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2020年01月09日 08:00

古賀市を持続可能な都市へ導く スピード感をもった「まちの経営」 一樹百穫 

田辺 一城 古賀市長

古賀市長 田辺 一城 氏
古賀市長 田辺 一城 氏

まち全体で共有する経営ビジョンの見える化

 2018年12月23日に就任し「県内最年少市長」として注目を集める田辺一城・古賀市長。「地方自治体を経営する」意識を堅持しながら、市民ニーズをしっかりと汲み取るために、県議時代から大事にしている「対話」や「交流」、そうした機会の創出を心がけ市政運営をスタートさせた。

概念図(提供:古賀市役所)
※クリックで拡大

 「私たちの国や自治体、地域は、超高齢化・少子化・人口減少という課題に直面しています。幸い古賀市は福岡都市圏の1つであり、総人口は継続して微増傾向にありますが、将来に向かって持続可能な社会をつくっていくためには、まちをどのようにマネジメントしていくかが重要であり、今から長期的な視野で取り組む必要があります。そこでまずは、私の掲げた『まちづくりの理念・公約』に沿った経営ビジョンをしっかりと市民の皆さまと共有する必要があると考え、『持続可能な都市に向けた経営方針』という概念図を作成しました。
 そこには、このまちが置かれている大きな課題と、育んできた歴史・風土・特性を踏まえたうえで、『産業力』『子ども』『健康・安心』という3つの大きな柱を立て、この分野に焦点を当てた政策に力を入れていく意志を示しています。また、このビジョンに基づいた具体的な事業を予算編成のなかで見える化し、市議会の皆さまと共有するとともに、地域や団体の会合へ出向き、住民の皆さまとも共有し意見をいただく対話集会も行っています」(田辺市長)。

古来より受け継ぐ産業力の強化を図る

 古賀市は、九州自動車道・古賀ICを擁するなど交通の要衝であり、昔から多くの企業が集積し、産業(農業・商業・工業)が培われてきた。田辺市長は、持続可能な社会を目指すうえで、この産業力をさらに伸ばしていくための取り組みとして「JR古賀駅周辺の再開発」と「観光・物産・情報発信の拠点機能」を挙げている。

 まちの中心であるJR古賀駅周辺の再開発では、「にぎわいの創出」を目指す。「歩くこと」をキーワードに、人が行き交い、出会い、にぎわう場所を創出し、そこに多様な世代の居住や商機能を付与し消費を生み出すことで活性化を図る。

 「観光・物産・情報発信の拠点機能」では、古賀駅周辺の再開発と連携して、農産物の地産地消の拠点として既存するコスモス館および、その周辺の開発も視野に入れ、計画・実行するプロジェクトチームを立ち上げた。土地利用転換と企業誘致の推進にも強い意識をもち取り組んでいる。

古賀駅前
古賀駅前

トップダウンによるスピーディーな意思決定

 田辺市長の手腕がメディアでも取り上げられ、多くの反響を呼んだ事例がある。今年、皇位継承にともなう10連休(4月27日~5月6日)において、「特別休日保育」を実施した。

 当初は休日でなかった3日間(4月30日~5月2日)について、特別に3園の協力を得て休日保育を可能にしたもの。3日間で延べ約180人の子どもが利用した結果からもニーズの高さがうかがえる。

 「私は2児の父でもあることから、同世代の親たちが直面している課題にいち早く気づくことができました。そこから発想してすぐに取り組み実行したことで、市の内外に、子どもを大切にするメッセージを届けることができたことは良かったと思います」(田辺市長)。

 古賀市は地域力も非常に高く、地域住民によるボランティアや市民活動も積極的に行われているまちである。「通学合宿」や「寺子屋」など「地域で子どもを育てる」ことに先進的に取り組む地域も多くみられる。そういった市民の協力を得ながら、地域力を支え、市民が安心した生活を送れる支援も行政の役割としている。

 今年開催され話題となっているラグビーワールドカップで日本代表チームの切り札となった福岡堅樹選手は古賀市の出身であり、強豪国を下し勝利に導いた福岡選手の活躍に古賀市民をはじめ多くの県民が熱狂したことだろう。「古賀のまちは、自分の好きなことを見つけるのにすごく良い環境でした。自然豊かで、伸び伸びと遊びやラグビーをすることでスポーツ自体の楽しさを覚えることができました」(福岡選手「広報こが『こがんと』」田辺市長との対談より)。

先人の足跡を未来へ持続可能な社会形成

 毎月、市長活動として小中学校へ給食の時間に訪問する「ランチ・ミーティング」では、子どもたちとのコミュニケーションを楽しみながらも、「直に政治家(市長)と話す原体験が、子どもたちにとって社会政治に対する関心をもつきっかけとなれば嬉しいです」と主権者意識の醸成につなげる狙いも語っている。

 記者の経験から「政治に生かすべき声」を聞く使命感は、今でも現場主義である田辺市長の「個人を尊重する」姿勢に表れている――「まちのリーダーとして、地方自治体を経営する大事なポイントとして、やるべきこと・やれることはスピード感をもって取り組むことを意識しています。先人の足跡も踏まえたうえで、まちの特性を伸ばすことを大事にしながら未来へつないでいく。その根幹は『人を大事にしていく』ことであり、古賀市が打ち出している重要な点であります。それが結果として誰もが生きやすい地域共生社会を構築していき、経済活動や定住促進を生み出していく基盤となります。現在、そして未来のため持続可能な社会形成にこれからも取り組んでまいります」(田辺市長)。まもなく1年を迎える「若きまちのリーダー」の今後の活躍にも期待が高まる。

古賀市役所
古賀市役所

▼関連リンク
田辺 一城(たなべ・かずき) 公式ホームページ

25周年記念出版雑誌 『一樹百穫』 一覧

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