2024年04月20日( 土 )

【アビスパ福岡】感動と勝ちにこだわり、福岡に元気と活気を届ける(前)

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 2019年シーズン、J1昇格が期待されながらも22チーム中16位という不本意な結果に終わったアビスパ福岡。同シーズンの振り返りとともに、20年シーズンを迎えてのアビスパがどのように改革されるのか、同社代表取締役社長・川森敬史氏にインタビューを行った。

アビスパ福岡(株) 代表取締役社長 川森 敬史 氏

課題解決が成されなかった

2020シーズン記者会見の模様
2020シーズン記者会見の模様

 ――昨シーズンは12勝22敗8分で16位の結果に終わりました。不本意なシーズンであったと存じますが、振り返りをお願いいたします。

 川森社長(以下、川森) まずは2019年シーズンも、1年を通して熱いご声援と温かいご支援をいただきましたことに対し、ファン・サポーターの皆さまを始めアビスパ福岡に関わるすべての皆さまへ、心より御礼申し上げます。ファビオ・ペッキア氏を監督に迎えて、新たなアビスパを披露するべくスタートいたしましたが、6月に予期せぬファビオ氏の退団があり、急遽コーチであった久藤清一氏に監督を託しました。しかし、戦績が好転しないままシーズンが終了いたしました。不本意なシーズンとなってしまった原因はいくつかありますが、シンプルにやるべきことへの取り組み方を1つにしきれなかったことだったと感じています。

 チームでいえば、これまでのディフェンシブな戦い方から、オフェンシブな戦い方であるアビスパスタイル(Avispa Style)を、“アビスパ福岡の変わらぬ戦い方”としてスタートしたシーズンでしたが、なかなかピッチで表現することができないまま過ぎていきました。

 運営サイドもスタジアムなどの課題を抱えながら解決できることと、できないことが混在したままシーズンを終えることになりました。2020年シーズンは同じことは繰り返さないこと。この言葉を肝に強く銘じて取り組みたいと思います。プロの世界は結果が出ないと、抜本的に変えなければなりません。ホーム最終戦後にサポーターの皆さまへ「大改革いたします」と表明しました。その一環としてフロント人事も変化を求め、5年間仲間として戦っていただいた強化部長・鈴木健仁氏と、昨シーズン途中で監督に就任した久藤氏との契約を満了といたしました。組織として、現場と強化部門の体制を再構築することが必要であると決断いたしました。

 これまで5年間苦楽をともにした鈴木氏と、チーム状況の苦しいなか、急遽監督の責務を引き受けてくれた久藤氏へは、この場を借りて改めて感謝の気持ちを伝えさせていただきます。とくにすべてを背負ってアビスパのためにチャレンジし、残留という結果を残していただいた久藤氏は、クラブの功労者であり敬意を表します。

進化する育成部門

 ――育成部門は、順調に成果を上げておられますね。

 川森 育成=アカデミー部門は、プレミアリーグ降格という課題もありますが、成長を実感いたしました。U-12は、JA全農杯全国小学生選抜サッカー大会九州大会、第43回全日本U-12サッカー選手権大会福岡県中央大会を優勝し、ともに全国大会に出場をはたしました。U-15は、第34回日本クラブユースサッカー選手権大会に出場し、決勝トーナメントに進出することができました。

 さらに、U-18においては第43回日本クラブユースサッカー選手権大会でベスト16、2019Jユースカップではクラブ史上初の全国第3位となるなど、各年代で毎年全国⼤会に出場できる⼒をつけてきています。育成年代の選手には保護者の皆さまの支えが必要不可欠ですが、ここに日頃の献身的なサポートと試合での熱い応援に心より感謝を申し上げます。

 また、スクール活動は、今シーズンより新たにスクール生会員専用アプリ『Sgrum』(スグラム)を導入し、これまで以上に円滑なコミュニケーションが図れるようになりました。また、4月には「アビスパ福岡サッカースクール宇美校(糟屋郡宇美町)」を新規開校し、サッカースクール19校、チアリーダーズ・ジュニアスクール3校の計22校、1,700名を超えるスクールへと成長しています。これも保護者の皆さまを始め、地域やスポンサー企業の皆さまのお力添えのおかげと、深く感謝しております。

(つづく)
【文・構成:河原 清明】

<プロフィール>
川森 敬史(かわもり・たかし)

 1965(昭和40)年11月生。東京都出身。2015(平成27)年3月アビスパ福岡(株)代表取締役社長に就任(現任)。

(後)

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