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2020年01月07日 07:00

神さまへと続く神聖な場所で梅ヶ枝餅に込める「おもてなしの心」 一樹百穫 

梅ヶ枝餅製造・販売ほか
(株)かさの家

<歴史的風景にある「かさの家」>

 2019年5月1日より新元号「令和」の時代が始まり、「令和」ゆかりの地として「太宰府」が一躍脚光を浴びたことは記憶に新しい。これまでも年間1,000万人を超える観光客が訪れ、なかでも菅原道真公をお祀りする「太宰府天満宮」は、国内外から多くの参拝者が訪れる。その参道に店を構える(株)かさの家は、太宰府を代表する名産品としてファンも多い「梅ヶ枝餅」を販売しており、食事処と茶房・ギャラリーの2つで構成した「かさの家」、手ぬぐいを取り扱う「てのごい家」、丼ぶり物専門店の「笠乃家」の4店舗を運営している。

 創業は1922(大正11)年「旅籠(はたご)」として始まり、同時に梅ヶ枝餅の販売も行いながら旅人の労を癒していた。現代の「かさの家」店内も大正ロマンな雰囲気が漂い、茶房では風情ある庭を楽しみながら梅ヶ枝餅を堪能できるのも魅力だ。「太宰府を訪れる人に愛され、人の心を癒すような『おもてなしの心』で接客するよう従業員一同で心がけています」(不老安正社長)。

<おもてなしの心を育む職場環境>

代表取締役 不老 安正 氏
代表取締役 不老 安正 氏

 同社は、全国の百貨店物産展を合わせると33店舗を展開しており、60名の従業員(正社員35名、パートタイム25名)で切り盛りしている。接客において「おもてなしの心」を大切にしている不老社長は、その商売への想いを従業員へ伝え、同じ価値観をもった同志として一緒に働きたいと願っている。

 その姿勢は、職場づくりからも伝わる。2015年の安倍第三次内閣より検討されてきたころから、「働き方改革」を積極的に採り入れ、「労働時間の短縮」「男性正社員の育児休業」「有給休暇取得促進」とワーク・ライフ・バランスを重視したものに取り組み、従業員のモチベーションアップへつなげている。

 また、「高齢者雇用の推進」として定年を65歳から70歳への引き上げも検討している。驚くべきは、2020年4月より全国一斉に施行される「同一労働同一賃金」をいち早く導入していること。すでに非正規労働者へ時間外手当・賞与・精勤手当を支給しているという。雇用形態の待遇格差をなくすという企業体質の変革は、優秀な人材確保や、労働意欲の向上などのメリットを見込めるものの、人件費の上昇は免れないのが実状だ。先行投資に惜しまない不老社長の先見の明には目を見張るものがある。

 そういった会社の取り組みを受け、休暇取得においては、勤務体制を調整するため各部署の従業員でフォローし合い、思いやりのある人間関係も生まれているという。連携のとれた職場環境があってこそ、お客さまへの対応にも「おもてなしの心」は表れるのだと思う。

<太宰府への想いと情熱>

 不老社長は、かさの家代表のほかに現在多くの役職を担っている。太宰府観光協会の会長も務めており、「太宰府の観光」の将来を見据えた考えをめぐらせている。

 新元号「令和」の縁あって、以前にも増して多くの観光客が訪れているものの、滞留時間の短さがネックとなっている。千載一遇の好機を今後の発展につなげるために、観光客のニーズにしっかりと対応する策をあらゆる角度から考え、行政や地元住民とともに計画・実行している。

 回遊性のある新たな観光ルートの設定や、歴史・文化・自然を生かした体験型のイベント開催などを計画しており、「時代に対応した方法で太宰府の魅力を若年層にも強くアピールし、新しい感動とときめきのある『観光都市太宰府』ブランドの確立を、推し進めて行きたいと思っております」(不老氏:広報だざいふ10月号「私のだざいふ」より)――今後も「太宰府のまち」、そして「かさの家」から、さらなる「満足」と「おもてなし」の提供を図る。

<こんな梅ヶ枝餅もあります!>

 「梅ヶ枝餅」は菅原道真公の伝説に由来――平安時代、無実の罪で大宰府に左遷され、食事もろくにできない暮らしぶりを見かねた老婆が、梅の枝に餅を巻き付けて差し入れたのが始まりといわれている。道真公の命日にちなんで、毎月25日の「天神さまの日」には「よもぎ入り梅ヶ枝餅」を販売している。また、17日の「九州国立博物館10周年」を記念した「きゅーはくの日」には、古代米という紫の米を使った梅ヶ枝餅を販売している。

 限定の梅ヶ枝餅を味わいに太宰府に足を運んでみるのも面白い。

<COMPANY INFORMATION>
代 表:不老 安正
所在地:福岡県太宰府市宰府2-7-24
設 立:2005年3月
資本金:1,000万円
TEL:092-922-1010
URL:http://www.kasanoya.com

25周年記念出版雑誌 『一樹百穫』 一覧

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