管理組合の立場でプロジェクトを調整 マンション建替えアドバイザーの役割(後)
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(株)ラプロス 樋口 繁樹 代表取締役
建替えにはコミュニティ力が不可欠
――老朽化したマンションの建替え需要は、今後も高まっていくとお考えですか。
樋口 マンション建替えには大きく3つの要素が必要不可欠だと考えています。まず、(1)必要性・緊急性。次に(2)経済性・資産性、そして(3)コミュニティ力・自治力の3つです。たとえば、(1)なら耐震性や設備の老朽化、(2)なら駅からの距離や利便性・校区などの立地条件が挙げられますが、最も重要なのは(3)ではないかと考えています。
お住まいの階数や、区分所有者の年齢によっても建替えに対しての意気込みは変わります。たとえば、資産価値の向上に重きを置くのであれば、エレベーターがないマンションの場合は、上層階居住者の方が建替えに意欲的になるかもしれません。ご高齢の方であれば建替え完了まで仮住まいで生活しなければならないことに難色を示されるかもしれません。こうした個別の事情から生まれる意見の衝突を、コミュニティ内で解決できるかどうか―。つまりはコミュニティ内で連携が取れるかどうかは、長期間におよぶ建替え事業にとって非常に大切です。
今回の例でいえば、老朽化が顕在化して建替え決議まで約10年近くかかっています。区分所有者が同じ方向を向いていなければ、とても成功できるものではありません。この3つの要素をいかにバランスよくそろえられるか―建替え需要を喚起できるか否かは、アドバイザーなどの専門家のサポートが必須かと思います。
――マンション建替えをはじめとした再生事業に関する今後の方針をお聞かせください。
樋口 所有者さえも再生をあきらめているような土地や建物の資産価値を向上させ、再生する。売り手にも買い手にも満足していただけるような案件を手がけることで、資産活用が難しい案件も「ラプロスなら何とかしてくれる」と、そう思われるようになりたいですね。そのためにも高い専門性とコミュニケーション能力、調整能力を有する人材を育成し、頼りになる不動産のパートナーを目指します。
社内の人材育成と併せて今後行っていきたいのが、デベロッパーOBなどの業界関係者との連携によるマンション建替えを手がけられる建替えコンサルタントの育成業務です。建替えに関するアドバイザーを送れる体制をつくり上げ、今後ますます社会問題化するであろうマンション再生に応えられる人材を輩出できる会社を目指します。
(了)
【代 源太朗】<COMPANY INFORMATION>
所在地:福岡市中央区天神1-12-1日之出 福岡ビル5F
設 立:1999年8月5日
資本金:1,000万円
URL:http://www.lapros.co.jp/関連記事
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