2024年03月29日( 金 )

シリーズ・コロナ革命(5)~経営者も根底から再点検・経営戦略革命

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2月25日、延期、中止が相次ぐ

 2月26日、東京でデータ・マックスMAX倶楽部を開催する予定となっていたので、前日午前中、上京の準備をしていた。

 すると、まずライオンズクラブ事務局から3月1日開催の「かち歩き大会」を中止するという連絡があった。同大会は40年近い歴史あるイベントである。平和台から志賀島小学校までの31kmを歩くこのイベントが「どうして中止なの?」という疑問が湧いてきた。その他、同日午前中に会議、宴会、セミナーなど3件の中止連絡があったため、「今回の自粛は長期化するな」と覚悟した。

 そしてついに明日開催するセミナーの講師から連絡がきて、「政府が促進している自粛政策に逆らって強行すべきかどうか迷っている」という率直な気持ちを打ち明けられた。講師自身が悩むのであれば仕方がない。即刻、延期を決断した(結果、5月に延期)。また弊社の25周年祝賀会も11月に延期した。わが身に置き換えても「コロナ対策として自粛自粛と叫んで実行していたら、日本経済は破綻するな」という危機感が募ってきた。

経営者も「コロナ革命」到来を意識して必死に考案

 26日、東京行きの便の搭乗率は約60%。久しぶりに席に余裕がある飛行機に乗ったが、全員(厳密にいえば95%)がマスクをつけて搭乗していた。マスクをしていない搭乗者は抗議の視線を浴びていたような気がする。

 機内で「今回のコロナウイルスの蔓延は、ウイルス対策の強化という健康防衛における狭い範疇での急速な変革の実現ばかりでなく、社会、経済、政治、国家にわたる全システムのテコ入れが進むのでないか?」という自問自答を繰り返していた。

 朝一番に面談したある経営者から非常に熱い感銘を受けた。1時間の情報交換の後に1枚のレターを渡された。一読して「さすが一級品の経営者だ!!」と唸ってしまった。討議の過程では「東京オリンピック中止の可能性も高い。不況が前倒しで襲ってくるかも」と厳しい見立てを述べてきたのである。しかし、この1枚のレターを素読しただけでも「ピンチこそがチャンスという不屈の経営者魂をもった傑物」と確信した。

 そのレターを紹介しよう。

「新型コロナウイルス問題に端を発する社会情勢分析およびⅩ社の方向性」

みな、じれったい、あああ、じれったい!
気ばかり焦るが、できることはとにかくこのウイルス騒ぎを何とか凌ぎその後を見据えて、大きく飛躍するための未来のモデルづくりをこの機会に完成させたい。
具体的には今年秋迄、Ⅹ社新年度までに未来の核をつくる。
ピンチをチャンスに変えるメッセージです。

■新型コロナ問題は長引く
■今が社会変革の引き金、変革の好機

・連日ネガテイブニュース、3月末までは恐れて叫ぶ、4月頃落ち着くか?台風過ぎ去りし後のように思い始める。

WHO終息宣言いつ?楽観的には五輪前に行われる?かなり楽観的シナリオ。
SARSは初患者から終息宣言迄8カ月感染力高いので8カ月以上が現実的。

■東京五輪は?
・ギリギリまで客観的事実に基づき慎重に政府は判断。
・五輪中に再燃、世界に拡散責任。
・TOKYO2020実行なら、それを機に5Gで世界中のスポーツ配信、モデル変革、収益構造に変化「行かない、集まらない」観戦スタイルがフィジカルスポーツで増加する。
・4月に入り状況ネガティブならば、異次元財政出動行い、国家再興戦略、たとえば消費税廃止など経済政策打ち出すのでは?

■解散総選挙も年内行えるか疑問となる

■感染症は大変革の引き金となり得る
・歴史的分析からの判断材料
新型コロナ問題は中世ヨーロッパで蔓延ペスト、1/3人死亡。
発生起源中国雲南省とされている。

ペストは社会変革起こした。
農民人口減で農奴制解体、独立自営農民発生、産業革命の遠い伏線。既得権益教会反発大きく宗教革命起き、新しい国家体制構築された。
6世紀前と同じレベルと同じ深刻な状況ではないにせよ歴史振りえれば感染症は大変革の引き金となっている。
・経営者は台風過ぎ去り待つのでなく、変革に乗り出すことが重要。
余談ペスト菌発見は北里柴三郎
ペスト蔓延香港に日本政府から派遣され6世紀の間わからなかった原因突き止めた。
コロナウイルス解決策も日本から?

期待■経営にとって何を意味するのか?
ウイルスという眼に見えない敵との闘いをきっかけに未来からの潮流に乗り込む必要がある。
大きく2つの潮流が起きる
・これまでのグローバルスタンダードと一世を風靡した流れが代わり、反グローバリズムの流れに加速する。「トランプのように周囲に壁築くが断絶を意味しない」。移動の制限、結果ローカルの良き伝統見直しされる、結局壁のうえクラウドを伝ってグローバルに広がる。
・当然、デジタル変革(DX)の流れも起こる移動や人との接触に制限かかり対面での規制、習慣化のあらゆる活動がデジタルで済まされるビジネス環境の整備も加速する。
・具体的には有給が何日あろうとも、社員1人ひとり出社しなくても、成長できるビジネスモデルづくりに挑戦する企業が、2030の勝者になる。たとえばオフィス環境のさらなる進化!一方でそれを実現できる企業こそ真の意味を導き出せる。
・1人1人の働き方は真の集まる理由が問われる。少し考えれば気づくように、通院のリスク、公共交通機関、タクシー使用もリスク。
遠隔診療、オンライン診療実用化仕組み加速する。我々を取り巻く業界も同じである。
・挑戦する企業が今までのやり方変える、革命の機会が訪れている。

■私見『3年後』
・おもてに出始めるまでに時間はかかるが、変革への挑戦は必ずカタチになる。
それが、新型コロナウイルス危機をチャンスに変えるための2030年からのメッセージ
この難局を乗り越えるために、ともに戦う。

経営者は未来へ向けた変革者・および実践者

 この経営者の日頃の情報収集への努力が並大抵なものでないことは一目瞭然だ。かなり蓄積した博識を有しており、政府・役人たちとの勉強会にも参加していることがうかがえる。歴史の事実も参考にしている。普通ならば、このあたりで研鑚した知識を駆使し、いっぱしの評論家気取りへと転落するものだが、あくまでも経営者目線を捨ててない。

 「コロナウイルスの世界的な感染拡大で一体どうなっているのか」と先を見る眼をフル稼働して鍛えあげる。結果、自社発展のための近未来の経営戦略を練り上げ、確定する。経営者たる者、コロナ革命到来への未来に向けた変革者および実践者である」危機をチャンスにすることが信条なのだ。

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