2021年12月09日( 木 )
by データ・マックス

「牛歩は8割、野党側への抗議」、山本太郎氏が明かす

 山本太郎参院議員(自由)は17日、東京都内で開かれた「日本経済復活の会」(小野盛司会長)で講師を務め、昨年の臨時国会で1人牛歩戦術に打って出た理由について「2割は与党、8割は野党への抗議」と明かした。

 「永田町で公務員をやっています」と登壇した山本氏は、「プライマリーバランスなどくそくらえ。今の状況を変えるには投資が必要」と口火を切ると、およそ50人の参加者から「いよっ」「そうだ」という歓声と拍手を浴びた。

 出入国管理法改正案、漁業法改正案、日欧EPA法案、水道法改正案など売国的法案が続々可決した先の国会で見せた牛歩に言及し、「ただ目立ちたいのかと誤解する向きもあるが、それは違う」と否定。「5、6回やっているが、2割は与党側への抗議、8割は野党側への抗議だ」と明かした。

 山本氏は出入国管理法改正案を例に出し、「安い労働力として外国人を大量に入れることだけで、中身は決まっていない。もともとこの国で生きている人たちの労働環境を壊し、海外からの安い労働力としてきた人たちの生活、健康、精神状態が破壊されるようなブラック労働に大きな問題をはらんでいる法律を強引に決めた。反対するのは当たり前。徹底的に闘うべき」と主張した。

 そのうえで、「与党と野党で、圧倒的に数が違う。いくら審議拒否しても、与党は委員会を勝手に開くことができる。どんどん審議が進めば、成立が決まる。では、野党側はどうやって闘うか。悪法の中身を知ってもらうために審議を開くことは必要だが、ある一定の所まできたら、体を張って止める以外ない」と訴えた。

 牛歩のマスメディアへの影響に触れ、「なぜ国会が不正常化しているのか、テレビが取り上げなければならなくなる。与野党の言い分はこうですよと、全国津々浦々に伝わるようにすれば、状況は変わってくる。テレビが政治のことを取り上げなければ、取り上げる状況を国会のなかでつくるしかない」と説明した。

挙手を取る山本氏(2019.2.17筆者撮影)

 山本氏は参加者に向かい、「入管法改正があった方がいいと思う人、手を挙げて」と問い掛けた。すると、挙手する人はゼロ人だった。

 「いませんよね。結果、政府側が最初に決めた通りに会期が終わっている。おかしいじゃないか。本気で闘ってんのか。なら、この国に生きる人々にとんでもない政治が行われていることをどうやってアピールするんだ」と提起した。

 一転、自虐的に「牛歩は実質的にほとんど意味がない」と譲歩しつつ、「意味ないこと『やめろ』という方がいるが、そうじゃない」と切り返す。「この場合でも本会議場で採決において抗議はできる。じゃあ、前段階でできることはいっぱいあったんじゃないか。『徹底的にあらがいましょう』と言いながら、あらがったんですか」と苦言を呈した。

 山本氏は牛歩を「野党への嫌み」と認めつつ、「与野党ともにうっとうしいと思われる。空気は読めるが、読まないことにしている」と吐露した。

 その後、最低賃金一律1,500円や教育無償化など貧困対策に主眼を置いた財政政策を提言し、議論を盛り上げた。

 同会への山本氏の招へいはこれまでたびたび、戦略会議で提案されてきた。昨年、積極財政を公に主張し始めたことから、初めて秋波が送られ、実現した。

<プロフィール>
高橋 清隆(たかはし・きよたか)

1964年新潟県生まれ。金沢大学大学院経済学研究科修士課程修了。『週刊金曜日』『ZAITEN』『月刊THEMIS(テーミス)』などに記事を掲載。著書に『偽装報道を見抜け!』(ナビ出版)、『亀井静香が吠える』(K&Kプレス)、『亀井静香—最後の戦いだ。』(同)、『新聞に載らなかったトンデモ投稿』(パブラボ)。ブログ『高橋清隆の文書館』。

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