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2020年01月31日 07:30

モノづくりの技術力で顧客利益に貢献するパッケージ 一樹百穫 

パッケージ製造・販売
福岡パッケージ(株)

地域に根差したビジネス

本社社屋

 福岡パッケージ(株)は1972年6月創業、2000年2月設立のパッケージの企画・製造・販売業者。もともとはフクパグループのダンボール事業部だったが2000年に独立分社し、現在のパッケージング総合企業となった。抜き箱(組み立てや開閉が簡単にできるタイプ)やリサイクル可能でコストパフォーマンスにも優れたダンボール製ディスプレイ(ダンボール製のPOPや商品棚)など、多彩なパッケージングを提案・提供しており、(株)ピエトロや(株)明月堂といった地元福岡の名だたる企業を始め、JA、雪印メグミルク、明治などのナショナルブランドに至るまで幅広い取引先をもつ。顧客の思いや時代のニーズに応え続け、信用を獲得した同社の展開は海外にもおよんだ。

 本社と沖縄営業所の国内2拠点体制だった同社だが、縁あって「ハワイのパッケージ業者をM&Aで買わないか」と話を持ち掛けられたことがきっかけとなり16年に海外事業をスタートさせている。現在、アメリカ合衆国ハワイ州とカリフォルニア州ロサンゼルスの2カ所にオフィスを構え、弁当のパッケージやおにぎり、サンドイッチのフィルムパッケージなどを提供する。使い勝手など細かいところまで配慮された日本企業ならではの商品で独自性を保つとともに、現地需要に合わせた地域に根差した営業活動を展開している。

会社の未来をともにつくる

 2022年に創業50周年を迎えるにあたり、外部から講師を招き、「部や課とは別に、幹部チームや現場チーム、さまざまなかたちのチームが必要で、どういうチーム力を備えていけばいいのか」という検証を始めている。風通しが良いという社風を発展させる取り組みだ。

 さらに、企画力や営業力が成長の原動力といえるが、「ものづくり企業」としてのブランドづくりにも力を入れる。そのために、顧客の要望に合わせて商品製造やラインを改良するなど、製造機器を使いこなし、メンテナンス技術を磨いていける優秀な人材を社内にそろえていきたいという。庄嶋毅社長は「必要なのは資格ではなく、機械やモノづくりに対する姿勢。新たなモノを製造することが好きな人」と求める人物像を語る。段ボールの製造機械は数億円するが、その機械を使えるだけでなく、使いこなし、生かせる人材にはそれ以上の価値があるという。

 3D対応CADなど最新の設備を導入しているが、会社の保有する資産を活用して、より良く会社にフィードバックするために、アイデアや技術、現場改善志向をもった取り組み、新たな設備投資に対する提案にも期待している。

段ボールの可能性を広げる

代表取締役社長 庄嶋 毅 氏
代表取締役社長 庄嶋 毅 氏

 すでに技術力に定評のある同社が、さらなる向上を狙うのはやはり「お客さまのため」。主力商品である段ボールは「商品の保護」や「加工」「販促」など多彩な機能を有しながらも、軽くて低コストという優位性の高い包材である。

 一方で「運ぶための箱」として低価格だけを求められることもあるため、同社では段ボールのもつさまざまな機能で、お客のニーズに作業コスト削減や販売促進効果などでも貢献していきたいと考えている。このためにも製造能力のさらなる強化と独自技術の蓄積が不可欠になってくる。

 「段ボールを、顧客の作業工程や商品に合わせた機能性の高い段ボールに代えたことで作業性や安全性が上がり、結果として総コストが削減された。また、通常の段ボールから化粧箱に代え販促機能をもたせたことで売れ行きが上がり、かけたコスト以上の効果が生まれたことなど、パッケージや段ボールがもつ力をお客さまの業績向上に繋げられた事例はいくつもあります」と庄嶋社長は熱を込める。

販売促進効果が高い化粧箱
販売促進効果が高い化粧箱

 今では包装・輸送の中心として当たり前の存在になっている段ボールだが、1950年代まで輸送包材の主役は木箱であった。段ボールはそれに取って代わることで包装・輸送面で戦後日本の経済復興や高度経済成長に大きな貢献をはたした。また世界に類を見ない発展を遂げた日本の物流においても段ボールの存在は大きい。

 21世紀に入り、通販の台頭などで一般にも広く流通するようになった段ボールは、新たな機能性をもつことで大きな進化を遂げ、業界として拡張期を迎えようとしている。庄嶋社長は「会社を成長させながらも、地域社会に根差し、お客さまに合わせた商品提案で企業活動を支えていきたい」と考えている。

モノいえる職場環境

 同社では、定期的に社員から広くアイデアを集めている。自分の担当や部署に関係なく、社内外に対するアイデアを集め、いいアイデアは採用し、起案者に報酬を支払う。たとえば、経費削減につながるアイデアは、削減予想額に応じた額をアイデアを出した従業員に支払う、といったもの。アイデアは1人何個でも出してよい。役職や部署にとらわれず、これまでさまざまなアイデアが寄せられ生かされている。このように従業員がモノをいえる環境が根付いている同社では、従業員の入れ替わりが少なく、定着率は高いという。

 50周年を前に取り組む個人とチームのスキルアップは会社を支える力となる。「地域のお客さまにとって使い勝手の良いパッケージ屋さんでありたい」と願う同社の発展はこれからも続きそうだ。

段ボール製ディスプレイ

<COMPANY INFORMATION>
代 表:庄嶋 毅
所在地:福岡県糟屋郡久山町久原工業団地2843
設 立:2000年2月
資本金:1,000万円
TEL:092-976-2202
URL:https://fukupa.co.jp

25周年記念出版雑誌 『一樹百穫』 一覧

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