• このエントリーをはてなブックマークに追加
2019年08月12日 07:00

【パチンカー代の『釘読み』】私たちはなぜパチンコを辞められないのか(前)

 パチンコ・スロットが辞められない。900万人を超える遊技ファン全員が「依存症」とも思えない。根本的な理由はどこにあるのか。自他ともに認めるヘビーユーザーの2人が話し合った。

A:遊技ファン歴10年 B:遊技ファン歴20年

その1:過去の成功体験から抜け出せない

 Aがパチンコホールに足を運ぶようになったきっかけは、仕事を通じてだった。

 「取引先の担当者に誘われて付いて行き、何も分からぬまま1万円が消えました。何が楽しいのかさっぱり分からなかったのですが、顧客なので無下に扱うこともできず、次の誘いにも付いて行き…」

 この2回目の来店でAは人気スロット台「GOD~神々の系譜」に着席。1万円分遊技し、最終的に3万円分の景品交換を行った。要は2万円勝ったのだ。

根強い人気を誇るスロット『GOD』シリーズ

 「この時初めて面白いと感じました。2時間程度で2万円増えたのですから、気持ちも高まります。また、景品交換の場所がパチンコホールから少し離れたラーメン屋の店内だったのも面白かったですね」(A)。

 勝ったという事実と、初めての景品交換場所の特殊さも相まって、Aのなかで遊技は「面白い」ものとして定着していく。

 Bは友人の誘いでパチンコ・スロットを打ち始めた。Bが遊技を始めたころはいわゆるスロット「4号機」全盛時代。パチンコホール内が熱気で満ちていた頃である。

 「私が打ち始めた時流行していたのはスロット『大花火』でした。たとえば、1万円持って行き、2万円分の景品をもって帰るという風に、軍資金が2倍になるのは当然といった感覚で打ってましたね。友人はスロットで、金額にして月200万円分稼いでいましたよ。打ち方も1人で打つのではなく、打ち子(=雇われてパチンコ・スロットを打つ人)を引き連れて出そうな(=勝てそうな)台を占拠し、儲けを分配するといったやり方をしていました」(B)。

 友人の影響もあり、Bのなかで遊技は「稼げる遊び」というイメージが固まっていく。

 A、Bともにその後「オスイチ(=着席して一回転目で当たること)」や「一撃万枚(=スロットで大当たりが途切れることなく続き、獲得メダル枚数が一万枚を超えること)」、大負けからの「まくり勝ち(=負け分を取り戻したうえでさらに勝つこと)」といった経験を通じ、ますます遊技にのめり込んでいく。Aは最高、半日で約28万円分、Bは1日で約40万円分の景品交換を行ったことがあるという。

スロッターの悲願、一撃万枚! 金額にして約20万円!

 「打ち続けるうちに、最低でも2万円持っていないと勝負にならないなと感じるようになります。なので最低でも2万円は負ける可能性があるわけです。ですが、以前のスロットには天井といって、何回まで回せば必ず当たるといった救済措置が講じてあったんですよ。しかも、その救済措置というのが、大勝ちにつながるような太っ腹な内容のものが多かったので、2万円では収まらず、ついつい追加投資して天井まで回してしまうということは多々ありました。今は規制強化でこの天井の内容も大したことなくなったので、早々と見切りをつけることのほうが多いですが」(A)。

 「私が20代だったころは、5万円突っ込んでも1時間あれば10万円取り返せるような仕様のスロットが主流でしたので、負け額よりは勝ち額の方に意識がもっていかれて、追加投資に関してはあまり気にしていなかったというのが実際ですね。勝った時のことばかり気にしているのは、今でも変わらないのかもしれないですが(笑)」(B)。

 勝ちの経験=成功体験が尾を引き、遊技を辞められずにいるAとB。しかし、規制強化(2018年2月施行の改正風営法)により、2人ともパチンコホールに通う回数は着実に減っているという。

 「頭ではわかってるんですけどね、もう昔のように勝つことはできないんだと。実際、規制強化前は毎週ホールに遊びに行ってましたが、規制強化後は月に2回行くか行かないかです」(A)

 「昔は朝から並ぶこともありましたが、今じゃ朝からホールに人の列が出来ている光景を奇異の目で見てしまってる自分がいますね。もう以前ほどの熱はないですよ」(B)

 両者ともにホールに通う回数は減っているが、止めるまでには至っていない。過去の成功体験からの脱却は、規制強化の“おかげ”で成功しそうだが、完全に遊技を辞められない理由はどこにあるのか。

 次稿、私たちはなぜパチンコを辞められないのか(後)、「来世邂逅」。

(つづく)
【代 源太朗】

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

     

トップニュース

2020年06月04日 17:47

【コロナに負けない(47)】総合工場を新装~(株)アダル武野龍社長インタビューNEW!

 業務用・店舗用家具メーカーの(株)アダルは、5月11日に新総合工場での本格稼働をスタートさせた。データ・マックスは2日、同社の武野龍社長に工場建設の経緯などを聞いた...

2020年06月04日 16:57

【コロナに負けない(46)】休業要請に対して営業を続けたパチンコ店NEW!

 2020年4月、福岡県は新型インフルエンザなど対策特別措置法第24条第9項に基づいた施設使用の停止(休業)の要請に応じず、営業を続けていた県内のパチンコ店6店舗の店...

2020年06月04日 16:27

居住ゾーンを第一交通グループが開発~旧門司競輪場跡地・再開発プロジェクト(前)

 2002年3月末に廃止となった旧門司競輪場の跡地を活用し、北九州市が公共施設の集約・多機能化を目指している「モデルプロジェクト再配置計画(大里地域)」。住宅開発を行...

2020年06月04日 15:16

「6・4」天安門事件31周年 香港は追悼集会が禁止に

 6月4日で1989年の天安門事件から31周年を迎える。中国では事実上、同事件に関する活動は禁止されているが、香港で翌1990年以降毎年6月4日に追悼活動が行われてき...

2020年06月04日 14:43

【学歴詐称疑惑】再燃!女帝の学歴をめぐる疑惑~小池都知事の「カイロ大首席卒業」は本当か

 18日告示の「東京都知事選(7月5日投開票)」がようやく動き出した。ホリエモンこと堀江貴文氏の出馬も取り沙汰されるなか、過去2回の都知事選出馬経験がある宇都宮健児弁...

2020年06月04日 14:30

九州地銀の20年3月期決算を検証する(5)

   【表1】を見ていただきたい。九州地銀の21年3月期の当期純利益(予想)順位表である。 ~この表から見えるもの~ (1)九州地銀18行の21年3月期当...

2020年06月04日 14:00

高輪ゲートウェイ・駅前開発が本格化、計2万m2の歩行者広場も

 山手線30番目の駅として、今年3月に開業した「高輪ゲートウェイ駅」――4月には国土交通省から民間都市再生事業計画の認定を、また内閣総理大臣による都市計画決定の認定を...

2020年06月04日 13:49

【長丘萬月レポート】中洲休業要請解除の日(6月1日、2日の状況レポート)

 新型コロナ感染拡大にともない、接待をともなう飲食店などに出ていた休業要請が6月1日から福岡県も解除になりました。4月7日の緊急事態宣言以降、中洲では98%のお店が休...

2020年06月04日 13:48

農事組合法人きのこ屋ほか1社(長野)/きのこ製造

 同社と関連の(株)武利は5月25日、長野地裁より破産手続開始決定を受けた。

2020年06月04日 13:30

「スポーツガーデン香椎 開発プロジェクト」着工~“食と健康のグッドサイクル”を提案する複合商業施設へ

 地域で半世紀以上親しまれてきた「スポーツガーデン香椎」。多くの人がここでの思い出を懐かしく感じるだろう。その跡地での再開発概要がようやく明らかになった...

pagetop