• このエントリーをはてなブックマークに追加
2020年01月24日 13:00

若手ビジネスパーソンに伝えたい仕事の本質~「傍を楽にすれば、仕事はうまくいく」(2) 一樹百穫 

(株)Kアライアンス・ジャパン 川邊 康晴 氏

ビジネスに必要なのは未来情報

 このころ、情報には3種類あると思いました。1つは「過去情報」。これは図書館や資料館などにあります。次は「現在情報」で、ラジオやテレビ、新聞で今の動きを知ることができます。今は、インターネットで検索すればすぐに情報を入手できます。3つ目が「未来情報」です。ビジネスで最も必要なのは、この未来情報だと考えています。

 たとえば、今日は雨が降っていますが、もうすぐ上がるかもしれませんし、すでに上がっているかもしれません。雨について話すとすると、「昨日、雨が降りましたね」や「今、雨が降っていますね」というのも情報です。しかし、大事なのは明日、雨が降るか降らないかです。それによって、たとえば、弁当を製造する会社は、販売数量を想定し仕込み量を判断します。

 では、未来情報はどこにあるのか。未来情報は、経営者や幹部の方の頭のなかにあります。これをキャッチすることが、営業のスタートです。訪問して売れなくても、大事なことは、お客さまからどんな情報をキャッチしてきたのかです。誰と会ったのか、その時、どんな話が出たのか。不満や1人言、つぶやきでもいいのです。これをキャッチし吸い上げる仕組みをつくっておかないと訪問したことが無駄になります。

 お客さまに提供するのは、未来情報でなければ喜ばれません。そして、情報をキャッチするには、どうすればよいかと考えると、お客さまが本音で話せる関係をつくるのが先だと気づきました。ただ、走り回るだけでは未来情報は入ってこない。だから、人脈インフラをつくる必要があると若い時に感じました。

情報格差は地方企業にとって損失となる

 相手が知らない情報など未来情報をもたないと「企業」にとっても利益になりません。東京では当然のように採用されているシステムがありますが、それが、残念ながら九州の社長たちには情報として伝わっていないことも多いですね。これが情報格差です。この情報の格差が、企業利益に大きく影響しています。

 この情報格差に気づいたのが50歳頃でした。東京の企業と福岡の企業で売上が同じで、人件費は東京よりも福岡のほうが安いのに、なぜ利益がこれほど違うのか。格差の原因となっているほとんどが、家賃やコピー機、自動車リース代などの販管費でした。

 定価はあるが、その時の相場がいくらなのかはわからないというのが原因でした。セメント、石油、鉄など直接原価に関わるところは、相場がでています。しかし、販管費の相場は出ていません。

 それが、わかるようになってきました。たとえば、福岡の企業はカラーコピー代として1枚20円や15円、5円などを支払っていますが、相場はもっと安価なケースがあります。

 なぜ、相場がわかるようになってきたのかをある大手企業の例で説明します。この会社は、企業のM&Aや資本参加などで、グループ企業や関連企業などが数百社に上ります。それぞれの販管費を比較すると会社によってギャップがあることがわかりました。それで、ある時、同一価格にしようということで、取引先に提案してコストを下げましたが、その額がなんと1,000億円です。1,000億円の固定費が下がったわけです。売上高に換算すると莫大な効果です。その後、この会社は実績を基に、販管費のコスト削減を提案する企業を新しく設立するまでに至り、今では弊社のアライアンス先となっています。

(つづく)

<COMPANY INFORMATION>
代 表:川邊 康晴
所在地:福岡市中央区大名2-4-19
設 立:2005年9月

<プロフィール>
川邊 康晴 (かわべ・やすはる)

 1935年、福岡市で生まれる。九州大学法学部卒業後、西日本相互銀行(現・西日本シティ銀行)に入行。92年専務、98年西日本経営情報サービス(現・NCBリサーチ&コンサルティング)社長、2001年会長。現在は、川邊事務所会長、(株)Kアライアンス・ジャパン代表取締役会長。著書に『アライアンス・パワー「三方一両得」の経営』、『傍楽』がある。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

     

トップニュース

2020年02月22日 07:00

日本発の「折紙工学」産業化に向けて離陸へ(2)

 折紙工学を基に実用化された製品も登場してきている。萩原氏は、衛生用品の大手メーカー、ユニ・チャーム(株)と共同で、平面の紙を立体的に表現する「折紙工学」を応用してフ...

2020年02月22日 07:00

コンビニ業界大激変時代~月刊コンビニ 編集委員 梅澤 聡 氏(5)

 チェーン本部がいま最も腐心するのが、店舗運営におけるコスト削減である。納品時の検品レスやスライド棚による作業軽減、食器洗い機の導入、カウンターフーズのセルフ販売、発...

2020年02月21日 17:23

【熊本】動き始めた熊本空港アクセス鉄道~熊本地震が“追い風”

 熊本県で長年懸案になっていた熊本市街地と熊本空港を短時間で結ぶアクセス交通の整備計画が動き始めた。2016年4月の熊本地震への復興支援が“追い風”になり、定時輸送で...

2020年02月21日 16:56

『第10回日本山岳遺産サミット』に参加して

 「第10回日本山岳遺産サミット」が2月15日(土)、東京都千代田区一ツ橋にある一橋大学講堂で開催された。日本山岳遺産サミットとは、2019年度の日本山岳遺産認定地の...

2020年02月21日 16:28

通期予想、達成厳しいイズミ、MV九州、ナフコ~主要6社、1月末現在の売上高進捗状況

 2、3月期決算まで残すところ1~2カ月を切った。そこで月次売上増減率を公表している6社を対象に1月末現在の売上高の進捗状況を調べた。

2020年02月21日 15:00

厚生労働省公表の「ブラック企業」2月18日発表 福岡労働局分

 厚生労働省は17年5月から、労働基準関係法令に違反し書類送検された企業の一覧表をホームページに掲載している。

2020年02月21日 14:50

「検察崩壊元年」ゴーンの反撃(12)

 60年前の昭和30年代に起きた「白山丸事件」。「犯人が国外にいる」ことだけで公訴時効は中断する、という判例で、現在もこれが盛んに悪用され、事件そのものを検察が知らな...

2020年02月21日 14:00

インターネット時代における言論人の使命・責任とは何か!(3)

 第2セッションのテーマは「ジャーナリズム挑戦課題」である。座長はPeter Zoerher(国連UPF ヨーロッパ&中東メディア担当ディレクター)で、6人のパネリス...

2020年02月21日 13:01

新型コロナウィルス問題に隠された真実(後編)

 中国人の食に賭ける思いには日本人の想像を絶するものがある。たとえば、先に述べたが、絶滅の危機に瀕しているトラについて。もちろん、中国政府は野生のトラを捕獲したり、そ...

2020年02月21日 13:00

アベノミクスがもたらす「資本栄えて民滅ぶ」国の未来(4)

 日本経済が民主党政権時代を上回る超低迷を続けているのに、企業収益が倍増してきたのは、労働者に対する分配所得を圧縮してきたからだ。労働者1人あたりの実質賃金は第2次安...

pagetop