回遊性とパブリックスペースの創造で 福岡・大名エリアを観光拠点へ(中)
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東邦ハウジング(株)・井野屋商事(株)の持ち株会社として、2012年9月に設立された村上ホールディングス(株)。福岡市中央区・大名エリアを拠点に、デベロップメント事業に参入した同社の戦略を、代表取締役の村上篤史氏に聞いた。
(聞き手:永上 隼人)
「場の提供」で観光客呼ぶビルへ
――17年10月に赤坂門市場跡地を取得されました。すでに更地となっていますが、どのような開発を予定されているのでしょうか。
村上 グループ会社に住宅管理の東邦ハウジングがありますので、マンション開発の噂もありますが、海外からの観光客をターゲットにした商業ビルの開発を計画しています。1~2階部分にフードコート、空中階にホテルを誘致する考えです。
弊社は、「得意とするエリアに限定して、自分たちの手で開発を行い、地域とともに成長していく」というドミナント戦略を掲げています。集中・特化するエリアは、赤坂・大名・今泉です。この開発が観光地としての福岡の知名度向上の一助になればいいですね。
――海外からの観光客をターゲットにするのは、やはり国内市場の縮小を見据えてのことでしょうか。
村上 人口が増加基調にある福岡も、20年以内には人口減少に転ずるとみられます。今から20年後のことを考えて、短期移民と呼ばれる外国人観光客をリピーターに変えるためのランドマーク創出に、民間がより積極的に動いていかなければならないと考えます。
そのためにも、今後注力していきたい事業の1つに、フードコート事業があります。赤坂門市場跡地でフードコートを計画しているのは、この事業計画に沿った動きであると同時に、外国人観光客にリピーターになってもらうための場の提供につながると考えているからでもあります。外国人観光客が通常の店舗に入ってメニューを見て注文するというのは、かなりハードルの高いことだと思います。フードコートであれば、注文は番号で指示できますし、相席になる機会も増えるので、地元の方と交流する機会にもつながります。また、赤坂門市場にはたくさんの飲食店が入居していた背景もありますので、賑わいの場(パブリックスペース)としての役割も継承したいという思いもあります。
(つづく)
【文・構成:代 源太朗】<COMPANY INFORMATION>
村上ホールディングス(株)
代 表:村上 篤史
所在地:福岡市中央区大名1-9-8
設 立:2012年9月
資本金:900万円
T E L:092-731-5551
U R L:http://murakami-holdings.co.jp<プロフィール>
村上 篤史(むらかみ・あつし)
1984年1月生まれ。福岡県大野城市出身。学卒後、東邦ハウジング(株)に入社し、2010年に取締役に就任。先代の急逝により、14年10月に東邦ハウジングの持株会社である村上ホールディングス(株)の代表取締役に就任した。趣味は商業施設視察と旅行。法人名
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