【福岡市政インサイダー】自粛なんていつまでも続くわけがない～地獄への道は善意で敷き詰められている

自粛を続けてもいつかは「飛ぶ」運命

　安倍首相は5月4日に、新型コロナウイルスの感染拡大にともなう緊急事態宣言を5月31日まで延長する、って表明したんだけど、どうなるのかねぇ。場合によれば再延長もあるわけで。

　専門家会議の5月1日の発表によれば、4 月 10 日時点の実効再生産数（1人の感染者が平均何人にうつすかを示す指標。1を下回ると流行は収束に向かう）は 0.7だったんだけど、それでも緊急事態宣言を解除しないっていうんだったら、じゃあどうなったら解除するのかはっきり言ってもらわないと。いや、こんなこといつまでも長くは続かないから、いいかげん明日のことを考えたほうが良いと思うわけですよ。

　「病気で働けないからしょうがない」なんて言って、返す当てのない借金（2019年12月末で1,111兆円。国民1人あたり881万円）をさらに増やしていけば、いずれ「飛ぶ」ことになるのは目に見えてますもん。

日本における新型コロナウイルスの致死率はかなり低い？

　エヌエヌ生命保険が3月末に全国の中小企業の経営者に「新型コロナウイルス感染拡大がいつまでに収束すれば経営的に乗り切れるか」を調査したところ、「3月末」から「6月末」との回答が約6割だったんだって。

　これって、すごくまずいよね。しかも、京大の研究グループ「レジリエンス研究ユニット」の試算では、コロナ不況で自殺者が累計14～27万人も増加するんだって。

　一方で神戸市立医療センター中央市民病院が3月31日から4月7日にかけて行った、症状が出ていない人に対する抗体検査の結果では、約3％が抗体を持っていたんだと。これを神戸市の人口に乗じると、約4万人がすでに感染していて抗体を持ってるってことになるんだけど、5月2日時点での新型コロナの感染者は260人。感染していても症状が出ない「不顕性感染」の割合が9割以上っていうことになる。

　これからすれば、日本における新型コロナウイルスの致死率って、かなり低いっていうことになるんじゃないかな。下の表は厚生労働省が5月4日に発表した新型コロナの年齢階級別の死亡者数・重症者数なんだけど、20代までは死亡者数はゼロ。重症者もほとんど出ていない。まぁ、軽症といってもインフルエンザに比べると、かなりつらいみたいだけどね。でも、学校閉めとく意味って、あんまりなくない？

あまたある不幸のなかで、ウイルス禍を恐れる理由

　「コロナで1人も死なせない」っていうのは確かに美しい言葉だけれど、不況で多くの人が死ぬんだったら、まさに「地獄への道は善意で敷き詰められている」んだと思うよ。完全を求めても身動きとれなくなるから、いいかげん通常運転に戻ったほうが良いんじゃないのかな（以前とまったく同じではないにしても）。このままじゃ若者は濃厚接触の最たる恋愛もできないし、少子高齢化がさらに進んじゃうよ（笑）

　もちろん医療崩壊を避けなきゃいけないのは言うまでもないこと。手洗い、うがい、マスクなんかは続けるべきだと思うけどね。あと、ハイリスクの高齢者は新型コロナ禍がある程度収束するまでは3密を守ったほうが良いと思う。

　最後にひとつ、嫌な話をするね。世界で餓死する人の数は年間に1,000万人にのぼるんだけど、コロナでこれだけ大騒ぎしているのに餓死者が騒ぎにならないのはなぜか？

　答え「自分は餓死しないと思っているから」

　我々はみんな、他人の不幸を平気で見ていられるほどに強い――ラ・ロシュフーコー