる、ユーロでも日本円でも、また人民元でもない、まったく新たな仮想通貨(暗号資産)の確立こそが、中国の秘めたるゴールなのである。この点に関する理解や分析がアメリカでも日本でも決定的に欠けている。

 「第二のドバイ」と異名をとる中央アジアのアゼルバイジャン。カスピ海と黒海を股にかけ、原油や天然ガスの開発とパイプラインを通じた輸出で豊かな経済を追求している国だ。実は、中国の推進する「一帯一路」計画にとっては中国とヨーロッパを結ぶ中継点に位置するため、極めて重要な役割を担っている国でもある。中国からは油田開発に関する資金や人材に加えて、ブロックチェーンに関する新興企業やエンジニアが押しかけている。

※続きは1月4日のメルマガ版「世界のビジネスに革命をもたらすか?ブロックチェーン技術の可能性(前編)」で。


著者:浜田和幸
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