• このエントリーをはてなブックマークに追加
2020年01月17日 07:00

働く人が幸せを感じる職場づくり 障がい者、外国人も積極雇用 一樹百穫 

リネンサプライ
玉屋リネンサービス(株)

リネンサプライのパイオニア

代表取締役社長 田中丸 昌宏 氏
代表取締役社長 田中丸 昌宏 氏

 玉屋リネンサービス(株)は、リネンサプライ、総合クリーニング業を手がける。リネンサプライ業は同社設立の2年前、1962年に病院寝具設備・洗濯が外部委託できるようになってからクリーニングの新しい分野として生まれた。つまり、同社は福岡におけるリネンサプライのパイオニア的存在でもある。

 リネンサプライは、一般的なクリーニング業とは違い、リネンサプライ事業者がリネン(麻などの織物全般)製品の在庫をもち、それを契約者に貸し出すサービスである。貸し出したリネン類は、定期的に回収・洗濯・仕上げをして納品する。ホテルや病院など契約者は、リネンの購入、洗濯、仕上げ、補修、保管などに対する設備投資や人的な投資を必要としないことから、リネンサプライ事業者である同社も着実に成長を遂げてきた。

 「ヒルトン福岡シーホーク」「ホテルオークラ福岡」「ホテル日航福岡」「西鉄グランドホテル」や「福岡山王病院」「福岡市民病院」などといった福岡でも著名なホテルや病院といった大型施設を中心に業務を受託している。インバウンドの大幅な伸びでホテル開業が相次ぐことから、ホテル需要はさらに拡大すると見込んでいる。

みんなが働ける職場を提供

本社工場
本社工場

 国は「一億総活躍」を謳い、就業を希望するすべての人が働ける環境づくりを推し進めている。一定規模以上の企業に対して障がい者雇用を義務付ける施策も強化されるようになった。

 同社が障がい者雇用をスタートしたのは1986年、30年以上も前である。「社員の身近に障がい者がいたことから、『障がい者にも働く場を与えてあげたい』という声が挙がったのがきっかけ」と田中丸昌宏社長は当時を振り返る。現在は、11人の障がい者が工場で働いている。さまざまな障害をもった人が働きやすい環境をつくりために試行錯誤を繰り返しながら現在の環境をつくり上げた。

それぞれの力を発揮できる適材適所を重視
それぞれの力を発揮できる適材適所を重視

 また、工場では海外からの留学生や技能実習生、高齢者も働いている。国が推進する人材の受け入れに積極的に取り組むなど、雇用分野においても大きく貢献しているのだ。

 30年以上前から障がい者雇用を始め、それぞれの障がいの種類や程度に合わせて、仕事の内容や進め方などの仕組み、一緒に働くことの意義を現場で共有し、人に優しい風土をつくり上げてきたことで、言葉や風習が違う外国人など、いろいろな立場の人が生き生きと働くことができる職場環境をつくってきた意味は大きい。

利益率の高い企業へ

 リネンサプライ事業において大切にしているのは「品質の向上」「安定供給」「サービスの充実」である。品質の向上については、管理者の国家資格取得業務(クリーニング師)、工場施設・機械設備などを適切に配置、衛生的で適正な処理を徹底している。

 高品質のリネンを安定供給するためには、従業員を増やすとともに大型の機械設備を導入するなどの企業努力を重ねている。1日の取扱量は45tから50tに上るが、近年増え続けるホテルの開業で需要はさらに伸びた。「残業などで対応しようとしましたが、それでも需要の増加に応えられないことから、今年夏には大型の洗濯機と仕上げのロールアイロンなどを導入し、生産量を20%アップした」とうれしい悲鳴を上げた。

 サービスの充実については、ホテルへリネンを配送する際、リネンの納品と回収をスムーズに行うことができるようスタッフを配置。きめ細かな対応で、配送時間の短縮とホテル側の業務負担の軽減などにつながるとして高い評価を得ている。

 今後は増加を続けるホテル需要をさらに取り込みながら、生産性の向上と効率化を追求し、利益率の向上を図る考えだ。

シーツシェイキング乾燥機
シーツシェイキング乾燥機

完全週休2日制を導入

 リネンサプライ事業は、一度契約すると長い付き合いになることが多い。そのため、次年度の数字が読みやすいという強みがある。安定した経営基盤の上で、田中丸氏が目指すのは働く従業員の満足度、幸福度を追求し続けることだ。

 給与水準の引き上げができるよう現場での残業を減らしながら生産性を高めていく。併せて福利厚生の充実にも取り組む。昨年、それまでの隔週週休2日制から完全週休2日制へと移行した。この効果は大きかった。「それまで、転職サイトで求人を出しても集まらなかったものが、完全週休2日制を打ち出すと、比べものにならないほど、応募が増えた」と手応えを感じている。

 障がいの有無や国籍、年齢、性別に関係なく、働く皆が、それぞれがもてる力を発揮できるよう「適材適所」の考え方を重視しているのも同社の企業風土といえる。誰もが喜びや幸せを感じることができる職場づくりに努めてきたノウハウを生かし、ゆくゆくは障がい者自立支援法による障がい福祉サービス事業所(就労継続支援事業など)の運営も視野に入れているという。今後の取り組みに注目したい。

<COMPANY INFORMATION>
代 表:田中丸 昌宏
所在地:福岡市博多区博多駅南4-6-3
設 立:1964年8月
資本金:5,000万円
TEL:092-431-131
URL:http://www.tamayalinen.co.jp/company_recruit.html

25周年記念出版雑誌 『一樹百穫』 一覧

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

     

トップニュース

2020年04月06日 17:39

(株)カクヤスが福岡市のサンノー(株)の株式を取得、子会社化

 (株)カクヤス(東京都北区)は6日開催の取締役会で、サンノー(株)(福岡市)の株式を取得し、子会社化を決議したと発表した。

(有)マツナガ販売(佐賀)/陶磁器卸

 同社は、3月31日に事業を停止し、事後処理を弁護士に一任。破産手続き申請の準備に入った。担当は江頭太地弁護士(弁護士法人桑原法律事務所武雄オフィス、佐賀県武雄市武雄...

2020年04月06日 16:54

【コロナに負けない(18)】社員のクビは絶対に切らない宣言

 中洲のビル管理会社の経営者が「営業を中止しました。従業員たちも自宅待機しています。今年の新入社員たちも同じ扱いです。それでも給料は全額払いますし、社員のクビを切るこ...

2020年04月06日 16:45

オープンハウスがプレサンスの筆頭株主へ

 6日、オープンハウス(東証一部)とプレサンスコーポレーション(東証一部、以下プレサンス)は、資本業務提携を締結した。

2020年04月06日 15:30

なぜCOVID-19はこれほど恐れられているか?〜過度に恐れる必要はないが、決して敵を甘くみてはいけない!(前)

 NetIBNews編集部宛に大阪大学元総長・平野教授によるコロナウイルスの解説(3月27日付)が同氏の友人から送られてきたので、本日より3回に分けて紹介していきたい。

2020年04月06日 15:25

【コロナに負けない(17)】「博多廊」「星期菜」「赤坂茶房」などが臨時休業

 国内における新型コロナウイルス感染拡大の勢いが止まらない。政府や自治体からの「3密」の回避や外出自粛要請もあり、飲食関係者は逆風にさらされている。営業時間を短縮する...

(株)味春(熊本)/弁当製造・販売

 同社は、3月31日までに事業を停止し、事後処理を弁護士に一任。破産手続き申請の準備に入った。

HTBクルーズ(株)(長崎)/クルーズ船運航

 同社は3月23日、長崎地裁佐世保支部から特別清算開始決定を受けた。

2020年04月06日 14:46

【広島】コロナで「人が消えた」地方の歓楽街 除菌徹底や割引で苦境に抗う風俗業者

 東京都の小池百合子知事が自粛を呼びかけたことなどにより、都下の歓楽街は閑散とした状態となった。地方都市の歓楽街はどういう状況なのか。週末、広島の夜の街で話を聞いた...

pagetop