2024年03月29日( 金 )

変貌しつつある大阪港~アフターコロナ時代の万博を 実現できるか?(1)

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日本開催は3回目、大阪は1970年以来

 2025年4月13日から半年間、面積約390ha(造成中)の人工島「夢洲(ゆめしま)」(大阪市此花区)で、(公社)2025年日本国際博覧会協会(会長:中西宏明経団連会長/以下、万博協会)主催の下、「2025年日本国際博覧会」(以下、大阪万博)が開催される予定だ。会場面積は約155ha。テーマは「いのち輝く未来社会のデザイン」で、サブテーマは「いのちを救う」「いのちに力を与える」「いのちをつなぐ」。

出典:経済産業省「ビッド・ドシエについて」

 大阪万博では、「Society 5.0」「SDGs」をキーワードに掲げ、オンラインプラットフォームを活用しながら、人類共通の課題解決に向け、先端技術(AIやVR)などの新しいアイデアの創造、発信する「未来社会の実験場」をコンセプトに掲げる。「Society 5.0」とは、日本政府が16年にまとめた「第5期科学技術基本計画」で用いられた新たな社会像を表す用語で、AIやロボットなどのイノベーションを取り入れることにより、人間中心のより良い未来社会を指す。ちなみに、今年開催予定だったドバイ万博のテーマは「心をつなぎ、未来を創る」で、サブテーマは「Opportunity,Mobility and Sustinability」。

 万博協会によれば、大阪万博の想定来場者数は約2,800万人、経済波及効果(試算値)は約2兆円(大阪府GDPの5%程度)に上る。会場建設費は約1,250億円で、国、地元自治体(大阪府、大阪市)、地元経済界が3分の1ずつ負担する。運営費は約820億円の見込みで、入場料などで賄う。

 大阪万博の誘致活動が本格的にスタートしたのは、17年3月。「2025日本万国博覧会誘致委員会」(会長:榊原定征経団連前会長)が成立されてからだ。同年4月には、日本政府(安倍晋三首相名)として、博覧会国際事務局(以下、BIE)に対し、万博開催国として立候補文書が提出された。

 官民連携による誘致活動の結果、18年11月にBIE総会の席上で加盟国の投票により、日本(大阪)が万博の開催地に決定。ほかに立候補していたロシア(エカテリンブルク)、アゼルバイジャン(バクー)に競り勝った。万博開催は、日本としては05年の愛知万博以来の20年ぶり・3回目で、大阪としては1970年以来の55年ぶり・2回目となる。

 万博協会は、19年1月に設立。事務総長には石毛博行氏(前JETRO理事長)が就任しており、万博の基本計画の策定、運営などを司る。22年度までに基本計画を策定。23年度から場内の建設工事に着手する予定だ。なお、日本政府は19年12月、BIEに対し登録申請書を提出している。

(つづく)

【大石 恭正】

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