• このエントリーをはてなブックマークに追加
2019年09月17日 16:42

凸版印刷が仕掛ける「キャンパスラボ」とは何か?(前)

凸版印刷(株)

 凸版印刷(株)には、「キャンパスラボ」というユニークなプロジェクトがある。ミスキャンパスの女性(学生)がメンバーとなり、社会課題に主体的に取り組むプロジェクチーム。10代・20代の若年層のマーケティングから商品開発、PRやプロモーション立案まで一貫して考え、企業や自治体と共創し課題を解決する。同社はなぜ、キャンパスラボをプロデュースするのか。キャンパスラボは何をつくり出してきたのか。九州、福岡で新たなコラボは実現するのか。

中山柚希さん(凸版印刷社員、左)と糠信ひなのさん(駒沢大学学生、右)
中山柚希さん(凸版印刷社員、左)と糠信ひなのさん(駒沢大学学生、右)

イチジク製薬とコラボし、便秘解消の啓発活動を実施

 キャンパスラボ(以下ラボ)の発起人であり、代表・プロデューサーを務める中山柚希さんは、青山学院大学学生のころ、自らミスキャンに出場した経験がある。その結果、惜しくもグランプリを逃した。「悔しさや自分への嫌悪感などに悩まされた」そうだ。そんなとき、たまたま企業と一緒に商品開発をする機会があり、社会人とビジネスとして関わっていくなかで、「女性視点を活用した課題解決という新たなチャレンジの場に立つことができた」と振り返る。

 2015年3月、都内のミスキャンパス(以下、ミスキャン)などに声をかけ、7名のメンバーでラボを立ち上げ、このときから凸版印刷(株)(以下、凸版印刷)のオフィスを借り、同社のプロジェクトとして活動を始める。同社のサポートのもと、初代リーダーとして、自治体や企業と共創し、若年層向けの商品開発や啓発プロモーション企画など、さまざまなプロジェクトに携わった。

 その学生時代にイチジク製薬(株)と取り組んだ「カラダの中からキレイラボ」では、若い人に向けたセルフケアとして、「便秘」を問題提起し、早く治す大切さの啓発活動を行った。メンバー自身、開始時点では便秘解消に対する意識はそれほど高くなく「そもそもなぜ便秘を解消する必要があるのか?」という疑問を薬剤師にぶつけるところから企画がスタートした。

リアルターゲット、インフルエンサーの視点で伝える

2016年1月、キャンパスラボが企画した便秘解消啓発アドトラックに自ら乗車し、啓発活動を行った
2016年1月、キャンパスラボが企画した便秘解消啓発アドトラックに自ら乗車し、啓発活動を行った

 薬剤師と話をしていくなかで、実は子どもの便秘が社会問題になっていることや、若い女性でも便秘を「自分ごと化」していない人が多いこと、自分が便秘だと気づかず放置している人がいることがわかった。また、便秘が「肌の調子」や「体臭」にも強くかかわっていることを知り、「便秘解消や腸内環境を整えること=美容に関わること」も含めて、「カラダの中からキレイ」になることの重要性を実感した。

 その後、メンバー自身が1日に1.5Lの水を飲むなど自ら腸内環境改善チャレンジを行って発信したり、女性が楽しく便秘解消に取り組むための便秘解消スムージーレシピを研究したりと、同世代にどのようにして伝えていくかを考え、実行した。

 さらに、若い世代が目に留める、人に話したくなる便秘解消啓発アドトラックを企画し、メンバー自らがアドトラックに乗車し啓発活動を実施。それまでSNSなどに登場する機会が少なかった「イチジク浣腸」に関する情報を拡散。メディアなどにも取り上げられるようになった。

 「単にSNSなどを使って呼びかけをするのではなく、ミスキャンが本気で社会課題を学び理解し、リアルターゲットかつインフルエンサーの視点で、わかりやすく、若い世代に興味をもってもらえるかたちで伝えていくことがラボのこだわりであり、強みだ」と話す。

 ラボの活動は順調に拡大していった。その活動によって、中山さんは自分の視野を広げることができ、周りのメンバーの成長や変化を肌で感じ、より多くのミスキャンにラボを通してやりたいことを見つけてもらいたい、女性が楽しく輝けるきっかけをつくる仕事をしていきたい、と思うようになった。卒業が近づくにつれ、「卒業後もラボの活動を続けたい」という思いが強くなり、凸版印刷への入社を考え始めた。学生団体に場所や時間を貸す懐の深さに魅力に感じ、自分のやりたいことを実現するための場として同社を選び、入社した。

(つづく)
【大石 恭正】

CAMPUSLAB
代 表:中山柚希(なかやま・ゆずき)
凸版印刷(株)情報コミュニケーション事業本部ビジネスイノベーション推進本部 事業創出推進部(同社の新規事業として運営)
所在地:東京都新宿区西五軒町13-1
URL:http://www.campuslab.jp/


<COMPANY INFORMATION>
代 表:麿 秀晴
所在地:東京都千代田区神田和泉町1
創 業:1900年1月
資本金:1,049億円
売上高:(19/3連結)1兆4,647億5,500万円
従業員数:5万1,712名
URL:https://www.toppan.co.jp

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

     

トップニュース

2019年10月19日 07:00

【凡学一生のやさしい法律学】関電報告書の読み方~関電疑獄を「町の法律好々爺」凡学一生がわかりやすく解説(3)

 関電の前号のような事情・実態もあってか、竹中平蔵氏が語っているように、政府高官の子弟が多く電力会社に就職している実態がある。竹中氏は遠慮しているので凡学一生の体験を...

2019年10月19日 07:00

癒しを求めて 全国から経営者が来院(後)

 慢性疲労には、水素も効果的です。大学病院の研究では、水素ガスの吸引は、ストレスや慢性疲労には極めて効果があることがわかりました。疲れが溜まっていくと、細胞内のミトコ...

2019年10月18日 17:59

「私たちにも何かできることがあるはず」~台風19号により氾濫した多摩川を取材して

 多摩川駅から歩いて約5分先の川沿いを歩いた。本格的な夏も終わり、コンクリートで固められた堤防というのに、上流から流されてきた大木や草木によって、現場では生草と粘土の...

2019年10月18日 17:49

日本初上陸の王室ご用達のスペイン料理店「ホセ・ルイス」出店~カトープレジャーグループがスペイン大使館で事業戦略発表会を開催

 (株)カトープレジャーグループは11月1日、日本初上陸のスペイン王室ご用達レストラン「ホセ・ルイス」を、東京・渋谷に出店。10月16日には、駐日スペイン大使館(東京...

2019年10月18日 16:57

ホークス、台風19号の被災地に義援金

 福岡ソフトバンクホークス(株)と福岡ソフトバンクホークス選手会(会長:柳田悠岐選手)は台風19号の被災地支援として義援金200万円の寄付とヤフオクドームに募金箱を設...

2019年10月18日 16:19

健康長寿の産業化で医療コスト削減を目指す

 国の財政問題がさまざまに語られるなか、中心となるのは高齢化の進行と、それにともなう医療費の高騰や経済活動の減退だ。これらの対策として医療費を削減するとともに、経済活...

2019年10月18日 16:10

次世代通信技術“5G”の持つ危険性(後編)

 欧米の研究者の間で進められている5Gの健康への影響に関する調査の一部を紹介してみたい。日本での議論の呼び水になれば幸いである。先ずはイスラエルのアリエル大学で物理学...

2019年10月18日 16:10

種子の自家採取原則禁止、疑念払拭できず 種苗法めぐり農水省(前)

 農家による種子の自家採取を原則認める種苗法が改正される恐れが生じるなか、日本の種子(たね)を守る会(会長・八木岡努JA水戸代表理事組合長)が15日、参議院議員会館内...

2019年10月18日 15:32

(株)海商、山本一隆氏が代表取締役社長に就任

  (株)海商(福岡市東区)は、代表取締役社長に山本一隆氏が就任したことを発表した。9月20日に山本峰雄会長が死去したことを受けてのもの。

2019年10月18日 15:00

厚生労働省公表の「ブラック企業」10月11日発表 福岡労働局分

 厚生労働省は17年5月から、労働基準関係法令に違反し書類送検された企業の一覧表をホームページに掲載している。

pagetop