2024年04月26日( 金 )

ジェイリースに課徴金納付命令~会計処理変更にともなうもので故意性は無し

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同社の東京本社が入居する新宿スクエアタワー
同社の東京本社が入居する新宿スクエアタワー

 証券取引等監視委員会は2月4日、東証一部上場企業で、家賃債務保証事業などを手がけるジェイリース(株)(大分市、中島拓代表)に対し、課徴金4,478万円を納付するよう金融庁に勧告を行った。

 監視委員会は今回の勧告について、「代位弁済立替金に係る貸倒引当金を過少に計上するという不適正な会計処理を行った」と説明。これに対し同社は、「課徴金納付命令の勧告を受けたことを真摯に受け止め、必要な対応を進める方針」としつつ、「これまでも公表させていただいた通り、隠匿した事実や、故意に不適切な会計処理を行った意図は一切ない」としている。

 同社の担当者は会計処理を変更するに至った経緯として、「2018年7月に実施した組織体制の変更により債権管理体制の強化を図ったが、その際、貸倒引当金の見直しが必要と判断した」と説明。

 「貸倒引当金の計算方法変更の適用時期を検討した結果、組織体制・対応方針を変更した時期(2019年3月期第2四半期)に遡って訂正を実施することが妥当であると判断し、決算内容について訂正報告書を提出した」としている。また、「訂正内容については随時IR情報で開示しており、故意に事実を隠匿したり、不適正な会計処理を行ったわけではない」としている。

 監視委員会からの勧告については、「故意ではないにせよ、結果として一度開示した決算内容を変更したことに間違いはなく、真摯に受け止めている」と話し、勧告を受け入れる方針を明らかにした。合わせて、これら一連の処理に対する経営責任を明確化し、信頼回復への決意を新たにするため、中島代表以下3名の取締役が、役員退職慰労金受給権を自主的に返上することを表明している。

【長谷川 大輔】

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