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2020年01月30日 07:00

いち早く燃料電池技術の未来に着目し総合再生可能エネルギー事業の先陣へ 一樹百穫 

総合電気設備工事
(株)堀内電気

堀内重夫社長とFCV
堀内重夫社長とFCV

水素の可能性を知らしめる

 今、世界中が注目する再生可能エネルギーとして、水素を使った発電技術がある。その普及に民間企業としていち早く取り組んでいるのが(株)堀内電気だ。同社は1997年に受変電、送電、電気空調、通信工事を得意とする電気工事業者としてスタート。現在では分譲型ソーラーファームの開発や太陽光発電システムの管理、LED照明、蓄電池など各種の省エネ事業に取り組んでいる。自社で建設した長崎県西海市八木原を始め、幾多のメガソーラーの工事および販売に早くから着手していたが、東日本大震災以降はとくに注目され事業を著しく発展させてきた企業である。

 そうした省エネ事業の延長線上に新たに浮かび上がってきたのが水素ステーション施工・メンテナンス事業だ。2019年は自社の敷地内に民間としては初めての水素ステーション設置に着手した。水素で動くFCV(燃料電池自動車)ミライを2台導入し、福岡県大野城市の夏祭り大会で電力を供給。水素がもつ可能性を広く一般の人たちに向けて発信したが、そこからは総合再生可能エネルギー事業者としてのポジション獲得に向けた同社の並々ならぬ意気込みが伝わってくる。

井ノ口区「夏祭り大会」の模様
井ノ口区「夏祭り大会」の模様

自治体に向けたサービスを

 同社の水素ステーションはオンサイト型と呼ばれるものだ。他所から水素を運んでくるのではなく、その場で製造するタイプで、同社が保有する太陽光発電システムの電力を使って稼働する。平時は太陽光発電による電力のみでつくったCO2フリー水素をFCVに供給し、災害などで停電を余儀なくされた非常時には製造した水素を電力に変換して地域に提供することが可能だ。

 九州各県が水素ステーションの設置に乗り出しているなか、すでに9カ所に設置している福岡県はとくに積極的だ。同社ではそうした環境下、自治体に向けた水素ステーションの設備施工およびメンテナンス、そしてFCVを用いた電力供給サービスを提供していくことを目指す。

 「これからは水の時代になる」と、早くから燃料電池技術に注目してきた堀内氏は、新たなエネルギー市場の広がりに期待する。水素を使った発電技術の圧倒的な優位性から、今後は水素ステーションの必要性が日増しに高まっていくだろう。同社は自社で水素ステーションを設けることで、そのノウハウを蓄積していくことになる。総合再生可能エネルギー事業者としての基盤はできた。同社の活躍フィールドはますます広がっていくに違いない。

福岡県経営革新計画で認証

ECO for SHIP
ECO for SHIP

 同社の主要な業務は光ケーブルから特別高圧工事まで、そして一般家庭までと幅広い。また、100カ所を超える太陽光発電のメンテナンスでは、リアルタイム監視システムなどを活用したサポートで各方面から高く評価されている。

 すでに20年以上の歴史を持つ太陽光発電で培ったノウハウを生かして生まれた事業もある。小型・中型船舶向けの太陽光発電・蓄電システムの販売・施工もその1つだ。船内で必要とされる電力をすべてカバーできる「ECO for SHIP」は特許出願中だというから、同社の高度な技術力がわかる。

 さらには企業として高く評価されたことから福岡県の経営革新計画でも認証を受けたという。この結果、大変有利な支援を受けることが可能になり、マリーナや九州船舶工業会との連携など、レジャーボートを中心にした新しい市場の開拓にも力を注ぐことができる。

 ユニークな話題では、同社がメインスポンサーを務めるエアーマット式スノーボード・スキージャンプ施設の福岡キングス(福岡県飯塚市)といったものもある。「HEC CUP」などの大会を主催し、次世代の選手育成の一翼を担っているというから社会貢献にも積極的だ。

メインスポンサーを務める福岡キングス
メインスポンサーを務める福岡キングス

独立希望の人材も大歓迎

 17年に本社を福岡市博多区浦田に移転し、大野城、大隈、出水、長崎営業所と拠点が増加するとともに、社員数も増えたという同社。売り手市場と言われ人材不足で悩んでいる企業も多いなか、さまざまな取り組みが注目されているからか、採用では少しばかり有利な状況のようだ。「学校が当社に対して積極的に人材を送り込んでくれます。職場環境にも満足してもらえているのでしょう。長く働いてくれる社員も多く、よほどのことがない限り辞めるという者はいません」と、堀内氏。

 また、資格手当などを通し、頑張れば頑張った分だけ待遇を高めていけるよう気を配っているという。規模を追うのではなく企業としての価値を高め、社員が自信をもって働ける環境づくりを心がけたいと語る堀内氏だが、その手応えを十分に感じているようだ。

 独立したいという人材も大歓迎だそうだ。同社で経験を積んで資格を取得し、その後は同社の下請として活躍しているOBも数多い。「やる気があれば未経験者も構いません。来る者拒まずの姿勢で採用しています」。営業、管理、設計、施工など、幅広い職域があり、さまざまな人材が活躍できることも知っておいてほしい点だ。

<COMPANY INFORMATION>
代 表:堀内 重夫
所在地:福岡市博多区浦田1-5-46
設 立:1997年4月
資本金:4,000万円
TEL:092-513-3377
URL:http://www.horiuchi-e.co.jp

25周年記念出版雑誌 『一樹百穫』 一覧

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