2024年04月19日( 金 )

史上最悪の安倍内閣経済運営実績

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 NetIB-Newsでは、政治経済学者の植草一秀氏のブログ記事から一部を抜粋して紹介する。今回は「GPIF(年金積立金管理運用(独))は、2019年度運用実績で8兆2,831億円の運用損を出した。株式や外国資産の運用比率を大きく引き上げているが、運用比率の変更前に比べて、運用実績ははるかに下回っている。」と訴えた7月8日付の記事を紹介する。


GPIF(年金積立金管理運用(独))の2019年度運用実績が発表された。
GPIFの2019年度運用実績は8兆2,831億円の運用損になった。

運用利回りは-5.20%。
運用実績は4月1日には確定する。
遅くとも4月末には発表できるものだ。

しかし、発表は7月3日だった。
都知事選の投票日2日前。
選挙前というアリバイをつくったが、このことを取り上げて主権者にアピールする時間はない。

GPIFは2015年度にも巨額損失を計上した。
その発表は2016年7月29日まで先送りされた。

2016年7月10日に参院選が実施され、選挙の争点にされることを回避するための措置であったと見られる。
今回は批判を避けるため、選挙投票日直前の日程が選択されたと見られる。
2020年3月末の運用資産残高は150兆6,332億円。

日本国民の貴重な老後資金である。
その運用においてGPIFは巨額損失を計上している。

そのGPIFが金融機関に支払っている管理運用委託手数料は319億円。
巨額の損失を生む運用に300億円を超す手数料を支払っている。
本年1~3月期の運用収益は17兆7,072億円の損失である。
たったの3カ月で18兆円もの損失を生み出した。

GPIFが巨額損失を計上したのは本年1~3月期だけでない。
過去にも巨額損失を計上している。
GPIFは2014年10月31日に基本ポートフォリオの大幅変更を正式決定した。
この変更でリスク資産のウエイトを一気に上昇させた。

(略)

株式での運用が全体の50%に引き上げられ、外国資産での運用比率も40%に引き上げられた。
低金利時代に高い利回りを確保するためには積極的な運用が必要であるとの判断から、このような変更が決定された。

ところが、GPIFが基本ポートフォリオを変更して以来、GPIFの運用実績は最悪の状況だ。
GPIFが基本ポートフォリオを変更して以降の2015年度から2019年度までの5年間の運用実績を見ると、この5年間のうち、2年間の運用実績がマイナスに転落している。

この5年間の運用収益は合計で6兆8,039億円。
1年あたりの運用収益は1兆3,608億円だ。
2013年度から2015年度までの3年間の運用収益は合計で36兆7351億円。
1年あたりの運用収益は12兆2,550億円。

(略)

ゼロ金利時代、低迷経済の時代であるから、資金運用には特段の工夫が必要である。
長期運用において株式資産での運用を重視することは間違いとは言えない。
問題は数年に1度、1年に1度の頻度で発生する株価の中規模下落、大規模下落にどのように対応するかだ。

この点でGPIFの運用は無策に近い。

(略)

GPIFも利権の温床になっている。

※続きは7月8日のメルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」「史上最悪の安倍内閣経済運営実績」で。


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植草一秀の『知られざる真実』

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