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2019年10月07日 14:45

ラグビーW杯日本代表・大一番に向けて~13日スコットランド戦

 ラグビーワールドカップ2019日本大会(W杯)の日本代表の快進撃で、国内の盛り上がりは最高潮に達しており、つい最近まで見向きもされていなかったラグビーが連日、トップニュース扱いである。その報道ぶりは、凄まじいもので、日本代表選手たちがまるで「英雄」であるかのような扱いだ。

 そんななか日本代表は、10月5日に豊田スタジアム(愛知県)でサモア代表と対戦し、38-19で勝利した。スコア上は、「ダブルスコア」という結果になったが、点差とは裏腹に大変内容が濃く、サモア代表の秀逸で献身的なパフォーマンスが見られた試合だった。試合終了まで果敢に挑戦する姿勢を保ち続けた、サモア代表に改めて敬意を表したい。

 試合は、互角の戦いとなった。ワールドラグビーが発表している同ゲームのデータによると、テリトリー(陣地の支配)、ボールポゼッション(ボール支配率)ともほぼ50%ずつで、甲乙付けがたい数値だった。

 スクラム・ラインアウトのセットでの攻防もほぼ互角、アタックの内容(ボールキャリーでの獲得距離やゲインライン突破率、キックでの獲得距離、キックチェイスでの獲得数など)もしかりであった。

 両者の大きな違いは、ディフェンスで、日本代表がサモア代表に大きく優った項目だった。日本代表のタックル成功率90%に対し、サモア代表は84%で、大きな差があった。それでもサモア代表は、前節(9月30日)のスコットランド戦より、タックル成功率を7%向上させた。日本代表戦に向けて、ディフェンスを再整備し、周到な準備を実施してきたことの証である。

 強力なフィジカルを駆使し、1対1の局面でのタックルと整備・徹底されたシャローディフェンスは目を見張るものがあった。

 一方、わずかなタックルミスも見逃さず、アタックの起点とした日本代表の進化も注目する点である。そして、私見ながら勝負の分岐点は、63分に投入したスクラムハーフ(SH)の田中史朗のパフォーマンスである。65分に左5mラインやや内側のハーフウェイ付近のラックで、田中がサモア代表のSHに放った一撃必殺のタックルをこの試合のハイライトにあげたい。タックルスキルはもちろんのこと、田中の判断力がなせる業だといえる。あの局面での冷静沈着な判断こそが、田中の真骨頂である。あの田中のタックルを見て、私は日本代表の勝利を確信した。

 日本代表は、ここまで3勝全勝で勝ち点14。申し分ない結果である。

 次は、プール戦最後の対戦となるスコットランド代表。おそらくスコットランドは10月9日のロシア戦でボーナスポイントを獲得して勝利するだろう。それにより、スコットランド代表は勝ち点10となる。まだまだスコットランド代表にもトーナメント進出のチャンスがある。一方、日本代表は勝利か引き分けで決勝トーナメントへの進出が決定する。まさに双方にとって大一番となる。

 日本代表は、スタンドオフ(SO)田村優の正確無比でバリエーション豊富なキックで、陣地を優先させ、かつ空中戦でボールを争奪する手堅い戦法をとることが予想される。日本代表のディフェンス力は、日増しに向上しているので、その戦法で試合をつくるのが良いだろう。そして僭越ながら、SHは田中の先発をおすすめする。

 堅守が絶対条件であることから、サモア代表戦におけるSH流大のタックルエラー率25%は、不安要素である。なぜならスコットランド代表のSHは群を抜くゲームマネジメント力を有するグレイグ・レイドローだ。SHのパフォーマンスはいうまでもなく、それらとともに自チームフォワードへの的確な指示とバックスとのリンクプレイ、そして何よりも相手レフェリーとの駆け引きが抜群である。

 レイドローと互角に戦うには、百戦錬磨の田中を先発起用させて、隙のない陣を張ることが重要だ。つまり、レイドローに終始プレッシャーを与えるということである。この大一番は、SHの戦いが雌雄を決するであろう。

【河原 清明】

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