2024年04月20日( 土 )

内部告発生かさぬなら内部告発者が潰される

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 NetIB-Newsでは、政治経済学者の植草一秀氏のブログ記事から一部を抜粋して紹介する。今回は腐敗しきった日本政治を正すために、いまこそ、サイレントマジョリティーである主権者が行動を起こすべきときだと訴えた8月8日付の記事を紹介する。

 日々、さまざまな出来事があり、メディアを賑わす。大事なことは、ひとつひとつの物事をどのように処理するのかだ。

 大きな論議を呼ぶには、それなりの理由や背景がある。多くの問題点が浮かび上がる。しかし、浮かび上がっただけでは意味が無い。ものごとに、どう決着をつけるのかが重要なのだ。

 吉本興業のブラックな体質が浮かび上がった。発端は、一部のタレントの問題だったが、当該タレントの記者会見によって焦点が吉本興業の経営問題に移った。この問題が主権者にとって見過ごせないのは、この企業に巨額の公金が注がれる事実が存在するとともに、この企業が政治との癒着を深めている事実が明確だからだ。

吉本興業のブラックな体質として、
1.経営トップによるパワハラ、強要罪等の犯罪疑惑
2.下請法違反の容疑
3.反社会的勢力との関わり
という問題が浮かび上がった。

 さらに、政治権力との深い癒着関係も明らかになった。吉本興業の支配者と見られている大崎洋氏の公の場での説明が必要不可欠だ。

 6月20日に第1回会合が開かれた沖縄の米軍施設・区域の跡地利用に関する政府の有識者懇談会「基地跡地の未来に関する懇談会」の委員に大崎洋氏が選任されている。「李下に冠を正さず」の言葉に従い、大崎市を委員から外すことが、まずは必要である。

 池袋で車を暴走させて母子を殺害した重大事件で警察当局は加害者の飯塚幸三氏を逮捕していない。被害者の遺族の男性は、加害者に対する厳罰を求めて署名活動を行っている。日本の腐敗した刑事司法の現実に対して被害者遺族が異議を申し立てているものだ。

 メディアは問題を報じるが、重要なのは、問題を騒ぎ立てることではなく、最終的に問題がどう処理されるのかを丁寧に追跡することだ。
森友学園に国有財産が不正に低い価格で払い下げられた。国家に損害を与えた事案であり、背任の罪で立件される必要があった。財務省は組織ぐるみで公文書の改ざんや虚偽公文書の作成を行った。これも重大な刑法犯罪である。

 国会に虚偽の報告をして国会審議を滞らせたことは偽計業務妨害罪に該当する。しかし、日本の腐敗した刑事司法はこれらの重大刑法犯罪事案を無罪放免にした。

 安倍内閣が家計学園に獣医学部の新設を認めた事案も、政府による個別事業体への利益供与事案であると判断できる。しかし、日本の腐敗した刑事司法は、この問題も無罪放免とした。

 メディアは問題を騒ぎ立てるだけで、問題処理に対して異議を唱えることも、執拗に問題を追及し続けることもしない。その一方で、かつての西松事件や陸山会事件の対応はどうであったのか。

 何ら違法性のない収支報告書の記載を重大犯罪であるかのごとくに報道し、刑事司法当局は何ら違法性のない事案を重大犯罪として立件した。
陸山会事件は収支報告書への記載の年度区分の問題という、これまたおよそ刑事責任を追及するような事案でなかったにもかかわらず、これを重大犯罪であるかのように装って立件した。

※続きは8月8日のメルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」「腐敗が進む日本社会日本政治を変えるために」で。


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・植草一秀の『知られざる真実』

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