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2019年11月11日 11:14

2020年のIMO規制の導入で激変する造船業界(前)

日韓ビジネスコンサルタント 劉 明鎬 氏

 国際海事機関(IMO)は海洋の汚染を抑制するため、2020年1月から環境規制をスタートさせる。

 IMOは温室ガスの削減を目指し、2020年から船舶の燃料油の硫黄含有量を既存の3.5%から0.5%以下にする規制を開始。この規制に従わない船舶は運航停止を余儀なくされるおそれがある。

 硫黄酸化物とは、船舶から発生する排ガス中の物質で、燃料油に含まれる硫黄分の量によって違ってくる。船舶燃料には、主にC重油が使われているが、C重油は硫黄分が高いため、2020年以降はそのままでは使うことができなくなる。この規制が実施されることによって今後、老朽船の廃船が増加し、液化天然ガス(LNG)推進船舶の発注が大幅に増えていくことが予想されている。

 韓国の造船会社は、LNG燃料推進の船舶建造において高い技術をもっており、今回のIMO環境規制の恩恵に浴する可能性が高いという。それだけではない。中国造船会社の低価格攻勢によって受注が途絶えていたバルク船やコンテナ船でも、LNG推進という要素が加わることによって、新しいチャンスがもたらされる可能性がある。

 いずれにしても、韓国の造船業界にとって環境規制は、またとないチャンス到来であることは間違いない。しかし、このような状況でも、市場に課題がないわけではない。LNG推進船は価格が極めて高額なのである。脱硫黄措置をつけるなどの過渡期的な方法と比べて、LNG推進船を新造すると、コストが2.5倍かかるという。それに、バンカリング(燃料注入)施設は需要に比べて供給が足りないのが現状である。

 今回の環境規制に対応する方法には、大きく3つの方法がある。低硫黄燃料油への切り替え、排ガス低減装置(スクラバー)の設置、LNGを燃料にする船舶への切り替えなどである。しかし、どの方法も一長一短があり、コストアップは避けられない。たとえば、LNGを燃料に使うとなると、タンカーのサイズが重油の2倍になるため、既存船の改修では対応できず、どうしても新造することになる。脱硫黄装置にしても、重油をそのまま使うことは可能だが、1基あたり数億円の予算が必要になるだけでなく、設置スペースなども必要で、小型船舶などへの導入は難しい。また、低硫黄燃料油への切り替えも、既存の重油に比べ、3割から5割程度のコストアップが予想されるため、どうしても、コストアップが避けられない。

 韓国の造船業界は現在、どのような状況に置かれているのだろうか。昨年韓国の造船会社3社は、全世界のLNGタンカー70隻中、66隻の受注に成功した。海運リサーチ専門会社であるクラークソンリサーチによると、2027年まで毎年平均63隻のLNGタンカーの発注が予想されるなか、発注量の相当部分は韓国の造船会社が受注する可能性が高いだろうと予見した。

 実際、韓国の造船会社は、とても高い技術力が要求されるというLNGタンカーと超大型タンカーで遺憾なく強みを発揮している。今年1月から現在まで発注された大型LNGタンカー35隻中、韓国の造船会社は32隻を受注している(サムスン重工業が13隻、現代重工業が10隻、大宇海洋造船が9隻を受注)。これにより、韓国の造船産業は昨年、造船で世界トップの座に返り咲いた。その後、一時期中国に1位の座を明け渡したものの、またその座に返り咲いている。

(つづく)

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