2024年05月06日( 月 )

【読者からの投稿】「助けて下さい!」新型コロナ禍で街の飲食店が廃業危機

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一般的に飲食業の収益構造は、1カ月の売り上げが300万円の場合、仕入れ100万円、人件費100万円、賃料40万円、水光熱費15万円、備品消耗品と固定資産税他15万円、利益15万円だと言われています。業態や競合の状況によっては、食材や人件費を多くかけることにより、利益はほぼゼロ近くになっています。消費税は別です。

 コロナウイルスの患者が急増し、医療の現場が崩壊している様子が連日テレビで放映されるようになりました。時を同じくして、2月頃から客数が目立って減少してきました。対前年同月比で2月が2割減、3月が4割減、4月にはついに9割まで減少してきました。対前年同月比の売り上げでは、1割減少でざっと20万円の利益が失われていきますので、この3カ月で300万円の利益幅が減少し、赤字に転落したことになります。

 4月7日に、政府は「緊急事態」を宣言しました。7都府県の知事は緊急事態措置を講じています。国や地方の努力により、持続化給付金や各種の助成金が出される予定です。これでやっと一息つけるようになりました。
しかしながら、これで全てが解決するでしょうか?5月6日の緊急事態宣言終了日には、昨年の5月と同じ環境に戻れるでしょうか?

 パンデミックと言われる状況は、終息までに第2波、第3波が予測されています。長期戦になると考えざるを得ません。そうしますと早くて、7月から少しずつ以前のような状態に戻っていき、10月ぐらいから、これまでのようになっていくと思われます。経営者としては来春まで、1年間に渡り、売り上げ減少が続くことを覚悟して対策を考えておかねばなりません。

 

 では、どうするか?

 先ほどの飲食店の一般的な収益構造からみて、固定経費の大部分は人件費と家賃であることが分かります。人件費については雇用調整助成金が特例措置として9割まで保障されます。経営的には休業手当が6割以上ですから、その手当の9割は54%超に過ぎませんが…。
問題は家賃です。

 そもそも、飲食業の家賃は一般的な業種より高く設定されています。

 売り上げ減少が長期間続くとボディブローのように経営を圧迫し、閉店や廃業に追い立てるのが家賃なのです。

 緊急事態宣言が出されている期間については各種助成金や協力金、補助金などで、なんとかしのげるでしょう。その後、数カ月から1年に及ぶ期間にわたって家賃が以前のままですと、ほとんどの飲食店は姿を消していくでしょう。 

 近年、日本は観光立国を目指して外国人の誘致政策に力を入れてきました。外国人観光客は数百万人から数千万人へと急拡大し、国内の名所旧跡と言われている所では、静かに観光を楽しむことができなくなっています。むしろコロナウイルス騒動前は、「観光公害」とも言われていました。

 来年に延期されたオリ・パラリンピックが開催されても、街の飲食店が姿を消していれば、海外からの観光客は日本で食を楽しむことができません。
国や地方の援助も長く続けられません。赤字国債の発行や地方行政の積立金も無限ではないのです。また飲食店のビルオーナーは体力のある大手の不動産会社ばかりではありません。むしろ中小企業のオーナーの方が多いと思われます。経営の当事者である飲食業の経営者やオーナーシェフたちも、当然、この困難に立ち向かっていかなければなりません。

 今、私たちは国難とも言える時代の入り口に立っています。2008年のリーマン・ショックを超えて、前世紀の世界恐慌とも比較されるこのような事態に対処することが必要です。飲食業にとって、この最大の障害である家賃負担を、飲食店・ビルオーナー・行政3者で負担するような法整備をしてもらえないだろうか。首都直下地震や東海地震などの自然災害においては自助・共助・公助の枠組みで国難を乗り切ることが大切だとされています。賃料を払っているテナントすべての業種に対して、期間限定の環境整備が早急に求められているのです。

某サラリーマン退職後の街の飲食店経営者の願い

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