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2020年01月06日 07:30

直方に根付き、地域貢献する「ものづくり企業」 “全員参加”をキーワードに社員とともに歩む 一樹百穫 

製造業
(株)佐藤製作所

直方で創業、地元に貢献

代表取締役社長 飯野 英城 氏
代表取締役社長 飯野 英城 氏

 (株)佐藤製作所は、筑豊・直方を本拠に70年以上にわたって業容を拡大してきた。創業当初は、ポンプ・バルブ・コック類といった石炭鉱山機械をつくっていたが、石油時代に入ると鉄鋼業界や設備機械業界からの受注取引に主力を移した。現在では、高炉メーカーなどが大口の得意先。電気炉溶解で、材料の製造から加工、組み立てまでの一貫生産体制をとっている。
 産学官の連携にも熱心で、大学や県の研究機関の試験施設を利用しての研究開発に力を入れている。研究によって得られた成果は現場にフィードバックされ、技術力を高めるサイクルを加速する。

 こうした佐藤製作所の確固たる技術の信頼性は海外でも知られており、「フィリピン、台湾、中国、トルコなどの企業に多くの納入実績がある」(飯野英城社長)と自信をもつ。直近の売上高は約10億円。注目すべきは取引先の大半が市外、県外の企業であることだ。そうして「稼いだ」お金は地元に投下され、地域に大きく貢献し、直方を元気にしているのだ。

全社員で安全管理

現場では安全管理を徹底
現場では安全管理を徹底

 3代目となる飯野社長は、「人のため社員のための全員参加による開かれた経営」を大事にしている。月に1度、全社員による半日をかけた清掃と整理整頓を行う。皆が同じ作業をすることで、コミュニケーションを図ることもできる。
 現場の清掃と整理整頓は、重大災害を防止するためにも役立っている。

 千数百度にもなる熔けた鉄を扱うこともある現場では、ちょっとした不注意でも大事故につながる。そこで安全管理は最も重要だ。同社では、管理職全員、その他の社員は持ち回りによる「安全パトロール」を毎月実施している。「事故の発生しそうなポイントを事前に予知し、未然に防止するため」と飯野社長。

 事故だけではない。法律に定められた定期健診以外に特別検診も実施。社員が健康につつがなく働ける努力は怠らない。「社員がケガや病気になってしまえば、そのご家族だけでなく会社にとっても大きな損失。経営全体にも影響を及ぼすこともある。会社にとって人こそ最も大きな守るべき財産だ」と飯野社長は強調する。

効率と安全のための設備投資

 目下、佐藤製作所は設備投資に注力している。今年は新型のNC工作機械を導入、9月から試験運用を開始している。配備しているのは材料などの移動に関わる工程。とくに高い技術が必要ではないが、人力に頼っていると時間と手間がかかる。しかも事故の危険性も大きい。「機械の導入によって作業時間が短縮できるうえ、社員の安全も確保できる。職場環境改善策の1つでもある」(飯野社長)という。
 来年は、鋳造部門でも新型機械を導入する予定だという。通常、製造業の現場では、効率面を考えての設備投資が優先されるが、同社では「安全」も重要な要素の1つだ。飯野社長の言う「大切な社員」を守るための方策でもある。

社長自らが勉強会を主宰

直方市頓野にある本社屋
直方市頓野にある本社屋

 現在、45人のスタッフ(正社員37人)が所属し、平均年齢は43歳。中小製造業では異例の若さといえる。また女性の登用にも積極的で、管理職もいる。新卒採用では、若い有望な人材の獲得に熱心だ。九州工業大学で博士号を取った人材も採用している。飯野社長は、若い社員に意欲的にいろいろな分野の知見を増やすことを期待している。
 毎月、社長自らが全社員を対象にした勉強会も開いている。講義するのは経営全般に関する内容。「職人でも経営管理のことを学んでほしい。コストの知識などを学んでもらえれば、日々のルーティン・ワークに対する姿勢も変わってくるはず」という。

 技術の世界は動きが速い。その動向も見極めながら、業界のなかでの自社の立ち位置、会社のなかでの自分の役目を的確に認識できれば、常に能動的に仕事に向き合えるだろう。
 佐藤製作所は、これからも「全員参加」をキーワードに、社長以下一体となって歩みを続ける。

<COMPANY INFORMATION>
代 表:飯野 英城
所在地:福岡県直方市頓野2253
創 業:1947年6月 設 立:1969年10月
資本金:3,000万円
TEL:0949‐26‐4171
URL:http://www.syaan.com/sato/

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