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2020年07月03日 16:45

加熱処理乳酸菌FK-23は抗ガンに高い効果 酵素処理乳酸菌LFKはインフルエンザ肺炎軽減やガン転移抑制

 国連経済社会理事会(ECOSOC)のNGO・DEVNET International(以下、DEVNET)は、ニチニチ製薬(株)と提携して、ヒト腸由来の乳酸菌エンテロコッカス・フェカリスFK-23株を加熱処理したもの(以下、FK-23)を免疫強化や抗ガンなどに、酵素処理したもの(以下、LFK)をインフルエンザ肺炎軽減やガン転移抑制(特許出願中)、花粉症などのアレルギー対策などに役立てていく予定だ。

開発の思い

 加熱処理したヒトの腸由来の乳酸菌「エンテロコッカス・フェカリス」の健康効果に注目してきた河合康雄博士が、1987年にニチニチ製薬の研究所長に就任。血中コレステロールを下げる効果があることが確認されていたFK-23について、さまざまな医療機関や大学との共同研究を実施した。その結果、高血圧改善や抗ガンなど、幅広い有効性を示す研究成果が出ている。

 FK-23の開発では、当時の大阪市立大学教授・医学博士の森井浩世氏や大阪大学教授・工学博士の熊谷貞俊氏などがアドバイザーとして協力した。またニチニチ製薬では、FK-23菌の細胞壁(殻)を分解したLFKを開発し、インフルエンザ軽減やガン転移抑制、アレルギー改善などに効果があることを大学などとの共同研究から明らかにしている。FK-23は日本で1つの菌株として5つの特許を、LFKは6つの特許を取得している。

FK-23とLFKの違い

FK-23乳酸菌の5つの特許
 (1)免疫力強化:病原菌などから体を守る白血球の数を増やし機能を高め、免疫力を強化することが動物実験からわかっている。
 (2)抗ガン:腹部に植え付けた乳ガンが大きくなるのを抑えて、ガンが進むのを遅らせるという結果が動物実験で出ている。
 (3)抗ガン剤の副作用軽減:一部の抗ガン剤の副作用である腎機能の低下を防ぐ。さらに、抗ガン剤治療で減ってしまった白血球数を早く回復させることが動物実験からわかっている。
 (4)感染症の予防:カビや細菌およびウイルスの感染による症状を軽減し、感染症による死亡を防ぐという結果が動物実験で出ている。
 (5)C型肝炎の肝機能改善:肝機能の悪化を防ぐ効果があり、C型肝炎患者において肝機能マーカーが改善されたという臨床試験の研究成果が出ている。またミャンマーでの臨床試験でも、C型肝炎の症状を抑えて、肝機能マーカーが上がるのを防ぐ効果があるとわかっている。

LFKの6つの特許
 (1)インフルエンザ改善:北海道大学との共同研究で、インフルエンザウイルスによる肺の炎症を抑制し、重症化や死亡を防ぐことがわかっている。
 (2)アレルギー改善:日本赤十字社和歌山センターでの臨床試験で、花粉症の鼻づまりやくしゃみなどの症状の改善効果が示されている。さらに、ダニアレルゲンなどによる慢性アレルギー性鼻炎に効果があることが、中国の南京医科大学との共同研究からわかっている。
 (3)高血圧改善(2特許):血管を広げて、血圧を低下させるという結果が動物実験およびヒトでの試験で出ている。
 (4)肌のシミ改善:紫外線によるシミを防ぐ効果があることが動物実験およびヒト試験からわかっている。
 (5)赤ら顔の改善:顔の赤みを抑える効果があることが臨床試験からわかっている。

LFKは、ウイルス感染後の生存率を上げる
インフルエンザウイルスによる肺炎は、LFK投与により重症化を防ぐ効果がある

体を守る腸管は、免疫の最前線

 ウイルスや細菌などから体を守り、病気を防ぐ仕組みが免疫だ。なかでも、食べ物を消化・吸収する腸管は「免疫の最前線」だ。外敵やガン細胞を攻撃する全リンパ球の約6割が腸管に集まっているほど、腸管がはたす免疫の役割は大きいといわれている。さらに最近では、腸管の免疫の仕組みに乳酸菌が大きな影響を与えていることがわかってきている。ニチニチ製薬では、乳酸菌がもつ免疫への効果について多くの研究を進めてきた。

一般的な乳酸菌との違い

 生きた乳酸菌は、生きたまま腸に届く工夫がされており、整腸作用が優れている。一方でFK-23は、「乳酸菌(Enterococcus faecalis)を加熱処理しているため、免疫力を高める効果が生菌の約3倍強くなっている。さらに粉末にしているので、1g で約4兆個と多くの乳酸菌を簡単にとれることが特徴だ。人によって、生活環境や遺伝子および腸内細菌叢が違っている。そのため、免疫力を高めるためには、多くの乳酸菌をとった方が、効果が出やすいといわれている。」とニチニチ製薬取締役部長の嶋田貴志博士は話す。

生菌と加熱処理菌の違い

アジア展開を目指す

 これからは「経済発展が進み、予防医学に関心が高いタイやベトナムなどアジアに展開していきたい」とDEVNET世界総裁の明川文保氏は構想している。
 さらに「常温で長期保存できるので、各国に展開しやすい。日本の優れた技術を、世界の多くの人に使ってもらいたい」とニチニチ製薬の東京営業本部係長・中澤隆之氏は話している。

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