• このエントリーをはてなブックマークに追加
2019年07月18日 11:23

『脊振の自然に魅せられて』「雨上がりの山歩き ブナ林の幻想的な光景を求めて」

霧のベールで覆われたブナその1

 梅雨時の山歩きは幻想的な光景に出会うことができます。脊振山系には多くのブナやリョウブがあります。雨上がりで霧に覆われ、それらが幻想的に佇んでいるのです。静寂の中、自然界の生命を感じる時間でもあります。

 霧のシルエットを撮影した写真を友人に贈ると、「日本画家の東山魁夷の世界だね」と言ってくれました(私の写真集「脊振讃歌」に見開きで掲載しています)。

 今年7月14日(日)、間もなく雨が上がりそうだったので、家内に「雨上がりの山は幻想的な光景がみられる」と伝えると「行ってくれば」と言われました。

 体がだるく、山行きを躊躇していましたが、家内の一言が背中を押してくれました。自宅を出たのは、いつもより遅い午前9時、国道263号・旧道の三瀬峠を車で越え、佐賀県の金山脊振林道の登山口に着いたのが午前10時でした。

 林道に入ると雨はあがっていました。小爪峠の登山口に車を停めて、雨対策のスパッツ、レインコート、ザックカバーを装備し、いざ出発。

 ガス(霧)※に覆われた山は静かで、落ち葉を踏みしめる音がよく聞こえます。昨年、取り付けた小型道標が緩んでないかをたしかめながら、小爪峠へと向かって登山道を進んでいきます。

 その時のことです。「ドドッ!」という音が・・・。中型のイノシシが一匹、私の10m先を走っていたのです。体は丸く、尻尾は垂れていました。多分、食事中だったのでしょう。私の足音に驚いて逃げたものと思われます。雨上がりは地表にミミズや昆虫が出てくるので、土や落ち葉をイノシシが掘った後を登山道で良く見かけます。

 20分ほどで小爪峠に着きました。ススキで覆われた峠に10年前に立てた道標が浮かび上がっていました。

 ここから金山(967m)の縦走路へとさらに歩を進めます。雨で濡れた登山道沿いに樹木がガスのなかに浮かびあがっています。6月に咲いたドウダンツツジやヤマボウシが咲き終わり、種となる姿を見せていました。

 小爪峠―金山の中間地点のビューポイントで一休み。展望台となる岩の上に腰かけ、ザックから非常食の練乳とペットボトルに入れた柿の種を口に入れます。あたりはガスに覆われ真っ白、何も見えません。普段なら脊振山が見渡せる場所です。

目の前には10年前に立てた道標がこちらを向いています。今年の春、この道標を磨いたので、雨に濡れた木製の道標は光っていました。

 ここから金山方面へ進んだ時、「ド、ド、ド!」と、登山道左の笹藪から右の笹藪へと3頭のイノシシが猛スピードで駆け抜けていきました。3頭が隙間なく連なり、一直線に走り抜けたのです。びっくりするというよりも「すごい!」という感じでした。猛スピードで駆け抜けるイノシシを目の前で見たのは初めてのことでした。

ブナその2

 少し雨が降ってきました。大きなブナをふと見上げると枝から幹へと雨が伝わり、流れていました。ひさしぶりに見る光景でした。

 早速、カメラをビデオモードにして撮影します。しかし、濡れたモニター画面がよく見えずピンボケになってしまいます。そこで、カメラモードに切り替えて撮影を続けます。縦、横とアングルを変え、感度が足りないので、高感度に切り替え、さらにシャッターを切ります。「手ぶれするなよ」と祈りますが、良い写真は撮れませんでした。

 その後、すばらしいブナ林がある場所に到着。ガスの中、登り斜面にブナの木が浮かび上がっています。感動を覚え、アングルと露出を少しオーバー※にして、さらにシャッターを切りました。ブナの樹々は美しく、枯れ木がシルエットとなって浮かび上がっています。私は曇りかけのファインダーからレンズのなかへと、この光景を呼び込みました。

 撮影は終わりました。ここから10分の金山の山頂へは行かず、踵を返し小爪峠へと引き返すことにします。時計を見て時間を確認、午後1時30分には登山口に戻れるはずです。

道標をきれいに

 道中、気になっていた道標「NO.13」を磨きます。雨で濡れているので、道標の汚れはすぐに取れ、きれいになりました。さらにペットボトルの水をかけて仕上げます。まだまだ道標は丈夫だなと確認し、登山口へと戻ります。飲み水をすべて道標にかけてしまったので、喉に渇きを覚え、雨で増えた沢の水で喉を潤します。到着時間は予定通りの午後1時30分。汚れた登山靴、スパッツ、ザックのレインカバーを沢の水で洗いました。雨上がりの登山は思い描いた通りの光景でした。

※山では霧のことを「ガス」と呼びます。
※霧のなかの撮影は露出を少しオーバーにします(+0.3か0.7にすると幻想的に撮影できます)

2019年7月18日
脊振の自然を愛する会
代表 池田 友行

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

     

トップニュース

2020年02月27日 07:00

【シリーズ】生と死の境目における覚悟~第4章・老夫婦の壮絶な癌との闘い(3)NEW!

 久人(仮名)は76歳(2016年)から79歳までの間、胃癌および肺癌、残胃癌、右肺縫縮術の手術を行い(傷病歴参照)入退院を繰り返す日々だった。彼の唯一の楽しみは趣味...

2020年02月27日 07:00

縮むニッポン、健康寿命延伸で「生涯現役社会」は実現するか(中)NEW!

 今では当たり前になった「健康寿命」。実はこの言葉の歴史は意外と浅い。平均寿命は寿命の長さを表しているが、一方の健康寿命は日常的・継続的に医療・介護に依存しないで、自...

2020年02月26日 17:26

春吉の「ラブホテル街」がリゾートシティホテル街へ!~パティシエが支配人のホテル「ザ・ワンファイブヴィラ・福岡」グランドオープン

 九州一の繁華街・中洲に隣接する福岡市中央区春吉に全室30m2以上のホテル「The OneFive Villa Fukuoka(ザ・ワンファイブヴィラ・福岡)」がオー...

2020年02月26日 17:26

九州地銀7行(含むFG・FH)の株価~高安まちまち

 本日(26日)の東京株式市場における日経平均株価は【表1】の通り、始値は前日比マイナスでスタートしたものの、後場に入り値を戻し、終値は前日比▲179.22円の2万2...

2020年02月26日 17:25

トヨタの技術の粋を集めたコンパクトカー「新型 ヤリス」!2020年2月22日より店頭へ

 走る楽しさと、世界最高レベルの低燃費、先進の安心安全技術を備えたコンパクトカーとして注目を浴びるTOYOTAの新型車「ヤリス」。

2020年02月26日 16:18

「資さんうどん半道橋店」2月27日(木)午前10時オープン~福岡市内では、7店舗目のオープン

 北九州で約40年にわたり愛される「資さん(すけさん)うどん」を展開する、(株)資さん(本社:福岡県北九州市、代表取締役社長:佐藤崇史)は、福岡市内7店舗目となる「資...

2020年02月26日 15:10

トライアル今期出店20店に~3月東水巻店オープン

 トライアルカンパニーの今3月期の大型店出店は2月上旬オープンした桜井粟殿店(奈良県桜井市)で19店となった。

(株)モーベリーホーム(北九州) /建築工事

 (株)モーベリーホームは、2月13日までに事業を停止し、事後処理を弁護士に一任。破産手続き申請の準備に入った。

2020年02月26日 14:07

学びあり笑いあり美食あり~博多織と落語を楽しむ会@東京・半蔵門「福扇華」にて

 東京都千代田区にある福岡県のアンテナレストラン「福岡料理と旬の味 福扇華(ふくおか)」では、福岡県産の食材をふんだんに使用した料理の数々のほか、物販スペースや最大6...

2020年02月26日 13:30

縮むニッポン、健康寿命延伸で「生涯現役社会」は実現するか(前)

 第201通常国会が令和2年1月20日に召集され、安倍晋三首相は衆参両院の本会議で行った施政方針演説のなかで、内閣の最大のチャレンジと位置づける全世代型社会保障制度に...

pagetop