【躍進する新宮町】駅前を中心とした新たな市街地形成で急速な発展を遂げる新宮町
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
2019年05月15日 10:29

【躍進する新宮町】駅前を中心とした新たな市街地形成で急速な発展を遂げる新宮町

JR駅開業で開発進み、人口増加率は全国1位に

 新宮町は南側が福岡市、北側が古賀市、東側が久山町と隣接する福岡都市圏の一角を構成する町である。18.93km2の町域の東部には立花山を始めとした山地が広がるほか、北西部は玄界灘に面しており、その海岸は玄海国定公園に指定。また、沖には近年“猫の島”として一躍脚光を浴びている「相島」が浮かぶなど、豊かな自然が多く残されている。

 一方で、町の西部エリアには平地が広がり、国道3号と国道495号(旧・3号線)、JR鹿児島本線、西鉄貝塚線といった交通インフラの大動脈が南北に走ることで交通利便性に優れ、新宮町役場を始めとした公共施設や、工場、住宅、商業施設などが集積。市街化が進んでおり、実質的な町の中心部となっている。

 町内からは福岡市への通勤者が多く、同町もいわゆるベッドタウンとしての発展を遂げてきた。ただし、同町の人口は1990年代までは長らく1万人台で推移しており、2000年代に入っても2万人弱と、福岡都市圏のなかで比較的緩やかな人口推移をたどっていた。

発展の契機となった「JR新宮中央駅」

 町に劇的な変化が訪れたのは、2010年代に入ってからだ。10年3月に町内初のJR駅であるJR新宮中央駅が開業すると、それに合わせて駅前の区画整理や開発が急激に進行。12年2月に竣工した「MJR新宮中央駅前」(総戸数81戸)を始めとした大型マンションが、次々と開発されていった。また、その周辺には大型の商業施設も次々と進出。IKEA(12年4月開業)を皮切りに、カインズ(16年3月開業)、東京インテリア家具(18年4月開業)などが九州初進出の場所として同町を選んだことで、注目を集めた。

 現在も、駅西側の旧福岡ミツカン福岡工場跡地で、第一交通産業(株)による分譲マンションと商業施設との複合開発が進められている。

 こうした旺盛な住宅供給と開発により同町は、15年10月に実施された国勢調査で人口3万344人を記録し、前回調査時(10年10月実施)より5,665人増加。全国市町村で第1位の人口増加率(23.0%)となった。なお、19年3月末時点で人口3万2,916人、世帯数は1万2,990と、まだまだ増加傾向にある。

新たな市街地の開発余地など、秘めたるポテンシャル

駅前に広がる「沖田中央公園」

 同町に急激な人口増をもたらした最大の要因は、JR新駅の開業にともなう駅前の中心市街地整備が奏功していることだ。駅前に広大なセントラルパークとなる「沖田中央公園」と、その地下に埋設した下水処理場を一体整備することで、まちづくりの“核”を設定。その周囲に大型マンションや商業施設を効果的に配置することで、町としての“骨格”が形成されていった。さらに、新駅開業によってJR博多駅まで最短約20分と交通利便性が格段に向上したことに加え、近年は人気のため上昇傾向にあるものの、福岡市内に比べると比較的リーズナブルな不動産価格や家賃なども、急激な人口増を後押しした。

2019年4月に開校した「新宮東中学校」

 ただしその一方で、人口増加にともなう児童数の急増により、町内の学校のキャパシティが逼迫するという弊害も発生。これを解消すべく、町では町内5校目の小学校「新宮北小学校」を16年4月に開校したほか、今年4月には町内2校目となる新たな中学校「新宮東中学校」(施工:戸田・溝江JV)も開校した。同校は約2万3,000m2の敷地内に、校舎棟と体育館棟、さらには給食棟や武道棟などを口の字型に配置。ユニバーサルデザインに基づいた優れた教育設備を備えている。

 さらに町では、新たな市街地を開発していく計画もある。それは前項の町長インタビューでも触れている「(仮称)新宮都市計画事業三代土地区画整理事業」だ。これは、国道3号の大森交差点から県道35号筑紫野古賀線の的野付近までを幅25mの新たな都市計画道路で結ぶとともに、その沿線となる三代エリアで、「商業ゾーン」「住宅ゾーン」「複合ゾーン」「雇用促進ゾーン」などに分けて開発していく計画。これにともない、一部の急傾斜地を造成するとともに、市街化調整区域から市街化区域への編入なども検討している。

 なお前出の「新宮東中学校」や、隣接する「ふれあいの丘公園」なども、将来的にはこの新たな市街地の一角となる予定だ。ただし、これはまだ検討段階であり、実現するには国の開発許可も含めて、越えなければならないハードルは多い。

 このように、駅前を中心とした新たな市街地開発が奏功したことで、急激な人口増を実現している新宮町。同町においては東部の山地を含めて、まだまだ未開発のエリアは多く、今後の市街地拡張の余地はまだ十分に残されている。ただし、町の東西をつなぐ動線は乏しく、東西でのエリア格差の発生も懸念される。新たな都市計画道路の早期開通などの交通インフラ整備や、離島も含めた地域振興策の実施により、さらに勢いある魅力的なまちづくりを期待したい。

【坂田 憲治】

▼関連リンク
【躍進する新宮町】豊かな自然と住環境の充実で今以上に住みやすいまちづくりを

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

     

トップニュース

2019年08月26日 13:30

8月29日、チャージが最大30%お得に! いきなり!ステーキNEW!

 (株)ペッパーフードサービス(本社:東京都墨田区、一瀬邦夫社長)は、8月29日の「肉の日」の「肉マネー」のチャージボーナスを、通常の10倍となる最大30%にする「肉...

2019年08月26日 11:52

覚せい剤所持、危険運転致死傷罪などの疑いで福岡市南区の自営業者を逮捕NEW!

 佐賀県警は8月20日、建造物侵入、覚せい剤取締法違反(所持)、危険運転致死傷罪(信号無視)および道路交通法違反(事故不申告)の疑いで、福岡市南区在住、建設業関係に従...

2019年08月26日 11:33

【JR九州列車運行状況】踏切の遮断桿折れる~踏切の安全確認による遅延が発生NEW!

 JR九州の鹿児島本線、小川~有佐間で26日午前11時10分現在、遅延が発生している。

2019年08月26日 11:07

小学生が職人技を体験、福岡市でおしごとフェスタNEW!

 18の職種を小学生に体験してもらう「おしごとフェスタin福岡」が8月22日から24日の3日間、福岡市博多区の福岡国際会議場で開催された。

2019年08月26日 10:56

キミヱコーポレーション、筑紫野市で共同住宅NEW!

 福岡県筑紫野市筑紫、西鉄筑紫駅そばの線路沿いで共同住宅の建設が進んでいる。建築主は個人、施工主はキミヱコーポレーション(株)で、設計は(株)Y.TECが手がける。

2019年08月26日 10:45

【研究】『西日本新聞』九州地区ブロック誌の雄も事業リストラを余儀なくされる(前)NEW!

 九州地区を代表する新聞社として君臨してきた(株)西日本新聞社だが、新聞業界の低迷とともに凋落の道をたどっている。かつては連結で700億円を超えていた売上高も、201...

2019年08月26日 09:48

【JR九州列車運行状況】雨の影響による運転見合わせ、遅延が発生NEW!

 JR九州の豊肥本線と久大本線は雨の影響により、26日午後9時30分現在、以下の路線で運転見合わせ、遅延が発生している。

2019年08月26日 09:20

IoT革命は現実になるのか(前)NEW!

 最近、物同士がインターネットにつながるようになる「IoT」が新聞紙上をにぎわしている。IoTは4次産業革命において欠かせない概念で、家電製品などを中心に、私たちの日...

あおり運転ばかりでパトカー事件が報道されない奇妙さNEW!

 8月18日午前10時45分ごろ、東京都千代田区麹町の新宿通りで、警視庁新宿署のパトカーが男児をはねた。4歳の男児は都内の病院に搬送されたが、意識不明の重体だと報道された。

2019年08月26日 07:00

孫正義氏、アスクル問題で吠える「裏で糸を引いたとか、忖度させた覚えはない」(後)

 アスクルは8月5日、関東財務局に臨時報告書を提出し、同月2日に開かれた定時株主総会での取締役再任議案に対する賛成比率を開示した。岩田彰一郞社長兼CEO(最高経営責任...

pagetop