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2019年03月11日 10:28

世界を変える「ブロックチェーン」の可能性(後編)

 NetIB-Newsでは、「未来トレンド分析シリーズ」の連載でもお馴染みの国際政治経済学者の浜田和幸氏のメルマガ「浜田和幸の世界最新トレンドとビジネスチャンス」から、一部を抜粋して紹介する。今回は、2019年3月8日付の記事を紹介する。


 ブロックチェーンは無限の可能性を秘めた新技術である。その応用範囲は広い。例えば、「消費者に無駄足させない」という意味での在庫管理の徹底や食品や薬のトレースにもうってつけと目されている。なぜなら流通経路がすべて追跡できるからである。

 上海のVeChina財団では薬品ワクチン追跡(トレース)システムを開発した。中国では近年、ワクチン・スキャンダルが頻発し、子供たち25万人が被害にあうなど大きな社会問題となっているほどだ。偽のワクチンが流通し、監督官庁への不信が高まっている。

 最近では武漢の国営会社が40万個の悪品質のワクチンを販売したかどで営業停止に追い込まれたばかりである。そのため、2020年までに医薬品のトレース体制を完備するため、政府主導で個物のワクチンにすべて番号を付けることになった。これを可能にするのがブロックチェーン技術に他ならない。

 実は、VeChinaはNTTドコモとも提携している。なぜなら、5Gの分野においてパートナーとして共同開発を目指しているからだ。同社は他にも三菱UFJ銀行、朝日新聞、東京海上日動火災保険、ソニー、アステラス製薬、沖縄県などとも次世代通信技術の開発と普及に向けて関係の強化に取り組み始めた。何かと話題の5Gであるが、ファーウェイに限らず、中国企業の技術的優位性が突出している結果といえるだろう。

 もちろん、アメリカも負けてはいない。フェデックスは医薬品メーカーのGood Shepherd Pharmacy と提携し、ブロックチェーンを活かしてがん患者を救済する取り組みを進めている。具体的には、メンフィス大学の協力でがん患者の未使用の薬を経済的に貧しい患者に提供するシステムを構築。同大学のあるテネシー州だけで年間1,000万ドル分の有効な薬が破棄処分されているからだ。テネシー州での実証実験を経て、フェデックスは世界規模でサプライチェーンを革新する動きにつなげようとしている。いわば、ブロックチェーンを活用した新たな運送企業同盟を結成しようというわけだ。

 更に注目すべきはインドである。中国、韓国に対抗し、国内初の「ブロックチェーン・シティ」の創設への動きを加速させているからだ。構想が進むのはインド南部の主要都市ハイデラバード。この新規プロジェクトにはカナダも協力するという。既にインドは全ての国民を対象にしたIDカードを発行しており、身分証明と納税、金融サービスが一体化している。日本のマイナンバーと比べ、はるかに普及が進んでおり、更なるIT強国を目指すインドの面目躍如といったところであろう。

 実は、世界には今や50億人を超える難民や差別を受けている住民がいる。彼らの大半は自分の存在を立証できる十分な身分証を持っていない。そこで、こうした貧困層の人々を救済するためにブロックチェーン技術を応用しようとする動きが生まれつつある。インドではいまだカースト制度の残滓もあり、貧富の格差も完全には解消されていない。

※続きは3月8日のメルマガ版「世界を変える「ブロックチェーン」の可能性(後編)」で。


著者:浜田和幸
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