2024年03月29日( 金 )

歴史をつなぎ、信用をつなぎ、事業をつなぐ(後)

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(株)未来図建設 代表取締役 菅原 正道 氏

 創業118年目の老舗企業(株)未来図建設。同社は地場総合建設業として、中高層ビル・マンションをはじめ、医療・福祉関連・物流・商業および公共施設、ガソリンスタンド、戸建住宅など多岐にわたる設計・施工を行っている。常に時流に沿いながらの事業構築は、顧客からの絶大な信用を得ている。それでも現状に甘んじることなく、新たな挑戦をし続ける。同社の今、そしてこれからを代表取締役・菅原正道氏にうかがった。

 ――そして“つなぐ”に対する想いをお聞かせください。

 菅原 今日まで築き上げてきた歴史や、会社として大切にしていることを継承していくことです。それは、先代から継いだ“信用”を重んじることなのです。会社として人としての“信用”を、私がもっているのか?お客さまから「菅原は信用できるか?」となると仕事をいただくことはできません。まずは「菅原に任せてみよう」と評される人物になることです。

 “信用を重んじる”のフレーズを大切にしてきたからこそ、お客さまからのご紹介など、長くお付き合いさせていただいています。信用を“つなぐ”が事業を“つなぐ”、会社の哲学や理念を“つなぐ”、お客さまとの関係を“つなぐ”ことです。お客さまとの長いお付き合いとは、引き渡した建物の維持管理を実践していくことです。繰り返しますが、長いお付き合いを続けるには、“信用”を重んじることです。“信用”を失くすのは一瞬ですから、建設業として事故ゼロを目指すなど「安全・安心、品質、工期」を遵守することは基本です。

 ――さらに人としての“信用”が大切でありますね。

 菅原 そうです。「人としての言動、立ち振る舞いはどうなのか」を自らに問いながら、代表取締役としての行動が求められます。代表取締役は、企業の看板です。代表取締役の“信用”とは、私の人間力、人格、品格であります。「親は鑑」と言われます。転じて「社長は鑑」ですから、私自身の言動は常に見られているのです。つまり、私の人格・品格イコール当社の品性・品格です。そのことをいつも心に刻んで行動することです。常に自分自身の言動を省みながら、日々成長していくことです。私の成長は当社の成長です。それこそが、まだまだ当社そして私自身に成長の“のびしろ”があるということです。私が学び続け、成長し、挑戦することで、どんどん当社は進化・発展していくのです。それの繰り返しが新たな“信用”となるのです。

建設業にプラスアルファ

 ――混沌とした社会情勢のなか、貴社の描く“未来図”についてお聞かせください。

 菅原 今もそしてこれからも地場総合建設業として、視野を広げ研鑽を重ねていくことが大切だと思います。今後、国内および地元の情勢が変わろうとも、私たちはその変化に応じながら、建設を通した地域社会のまちづくりに貢献することは、不変です。建設から派生する異分野の事業への積極的な参入を視野に入れて、事業推進していくことが大切になってきます。つまり、当社の長き歴史のなかで培われた建設の分野にプラスアルファした、事業づくりを目指していくことです。

 現在は、“miraizuグループ”8社を傘下に置いております。そのなかで、建設関連以外は医療・福祉関係の事業を展開しております。建設、医療・福祉の分野、それら以外の業種においてでも地域社会に貢献できる事業を展開していきたいです。そのためには、地域社会に貢献できる事業を見出しつくり上げていくことです。それが、魅力ある企業となり、社員のやりがいと幸せ、そしてお客さまにより高い顧客満足度をもたらすこと、地域社会に貢献できる─そのような未来づくりをこれからも取り組んでまいります。

 そのほかにも、もっとできることはありますが、それには一層視野を広げていくことが肝要です。それには先に述べた、代表である私自身が先頭に立って挑戦することを実行していくことが大切なのです。その姿勢と実行することが“信用”につながるのです。それを具現化するには、これまで以上に社内外においての方々の話に耳を傾け、学び続けることです。学び続けることで、新たなコトが生み出されます。私が自ら明確な言動で、当社を牽引していくことを継続していくことです。

(了)
【文・構成:河原 清明】

<プロフィール>
菅原 正道(すがはら・まさみち)

 1954年3月13日福岡市生まれ。福岡大学卒業。79年4月、(株)未来図建設(旧・福岡金子組)に入社し、常務取締役に就任。91年1月、同社取締役副社長を経て、93年11月、同社代表取締役社長に就任。

(前)

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