2024年03月29日( 金 )

NYダウと日経平均株価の連動性について

記事を保存する

保存した記事はマイページからいつでも閲覧いただけます。

印刷
お問い合わせ

 NYダウ平均株価が上昇すれば、日経平均株価も上昇するといわれているが、はたして、それは本当に根拠があるのか。検証してみることにする。

※クリックで拡大

 【表1】を見ていただきたい。NYダウと日経平均株価の推移表である。米国はサマータイムを導入しており、2019年は3月10日(日曜日)から11月3日(日曜日)までとなっている。その期間、ニューヨーク証券市場の立会は、日本時間の午後10時30分から翌朝5時までとなっており、昼休みの休憩時間はなく、5時間半となっている。なお、冬時間は1時間繰り下がり、日本時間の午後11時30分から翌朝の6時となっている。

 一方、東京証券市場は午前9時から午後3時まで。午前11時30分から午後12時30分は1時間の昼休みがあり、実質の立会時間は5時間となっている。

~この表から見えるもの~

 表の一番下にあるNYダウの1月30日の終値は、前日比+434.90ドルの2万5,014ドル86セント(前日比1.77%増)となっている。冬時間であり、終値は日本時間の1月31日午前6時。それから3時間後の午前9時より、東京証券取引所で日経平均株価の立会が開始され、終値は前日比+216.95円の2万0,773円49銭(1.36%増)で取引を終えており、連動しているのがわかる。

 2月末と4月末はマイナスの連動性、3月末はプラスの連動性となっており、4カ月続けて連動しているのがわかる。

 5月末のNYダウはプラスで取引を終えたものの、日経平均株価は前日比▲341.34円の2万0,601.19円(前日比▲1.63%)となっている。米中の貿易摩擦が終息に向かうとの見方から一転して、厳しくなるとの見方に変わったからだと予想されるが、連動性は途切れている。

 8月に入ると、1日から6日まで負の連動性で一致。8月7日、8月8日はそれぞれマイナスとプラスとなり、非連動となっている。

 しかし、8月9日~8月23日(休日を除く)の10営業日の間、連動性が続いている。韓国による日韓の軍事情報包括保護協定(GSOMIA/ジーソミア)の破棄決定は、日韓それぞれが結ぶ米国との同盟関係にも影響をおよぼすおそれがあるものの、日経平均株価は前日比+82.90円の2万0,710円91銭(0.40%増)で本日の取引を終えている。

 1月から7月末までは5勝2敗で連動率は71.4%。1月から8月23日までは18勝5敗で連動率は78.3%。8月は13勝2敗で連動率は86.7%と高くなっているのがわかる。

<まとめ>

 NYダウと日経平均株価は、投資家心理・経験則から似た動きにはなりやすいものの、理論的には超短期での相関性は低いものと思われる。あくまでも参考程度にするのがベターなようだ。

【(株)データ・マックス顧問 浜崎裕治】

関連記事