• このエントリーをはてなブックマークに追加
2019年11月01日 14:14

アジア、世界を襲う水と食糧不足の危機:今こそ日本の出番!(後編)

 NetIB-Newsでは、「未来トレンド分析シリーズ」の連載でもお馴染みの国際政治経済学者の浜田和幸氏のメルマガ「浜田和幸の世界最新トレンドとビジネスチャンス」から、一部を抜粋して紹介する。今回は、2019年11月1日付の記事を紹介する。

 現在の灌漑システムはおおむね50年から70年の寿命を経ており、既に耐用年数が過ぎたと言っても過言ではない。各地で水が漏れだしており、農地に必要な水量が行き届かないという状況が見られる。灌漑設備の更新や補強が早急に必要とされているが、人口膨張国であればあるほど、各国とも財政状況が厳しく必要な手立てが講じられないままとなっている。

 思い起こせば、2007年、アジアやアフリカ各地で食糧を求める住民の暴動が発生したことも記憶に新しい。40を超える国々で、飢えた国民が食糧品を扱う店を襲ったり政府の備蓄倉庫を襲撃したりする事件が相次いだ。当時の状況は「これから巻き起こる大規模な食糧争奪戦争の予兆に過ぎない」と言えそうだ。実効ある緊急対策が講じられない限り、アジア各国で食糧を求める飢えた農民や住民によるデモが巻き起こるに違いない。

 こうした社会不安が広がれば、テロ組織が暗躍する可能性も一段と高まるだろう。アジア各国で社会主義体制が終焉を迎え、自由主義経済が広まった結果、多くの農民たちが自らの手で灌漑に取り組む動きが一斉に活発化した。それまでは、国や地方政府が灌漑のインフラ整備に責任を担っていたが、国家のくさびが取り払われた結果、農民たちはこぞって自前の灌漑施設を導入するようになったのである。彼らが頼ったのは主に中国製の安い灌漑用の「地下水のくみ上げポンプ」であった。多くの農民たちはこぞって地下水をくみ上げ、自分たちの田や畑に水を引いたのである。

 中長期的な見通しもなく、とりあえず目前の水需要を満たそうとして、多くの農民たちが勝手に好きなだけ地下水をくみ上げてしまった。政府はほとんど介入する力を失っており、農民たちのなすがままで、何ら水資源を効果的に管理するという体制を構築することができないまま今日に至っている。

 その結果、水資源は瞬く間に枯渇するようになってしまった。中国でもインドでもこの数年の間に地下水はほとんど汲み上げられてしまい、湖や池にとどまらず、長江や黄河といった大河でも断流化現象が見られるようになっている。水なくして生命は育たない。農業にとっては種も土も太陽の光も重要な要素ではあるが、水こそすべての作物や生命の源である。

 中国やインドを中心にし、多くの農民たちが水不足による悲劇の主人公となっている。経済的に破綻し、自殺や身売りを余儀なくされている農家も急増しており、各地で大きな社会不安の原因となっているようだ。

 その一方で、アジアの発展途上国の間では国民の食生活に大きな変化が押し寄せ始めている。日本でも経験したように、食の欧米化が進むようになったのである。伝統的に米を中心とした食生活がアジアでは主流となっていたが、このところ急速にパンや肉を中心とする食文化へ変化するようになってきた。

※続きは11月1日のメルマガ版「アジア、世界を襲う水と食糧不足の危機:今こそ日本の出番!(後編)」で。


著者:浜田和幸
【Blog】http://ameblo.jp/hamada-kazuyuki
【Homepage】http://www.hamadakazuyuki.com
【Facebook】https://www.facebook.com/Dr.hamadakazuyuki
【Twitter】https://twitter.com/hamada_kazuyuki

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

     

トップニュース

2019年11月19日 16:50

誰もが「自分の未病の医者」になれる 未病メソッドを提唱し、未病産業を振興(1)NEW!

 未病の考え方を普及し、未病総研メソッドを提案する団体として、(一社)日本未病総合研究所=未病総研(代表理事:福生吉裕)が今年1月に発足した。(一社)日本医学会連合の...

美談の裏で─ライオンズクラブ337-A地区と朝倉災害支援─(2)NEW!

 なぜ、朝倉市は地域住民からの要望があったにもかかわらず、同校体育館の改修工事を発注できず、LC337-A地区から「寄贈」を受けたのかを時系列で明らかにしていく。

2019年11月19日 14:09

【(株)万惣】低価格武器に九州進出 宇美町に11月5号店NEW!

 広島県を本拠とする万惣は11月末、福岡県宇美町に九州5号店を出す。昨年11月、飯塚市に1号店を開設してからわずか1年。本拠地で出店余地が少なくなったことから持ち前の...

2019年11月19日 13:47

中小企業では経営者と労働者は共通の目的を達成するパートナー!(前)NEW!

 今、大企業を中核とする現代の市場社会が、経済的停滞に陥ると同時に、人々の共同性・連帯性や労働の尊厳を破壊している現実がある。では、人々を封建的抑圧から解放した市場経...

2019年11月19日 11:42

【凡学一生のやさしい法律学】憲法改正について(6)

   憲法の条文上では、「最高裁判所は、一切の法律、命令、規則又は処分が憲法に適合するかしないかを決定する権限を有する終審裁判所である。」(第81条)とあるため、日本...

2019年11月19日 11:32

伊都国フードフェスティバルが糸島を盛り上げる!

 第9回目となる伊都国フードフェスティバルが、糸島市多久で11月16日(土)開催された。今回は初となるやますえ会場と五洋食品会場の2会場で開催され、両会場ともに、朝か...

2019年11月19日 10:52

JR九州、ハイエナファンドの餌食になる!~ファンドの圧力に屈して、100億円の自社株買い(前)

 JR九州は11月5日、発行済み株式の2%に当たる320万株、取得額100億円を上限に、自社株を取得すると発表した。

2019年11月19日 10:46

「第11回ひのまるキッズ 九州小学生柔道大会」を開催 スポンサー募集中

 (一社)スポーツひのまるキッズ協会(永瀬義規理事長)は2020年1月19日(日)、福岡県春日市の春日市総合スポーツセンターで、「第11回スポーツひのまるキッズ 九州...

2019年11月19日 10:13

続々・鹿児島の歴史(1)~古墳について~

 今回は大隅国(種子島・屋久島等の熊毛地域を含む)や新たに追加したい事柄等を中心に述べます...

2019年11月19日 09:42

名門ゴルフクラブの株主権確認訴訟~法務過誤

 国民は本件事件で、現在の司法サービスがまったく国民には無益有害となっている実態を学ぶことになった。第一審判決は勝訴した長男に遺産の全額の帰属を認めたが、それは長男に...

pagetop