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2020年01月17日 12:59

原点回帰で収益改善を急ぐほっともっと 20年2月期第3四半期

 持ち帰り弁当店「Hotto Motto(ほっともっと)」を展開する(株)プレナス(本社:福岡市博多区、塩井辰男社長)が14日に発表した20年2月期第3四半期の決算短信によると、ほっともっと事業のセグメント売上高(19年3月-11月)は798億6,900万円で前年同期比の3.5%減となる一方、営業損失(同時期)が4,300万円と前年同期の6億6,500万円から大きく縮小した。

第3四半期の業績推移
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第3四半期の業績推移

 今期は不採算店舗の整理を進め、9月には191店舗を閉鎖した。前年同期より店舗数が大きく減少していることも考慮すると、売上高という規模の面での減少は避けられない。

 店舗数比較については、単純に期末時点を比較しても閉店した店舗がいつまで営業していたかの影響もあり、単純比較は難しい。参考として月末時点の店舗数を3月から11月までの9カ月間を合計した数で比較すると、18年度に対し19年度は97.1%、つまり営業店舗は2.9%減。売上高の前年比3.5%減はブレの範囲とみることもできる。

月別店舗数推移
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月別店舗数推移

 同社は、商品力強化のために原価が上昇したものの、赤字幅の縮小が進んだ要因として、「効率的なプロモーション」と「店舗諸経費の改善」を挙げている。

 コンビニ弁当の台頭は、大手小売や飲食店まで含めた品質改善や価格競争を誘発し、消費者にとっては広い選択肢のなかで、外食・中食を日常的に利用できるようになったが、既存の持ち帰り弁当店の業界においては、弁当店同士の競合状態から、食品を扱うあらゆる産業がライバルとなる熾烈な競争に変わった。

 新たに参入したプレイヤーが開拓したのは、シニアや女性に向けた商品の開発や、健康志向への対応など、従来の弁当業界が対応しきれていなかった顧客層で、この客層の広がりによって現在の中食需要の急増は起きた。

 同社も5月には「もち麦入り金芽ごはん」を新たに発売し、野菜を拡充した「プラスベジ」メニューや、「FULL FULL SALAD」の発売など健康志向などに配慮したメニューを充実させた一方で、中心に据えたのは原点回帰ともいえる策だった。同社が挙げた「効率的なプロモーション」に注目すると、今期打ち続けた販促策は、メイン顧客層が求めるボリューム感のあるおかずの売り込み。明確に最も数字の取れる所を取りに行っている。

 食材の「ロースかつ」は18年秋に新設した工場での自社製造に切り替え、食べ応えを重視し従来品の20%増量をした。これを軸にかつ丼のバリエーションを増やすとともに、期間限定の特売フェアを行った。そのほか「海鮮えび天丼」4種を対象としたえび天増量キャンペーンやすき焼き弁当の発売、近年人気の高まるローストビーフ丼や1月には「人気のおかず全部のせ!」と銘打ったデラックス得丼を新たに発売するなど、既存商品の強化やリニューアル、新商品の投入などを織り交ぜた販促策を、肉魚中心のガッツリ系を中心に次々と打ち出し、新規顧客と既存客と両面への訴求を行っている。

 同社では、ほっともっとのほか、定食レストラン「やよい軒」、しゃぶしゃぶ「MKレストラン」など多業態を展開している。

 やよい軒は2000年代中頃まで丼物を中心とした「めしや丼」を発展させ、定食主力に変更してきた業態。19年12月末には全国的に382店舗を展開している。現在利益面での稼ぎ頭は、やよい軒事業で、セグメント利益(19年3月-11月)は8億5,500万円。

 「MKレストラン」は、近年人気が高まり、参入企業が急激に増えている「しゃぶしゃぶ食べ放題」業態の先駆け店舗で、1号店の中洲店(福岡市博多区)をオープンさせたのは25年以上前の1994年。ブームのなかにありながらも、他社とは一線を画した店舗スタイルで業界内に一定の地位を確保し、本拠地である福岡では、他社をしのぐ18店舗を展開している。とはいえ数字の面ではやはり、競合の影響により売上高が停滞するとともに、販促費の増加や人件費を始めとした経費増の価格転嫁もできずに、収益悪化が続いている。

 このほか調味料や加工食品の開発・販売を行う宮島醬油フレーバー(株)(本社:福岡市博多区、高橋洋二社長)も傘下に収め、食の総合企業へと変化してきた同社であるが、売上の約7割を占めるのは依然としてほっともっと事業。前期は核となるほっともっと事業の営業赤字により、連結で最終赤字となる事態を招き、収益体質の改善を急いでいる。

 ほっともっと事業のセグメント利益段階ではV字回復と言っていいほどの幅で改善しているが、いまだマイナスの営業損失状態にある。やよい軒事業の利益で連結の営業利益、経常利益段階までは黒字を確保しているが、大量閉店の減損処理により今期の最終赤字はほぼ確定の見込みだ。

 新規顧客の取り込みと合わせて、弁当屋としてのメインターゲットである「ガッツリ系」への取り組みは、一定の効果を出したが、まだまだ途半ば。さらなる改革に期待したい。

【吉田 誠】

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