• このエントリーをはてなブックマークに追加
2019年09月24日 17:18

中国経済新聞に学ぶ~日本発祥QRコード技術 中国から逆輸入

 日本のNTTデータグループがこのほど、無人商店システムの研究開発分野で中国のスタートアップ企業と協力を展開することを明らかにした。同分野でトップに立つ中国からQRコード認証技術を導入し、遅れている無人商店技術で逆襲をかけることが目標だという。

 日本が発祥のQRコード技術は中国で再創造が行われた後、新しい技術、新しいビジネスモデルを構築し、それから日本に逆輸入された。これは技術革新(イノベーション)ではよくあることだ。

 QRコード(キューアールコード)は、1994年に自動車部品メーカーであるデンソー(愛知県)の開発部門(現在は分離しデンソーウェーブ)が発明したマトリックス型二次元コードである。

 「QR」はQuick Responseの頭字語であり、高速読み取りを目的の1つつとしている名称である。「QRコード」はデンソーウェーブの登録商標(第4075066号)である。

 トヨタ生産方式「カンバン」(ジャストインタイ厶生産システム)において、自動車部品工場や配送センター等での利用を念頭に開発された。しかし、誤り検出訂正の能力が高く、また、オープンソースとされたことから、トヨタのサプライチェーンの範囲から飛び出して1人歩きを始め、現在では日本に限らず世界に広く普及している。

 NTTデータの今回の協力相手は上海の科学技術企業だ。同社はQRコードを通じて顧客の入店・出店や決済の管理を行う。店舗に設置されたカメラとセンサーによって来店と商品の移動状況を把握し、誰がどの商品を買ったか確定する。

 中国はこの分野ですでに世界の先駆者であり、多くのネット科学技術企業などがこの新興業態に相次ぎ参入する。塀の中で花が咲き、その香りが塀の外へ広がるようなものだ。このたびのNTTグループの動きは、スタートアップ企業に投資するということではなく、実際にQRコード業務を展開することが目的だ。

 北京市は現在、都市公共空間サービス施設管理規則を制定中だ。街路灯、ゴミ箱、ベンチなどすべての公共サービス施設が将来的に、「QRコード」身分証明証を付与されなければならない。都市管理者は「認証コード」による法執行を実施することになり、QRコードのない施設は一律で規定違反施設と認定される。

 都市道路公共サービス施設とは、都市部の道路両側の公共スペース内に設置され、歩行者に直接サービスを提供する施設のことだが、数が多く種類が複雑という問題が常に存在している。これらの「都市の家具」はどのように登録し、身分を示すのだろうか。

 北京市は2015年より都市道路公共サービス施設に「QRコード」管理を増設している。スマートフォンの微信(WeChat)、QQ、微博(ウェイボー)などのソフトを使い施設のQRコードをスキャンすれば、その施設の名称、所有者、監督管理機関などの基本情報が速やかに表示される。また施設に存在する汚れや破損などの問題をネットで報告できる。北京市都市管理委員会が明らかにしたところによると、北京市は昨年末現在、約550本余りの大通りの約6万5000カ所の都市道路公共サービス施設のQRコード管理を実現している。

 北京三里屯太古里南エリアを取材した。道路沿いの店の入口の目立つ位置に、手のひらサイズの四角い箱が設置されていた。そこには「都市管理QRコード」という文字が中国語と英語で書かれ、それから白黒のQRコードがあった。

 記者はスイーツ店を選び、携帯電話で入口のQRコードをスキャンした。すると店の名称、営業許可証ナンバー、法人、所在地、行政所属、監督管理機関など一連の情報が表示された。ページの一番下には「問題報告」のボタンがあった。これをタップすると違法広告、施設の破損、衛生問題、違法経営、歩行妨害などのさまざまな問題を報告できる。ページ下の「関連サービス」ボタンをタップすると、近くの地下鉄、公衆トイレ、バス停、保安施設、地域交番などの情報が表示される。

 NTTデータが今回導入するのは(ハードウェアを含むひとそろいの認証技術であり、中国をはじめとするアジア各国の最新技術を採用し、日本ですでに1つの流れを形成している。

 日本自体も無人商店の発展に非常に適した国だ。日本は先進国であり、コンビニエンスストアは多く、高齢化が進行し、人手は不足する。携帯電話で決済する無人商店モデルにより、労働力を極めて大きく削減することができる。同時に、日本は収入が多く、国民の質が相対的に高く、貨物の損傷も少ない。しかし日本のモバイル決済の割合は相対的に低く、これはつまり、この方面で日本にはまだ大きな発展の可能性があるということだ。NTTデータの計画では、2022年度に無人商店1千店舗を開設するという。

 広く世間の注目を集めるのは、日本企業が中国企業に技術を移転するのではなく、中国企業から技術を導入するという点で、実際に非常に珍しいケースといえる。

 QRコードは1994年に日本人が発明し、中国で再創造が行われた後、新しい技術、新しいビジネスモデルを構築し、再び日本に逆輸入された。これは日中科学技術分野での協力の美談になるという。


中国経済新聞を読もう

<連絡先>
■(株)アジア通信社
所在地:107-0052 東京都港区赤坂9-1-7
TEL:03-5413-7010
FAX:03-5413-0308
E-mail:china@asiahp.net
URL:http://china-keizai-shinbun.com

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

     

トップニュース

2020年09月22日 07:00

BIS第170回例会~ワシントンDC、ローマを結ぶオンライン開催(9)

 最後に、中川十郎BISJ会長は「新型コロナ騒動」のなかで密かに進行している国際政治に目を向け、「一帯一路と米中貿易戦争」について発表した...

2020年09月22日 07:00

健康・安全意識の高まりに乗って、オールミネラル化システムにブレイクの兆し

 独創的な水処理システム『ミネラルクリスター』を製造・販売する(株)クリスター。雨が山の地層を通過し、豊富なミネラルを含んだ名水となって地下から湧き出る―そんな自然の...

2020年09月21日 07:00

BIS第170回例会~ワシントンDC、ローマを結ぶオンライン開催(8)

 井出氏は、新型コロナウイルス感染拡大で世界が求められていることは(1)感染経路の究明、(2)感染防止のための諸国民の努力、(3)専門家、医療関係者への期待・要請...

2020年09月21日 07:00

ご縁と絆を大切にして、堅実な事業を構築し続ける

 (株)隆工務店は1965年1月創業、67年7月設立の建設会社だ。現代表取締役・田原昇氏は、長年“番頭”として先代を陰で支え続け、2016年7月に3代目の同社代表取締...

2020年09月20日 07:00

実直・謙虚な姿勢で快適さを提供する

 創業64年の社歴をもつ地場有数の老舗である山本設備工業(株)。地場業界のなかでも老舗に入る企業を率いるのは、3代目代表取締役社長・山本慎一氏。今年で就任15年目に入...

2020年09月20日 07:00

【凡学一生のやさしい法律学】香港で起きていること~国家統治の基本となる三権分立(後)

 上述の9月1日付『産経新聞』の記事では、香港政府は高校教科書から「三権分立」の記述を削除させた、と最後に小さく記述されていた...

2020年09月19日 07:00

WITHコロナで柔軟対応戦略を展開

 「コロナ襲来でこんなに社会活動が規制されることを想像したこともなかった」と諸藤敏一社長が溜息をつく。しかし、立ち止まることはない...

2020年09月19日 07:00

【凡学一生のやさしい法律学】香港で起きていること~国家統治の基本となる三権分立(前)

 国の政治状況には、騒乱期と安定期がある。騒乱期には政治的争点は直ちに露見され、騒乱を激化させる。一方で、安定期には本来であれば政治的争点となる「不都合な真実」を支配...

2020年09月18日 17:48

【9/18~30】カイタックスクエアガーデンがスイーツなどのポップアップショップをオープン 新たなカルチャー発信を目指す

 「カイタックスクエアガーデン」は本日から、ポップアップショップやプロモーション拠点などとして利用できる「ワスクポケットショップ」をオープンさせた。

2020年09月18日 17:22

小田孔明選手らが豪雨被災地に義援金~復興への願い込めアスリートが数百点のグッズを無償提供

 九州出身のプロゴルファーの小田孔明選手らは、7月の豪雨で甚大な被害を受けた九州の3都市(福岡県大牟田市、熊本県人吉市、鹿児島県鹿屋市)に義援金を届けた。被災地が悲惨...

pagetop