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2019年05月20日 07:00

イオン九州、3社統合を延期 高コストと老朽店、喫緊の課題(4)

店舗の高齢化進む

 収益改善に欠かせないのが老朽不採算店対策だ。

 GMSとスーパーセンター(SuC)50店のうち、開業20年以上を経過した「中高年店舗」が19店と3分の1を超える。このうち、平成以前に開業した築30年以上の高齢店舗が4店、25~30年未満店舗が4店を占める。それらのうちの1つ、イオン大野城店(福岡県大野城市)はマイカル九州から継承した大型商業施設で、天神ショッパーズ福岡を除くと1977年オープンの同社最高齢店だ。同様にマイカル九州から継承のイオン福岡東店も78年開業で30年を越える。

 中高齢店の多くは市街地立地の旧来型GMSで駐車場スペースも限られる。

 出店を抑制してきたため、店舗の高齢化が進んでいる。2014年2月期には築20年以上の店舗は10店と全体の20%強で、25年以上の店舗はゼロだった。前期には19店、38%に高まり、25年以上は8店に増えた。

 店舗の高齢化は競争力と集客力の低下に直結する。既存店は17年2月期2.0%減、18年1.1%減、19年2.2%減と前年割れが続いている。

 老朽店や不採算店の閉鎖を見送ってきたのは、地域住民の生活や雇用に配慮するイオングループ全体の考えに基づく。前期末閉鎖した原、上峰店はいずれも将来の建替えを計画しており、不採算店処理とはいえない。

 より深刻なのが、旧ダイエー店だ。当初の25店から閉店で17店に減っているが、イオン九州以上に老朽店が多い。経営統合で新会社が引き継ぐと経営の重荷になるのは避けられない。

※クリックで拡大

厳しいGMSの環境

 GMSを取り巻く環境は厳しい。衣料と住関連はユニクロや(株)ニトリなどの専門店チェーンに市場を奪われたうえ、少子高齢化で大型商業施設の主力客層である若い家族層が減っている。中高年層は遠出を避け近場で買い物する。GMS自体を旧時代の遺物と見る向きさえある。

 米国ではネット通販の台頭で2022年までにショッピングモールの4分の1が消滅するとの調査がある。すでにゴーストタウンと化したモールが増え始めている。

 イオン九州もGMS一本足では成長が難しいとみて新業態の開発を模索してきた。ホームセンターと食品、日用雑貨を集結した「スーパーセンター」や、バイク専門店、ドラッグと食品スーパーを組み合わせた「ワイドマートドラッグ&フード」などだが、いずれも成功しているとは言い難い。

 今期中に惣菜と焼きたてパンを充実させた実験店をつくり、軌道に乗れば都心部で多店舗化する。

 MV九州との統合は、小型店事業の重複を調整する狙いもあった。

改革にどこまで踏み込めるか

 統合の延期でイオン全体で計画していた地方への権限移譲やコスト削減が遅れる。計画では地域ごとに持株会社をつくり、事業会社を傘下に置くとともに、仕入や物流などの権限を移管、コスト削減とシェア拡大を図る狙いだった。

 九州ではイオン九州とMV九州の仕入を統合するとともに、イオングローバルSCM(株)が請け負っている物流を見直し、地域会社の自主裁量権を高める計画だった。現在はイオングローバルSCMが仕入先とのセンターフィーを決めているため、地域2社は物流を仕入原価の引き下げに活用することが事実上できない。

 イオン九州は統合の時期を明示していないが、北海道や西日本地区では今期中の統合を決めたことから20年度中にはこぎつけたい考えと見られる。実現の前提となるイオン九州の経営改善には、高コスト構造と老朽不採算店処理にどこまで踏み切れるかが鍵を握る。

(了)
【工藤 勝広】

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