民意の付託を受けた議会として再配分機能を充実させる(2)
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第69代福岡県議会 議長 栗原 渉 氏
福岡市の繁栄は周辺自治体あってこそ
――福岡県の人口が510万人を超えましたが、それは福岡市および都市圏の人口増で、ほかの地区では久留米市ですら急速に減っているという現実があります。福岡市と北九州市という政令都市があるなかで、県としてはそれ以外の地域に目配りして人口減や地域の衰退をとどめるような配慮が必要ですね。
栗原 考え方としては、2つの政令市に加えて中核都市の久留米市を中心として行政執行することになります。
政令市は県とほぼ同等の権限をもって行政執行していますから、福岡市の発展と周辺郡部の発展をどう連携させるかということになると、福岡市と福岡県がいがみあっていても何も発展的なことはないわけです。だから福岡市と連携して、福岡市のアドバンテージやポテンシャルがあるとするならば、そこを利用させてもらうと。あとは久留米市も皆さまのご努力で最近また上向きになりつつあります。
忘れてはならない視点として、これは国もそうなのですが税収の再配分機能が大事だと思うのです。すべての県民の方々が汗を流していただいた結果として税収があり、国や県、市町村は徴税権のもとお預かりしている税金を再配分する。そういう意味では、「福岡市の税収を県にまわしてほしい」という話にはなりませんが、福岡市と連携することでほかの自治体も均衡ある発展をすることができるのではないでしょうか。
――福岡市だけが繁栄するというのはありえない、と。
栗原 福岡市だけで今の福岡市の繁栄があると思ってはいけないと思うのです。福岡市は経済活動の場としては非常にメリットがあり、さまざまな面で県をリードしていく存在であることはたしかです。しかし、福岡市で働く人たちも住む場所が必要で、筑紫地区や糸島市、粕屋・宗像地区、さらにもっと遠くから福岡市に通っている方々が多いことも忘れてはならないでしょう。
働く場所は福岡市であっても社会サービスの提供は住居地で受けているわけで、周辺の市町村が福岡経済を支える人たちの生活インフラを提供しているという事実をきちんと押さえておくべきです。決して、福岡市民だけで福岡市経済が成り立っているわけではないのです。そういった調整、福岡市と他市町村の間では片付かないことを調整するのも県の役割だと思います。
(つづく)
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