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2015年09月14日 07:05

国境を越えた家族の絆(後)

 福岡市中央区桜坂に(株)クレタ・シラキスという会社がある。定款では食品の製造、販売及び輸出入業となっている。具体的にはギリシャ・クレタ島からオリーブ油を輸入し、通信販売しているのである。この会社のデミトリ・シラキス副社長の国籍はカナダだが、その起源はギリシャ・クレタ島だ。東京上智大学に留学するために日本へやってきた。
 そこで福岡市出身の陽子さんと知り会い結婚。日本で生活しながら日本人の食生活、特に食油に関心を持った。と言うよりも懸念を抱いた。サラダ油の弊害にあまりにも無頓着なのである。そこでデミトリ氏は同氏のルーツ・クレタ島からオリーブ油を輸入して日本人の健康に貢献することを決意したのである。まさしく国を超えたビジネスの見本を同氏は体現している。彼の手記を紹介する。

エキストラヴァージンは澄むまで待つだけ

20150910105345083_00022 ギリシャのシラキス・ファミリーに相談したところ、大変驚いていましたが、とても喜んで引き受けてくれました。自分たちがつくったオリーブオイルを日本のお客様に食べていただけるなんて、夢のようだと。彼らは小規模な農家ですから、消費者の顔が見える販売方法など、とうてい考えられなかったのです。
 彼らのオリーブオイルは作り方もじつに素朴です。栽培から採油までぜんぶ自分たちで手がけます。

 晩秋、充分に熟したオリーブの果実を、長い棒で枝を叩いて落としたり、機械で幹を揺すって落としたり。いずれにしても簡単な方法で収穫します。集めた果実はその日のうちに洗って砕き、ペースト状になるまで攪拌し終えたら、次々とステンレスタンクに入れます。作業はこれで終わり。あとはじっと4カ月ほど待ちます。やがて細かな果肉や皮や種などが澱(おり)となって底の方へ沈殿し、上の方に透明なオリーブオイルができます。何も加えず、何も取り去らず、ただの自然の時間にゆだねるだけ。やがて、金色の輝きを帯びた淡い緑のエキストラヴァージンオリーブオイル『フシコス』が誕生するのです。

品質のためにギリシャから空輸

 私たちはギリシャのシラキス・ファミリーにお願いして、できたてのオイルをスチール缶に入れてもらい、航空便で日本へ輸入することにしました。エキストラヴァージンオリーブオイルは、光・熱・酸素にとても敏感です。船便では高温になり過ぎて酸化が進み、品質劣化が目に見えるようです。ですからあえて空輸。これならギリシャから1日足らずで届きますから。

 本音は少し心配でした。ギリシャ人はのんびりしているから。でも、第一便が届いて安心しました。叔父さんたちが自分で梱包してくれていたのですが、その仕事はあきれるほど頑丈で丁寧でした。もう気がかりは何もありません。 
 あとは福岡の油屋の叔父さんのご協力を仰いでいます。というか、じつは彼はわが社の社長なのです。

シラキス家より愛を込めて

 私と妻の陽子は、どちらの実家にも貢献できる仕事を始めたことを、とても誇りに思っています。娘のアドレアナがファミリーから愛され、日に日に成長するように、『フシスコ』がみなさまに愛されて広がってゆくことを願ってやみません。どうぞ、これからも、『フシスコ』と2つのファミリーを、よろしくお願い申し上げます。

株式会社 クレタ・シラキス
副社長 デミトリ・シラキス

(了)

<COMPANY INFORMATION>
(株)クレタ・シラキス
代 表:田中 信行
所在地:福岡市中央区桜坂1-3-16
設 立:2013年4月4日
資本金:1,000万円
URL:http://phusikos.jp/

 
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