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2020年05月22日 10:18

〈文春砲〉接待賭けマージャン記事で安倍政権崩壊か 記者クラブの癒着構造顕わ

「余人をもって代えがたい」はずが接待賭けマージャンで辞任のお粗末

 週刊文春5月28日号「黒川弘務検事長は接待賭けマージャン常習犯」のスクープが、検察庁法改正案の採決先送りに追い込まれた安倍政権にさらなる打撃を与えた。黒川氏は21日に安倍首相に辞表を提出、22日の閣議で承認される見通しだ。

 今年に入って官邸は、まず国家公務員法の解釈変更で黒川氏の定年を延長し、今国会での検察庁法改正案成立で正当化したうえで、黒川氏を検事総長にしようとしていた。異例中の異例の定年延長は「カルロス・ゴーン被告の逃亡事件など重要案件を指揮していたため」とされたが、実際は“官邸の守護神”とも呼ばれる黒川氏を検事総長にして、「巨悪を眠らせる」検察へとパワーダウンさせる魂胆なのが見え見えだった。

産経「大竹直樹」「河合龍一」朝日「大島大輔」の記者魂?

黒川検事長を訓告処分で済ませようとする
森雅子法務大臣
(写真は消費者庁担当大臣時代)

 そんな官邸のシナリオを打ち砕いた“文春砲”の記事によると、黒川氏のマージャン相手は産経新聞の記者2人(A記者とB記者)と朝日新聞の元記者(C)。とくに賭けマージャンの場を提供した産経のA記者は2月末、署名記事で「黒川氏は、ゴーン被告の逃亡事件の指揮という重要な役割を担っており、定年延長というかたちをとらざるを得なかった」と書いていたとも指摘。該当するのは「検察官定年延長、後手に回った政府 総長人事の調整不足――混乱に拍車」と銘打った2月26日の記事。「大竹直樹」記者の署名記事であることが確認できた。

 ほかの2人についても、ジャーナリストの田中稔氏がツイッターで「自宅に黒川を呼んで雀卓を囲むなんて、産経『大竹直樹』も大胆なことやるね。朝日の『大島大輔』、産経の『河合龍一』も、たいしたタマだよ」と全員の実名を公開。20日午前公開のリテラ(植草一秀氏の本サイト記事でも紹介)の記事も、3人の記者を「賭けマージャンの場を提供した産経のO記者」「(産経)元司法キャップだったK記者」「朝日の元検察担当というのはO」とイニシャルで紹介したが、これが田中氏投稿の実名と全員符合した。

記者クラブは犯罪の温床か

 記者クラブ問題に発展するのも必至だ。3人とも現役あるいはOBの司法担当記者で、検察ナンバー2の黒川氏から情報を得るために、「負けてあげないといけない」(週刊文春記事より)接待賭けマージャンをしていたのは確実だ。数万円の賄賂を渡して司法関連情報を買っていたに等しく、黒川氏と3人の記者は単なる賭博罪違反に止まらず、「贈収賄罪」「国家公務員法違反」などに問われる可能性がある。一般の国家公務員以上に法令順守をすべき検察トップが、記者クラブ所属の“お気に入り記者”との間で、不法行為を繰り返していたともいえるのだ。

 こうした行為を法律違反と思わない黒川氏を、安倍政権は「検事総長に相応しい」として異例の肩入れをしてきたことになる。よっぽど人を見る目がないのか、安倍政権の数々の疑惑を潰していくには“法律違反常習者”のほうが好都合と考えたのかは不明だが、退職金減額すらならない訓告処分による辞任で幕引きをする案件ではないのだ。

“保徳戦争”が再現された参院選広島選挙区

求心力を失って「歩く減票マシーン」になりつつある安倍首相
去年の参院選では応援候補が次々落選

 「見る目がない」という点では、公職選挙法違反容疑での逮捕が迫っているとされる河井克行・前法務大臣と河井案里・参院議員も同じだ。参院選広島選挙区(定数2)で、党本部側が案里陣営には1億5,000万円を提供したのに対し、同じ自民党公認候補でありながら溝手顕正・参院議員(落選)には1,500万円しか出さなかったのは、安倍首相が溝手氏を嫌っていたためと見られている。表向きは「自民2議席独占」が目的とされたが、実際は、かつて首相を批判した溝手氏を落とすのが主目的と見られているのだ。

 “安倍首相ヘイト選挙”の刺客が杏里氏という見方の真偽はさておき、そのやり方は露骨すぎたようだ。克行氏は地元の首長や地方議員に数十万円の現金を配ったことが明らかになっている。中選挙区時代に唯一の1人区だった「奄美群島区」での“保徳戦争”(弁護士の保岡興治氏と徳洲会創立者の徳田虎雄氏の一騎打ち)は、数十億円単位の現金が飛び交い、相手陣営の有力者を寝返らせるために買収資金が配られていた。同じよう光景が30年ぶりに参院選広島選挙区で復活したような状況になっていたのだ。

 克行氏が現金を配ったのは昨年4月頃で、参院選の約3カ月前ではあったものの、溝手氏ではなく妻を応援してほしいという主旨の買収資金であるとして検察は徹底的に捜査し、逮捕寸前の事態に陥っている。克行氏は公選法違反に問われることはないと確信していたのかもしれないが、そんな人物を法務大臣に抜擢し、党本部から1億5,000万円を提供した安倍首相(兼自民党総裁)の責任が問われることはいうまでもない。

 検察庁法改正案先送りと黒川検事長接待賭けマージャンに続いて、河井夫妻逮捕が現実となった場合、トリプルパンチを浴びた安倍首相がさらに求心力を失い、政権が瓦解へ向かう可能性は一気に高まる。風雲急を告げ始めた永田町から目が離せない。

【ジャーナリスト/横田 一】

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