2024年04月19日( 金 )

福岡都市高速6号線建設現場レポート

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福岡都市高速6号線(延長約2.5km、東区香椎浜〜東区みなと香椎)の建設が進められている。6号線は、福岡都市高速1号線の香椎浜ランプ付近とアイランドシティを結ぶ4車線(片側2車線)、設計速度60km/hの自動車専用道路。全区間が高架構造になる。6号線建設は、有料道路事業(事業主体=福岡北九州高速道路公社、事業費=154億円)、港湾整備事業(国土交通省九州地方整備局、110億円)、街路事業(福岡市、28億円)の3事業合併方式で実施されており、合併方式での事業実施は同公社としては初となる。2016年にスタートした3事業全体の進捗(予算ベース)は17年度末で約40%で、20年度完成の予定だ。6号線建設の進捗状況や、高架橋工事の留意点とは―。同公社と同局それぞれの現場をレポートする。

公社と整備局が分担して発注整備

建設中の橋脚(アイランドシティ方面から撮影)

 福岡北九州高速道路公社が担当する有料道路事業の区間は、起点となる香椎浜ランプ付近から香椎浜北公園を通過し、一般道を超えた海岸沿いあたりまでの約1.4km。九州地方整備局(博多港湾・空港整備事務所)が担当する港湾整備事業の区間は、公社担当区間から海岸沿いに香椎アイランドブリッジ付近まで進み、臨港道路アイランドシティ1号線に沿って、東区みなと香椎1丁目付近のアイランドシティランプ(仮称)までの約1.1kmの区間。

 2018年11月末時点で、1工区を残し、下部工事の発注が完了。上部工事に未発注工区がある。橋脚を建設する下部工事はすべての工区で着手済みで、すでに下部工事が完了した工区も5工区ある。橋桁を設置する上部工事への着手は、19年以降の見通し。上部工事が完了後、舗装工事や照明設置などの付帯工事を発注していく。付帯工事については、公社が担当する。

景観に配慮した橋梁構造を採用

福岡都市高速6号線(アイランドシティ→香椎浜)の
完成イメージ図(提供:福岡北九州高速道路公社)

 同公社が担当する工区は、下部工4工区、上部工5工区ある。施工業者は次の通り。

 【下部工事】▽森・才田JV▽大豊・福東JV▽清水建設・松本組JV▽若築・アスミオJV

 【上部工事】▽横河・日橋JV▽駒ハル・IHIJV▽日車・高田JV▽宮地・川田JV▽富士ピー・エス(契約予定)

 今回取材したのは、清水・松本JVが担当する「第601工区(香椎浜)高架橋下部工新設工事(その3)」の現場。この現場では、6つのコンクリート製橋脚(ピア)を建設中で、18年10月末時点の進捗率は約85%。19年2月末の完成に向け、予定通り進んでいる。橋脚の高さは約14~20mで、アイランドシティに近いほど低くなっている。

 橋脚の間隔について、通常の設計であれば30m程度の間隔となるが、今回の現場では60~70m程度を確保している。その理由について、「今回の施工場所は公園内。高架橋構造物による圧迫感を与えないよう、海に面した良好な景観であることに配慮した」(福岡北九州高速道路公社担当者)としている。

 現場で必要なコンクリートは約6,000m3、鉄筋は約910t。6ピアの施工は、3ピア2班に分け、各班ごとに鉄筋工を確保し、人員の平準化を図りながら、作業を進めている。

臨海部に沿って立ち並ぶ橋脚。足場のない橋脚は
九州地方整備局が担当する完成した橋脚

 現場は公園内であり、周辺には集合住宅や飲食店などがある。工事車両が土砂を巻き上げたり、粉塵を撒き散らしたりするリスクがあるため、構内を出る前に洗車するなどの対応を取っている。生コンなどの車両が大量に出入りする際には、事前に周辺各戸に周知文書を2,500枚程度配布し、苦情などが出ないよう気を配っている。

 今回の橋脚の鉄筋には、「D51(直径51mm)」という大きなサイズが多く採用されている。福岡都市高速を含め、一般の土木構造物でD51を使うのは珍しい。「こういう太物は基本的に受注生産になるので、工程に影響が出ないように早期手配に努めた」(清水建設・松本組JV担当者)などと話している。

国発注分は週休2日で工事を実施

若築建設が施工担当する橋脚の基礎工事の様子

 九州地方整備局が発注済みの工区は、下部工事7工区、上部工事4工区である。上部工事に未発注工区があり、下部工事のうち5工区は完成済み。各工区の施工業者は次の通り。

 【下部工事】▽若築建設(完成済み)▽みらい建設工業(同)▽若築建設(同)▽東洋建設(同)▽久保建(同)▽駒ハル・森JV▽若築建設

 【上部工事】▽三井住友・みらいJV▽五洋・ドーピーJV▽IHI・三井・名村JV▽横河住金・横河JV

 九州地方整備局で取材した工事では、週休2日(4週8休)で施工が行われている。若築建設では、下請業者などには契約時に、「この現場は週休2日である」ことを説明済みで、「協力会社にも承知してもらっている」(若築建設担当者)という。

 九州地方整備局担当分で取材したのは、博多港(アイランドシティ地区)道路(IP28~CA1)橋梁下部工事の現場で、施工担当は若築建設。施工箇所は6号線の終点出入り口から延長約120mの区間で、3つの橋脚と1つの橋台を建設する。橋脚は出入り口に向かって、約8mの高さから1.5m程度ずつ低くなり、3~4m程度の高さの橋台と結ばれる。作業は、香椎浜側にある橋脚から順に進められている。

 18年8月に着工した現場で、取材時には、すべての場所で杭の施工が完了し、橋脚の基礎工事のための掘削作業が進められているところだった。施工場所は、昔護岸があった場所で、地面下に石などが多く含まれている。基礎工事のための掘削に時間がかかったため、作業工程を見直して工事を進めている。

 作業現場は、6車線ある臨港道路アイランドシティ1号線の中央分離帯部分と上下2車線を交通規制し、作業ヤードを確保している。ただし作業ヤードは、「作業スペースとしては決して十分ではない」(若築建設担当者)という。現場周辺は、車両の通行量が多く、速度もかなり速い。車両搬入の際には、手前の交差点を左折し、展開した後、信号待ちにより後続車両がない状況をルール化している。臨港道路のど真ん中での作業のため、周辺住民などの歩行者は少ないが、多くのサイクリストが通る。自転車の場合、予測不可能な動きをするケースもあるため、細心の注意が必要となっている。

 折り返し地点に差しかかった6号線建設。取材時点では、同整備局が担当する区間が先行していた。20年度の完成から逆算すれば、20年夏ごろには舗装工事などに着手する必要がある。同公社と同整備局は、工事の進捗などについて、定期的に協議を重ねながら、建設を進めているという。このあたりの調整に、合併方式の難しさがあるようだ。

【大石 恭正】

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