2024年03月29日( 金 )

安倍内閣不戦の誓い破壊を許さない

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 NetIB-Newsでは、政治経済学者の植草一秀氏のブログ記事から一部を抜粋して紹介する。今回は、「安倍内閣は日本の不戦の誓いを反故にして、日本を『戦争をする国』に改変しつつある。しかし本来、日本は「核兵器禁止条約」の先頭に立つべきだ」と訴える8月6日付の記事を紹介する。

米国による原爆投下から75年の歳月が流れた。

(略)

東京が壊滅する日』(ダイヤモンド社)
を著した広瀬隆氏は、

「原爆投下のすべての目的が、財閥が得る巨額の収入にあったことは動かし難い事実である」、

原爆と原発は、
「双子の悪魔である」
と指摘する。

グローバルな強欲巨大資本が、飽くなき利益追求のために「原爆と原発」の開発、使用、拡散に突進してきた。
原爆と原発を切り離して考えることはできない。

本日、8月6日午前に広島市で行われた平和記念式典でのあいさつで、安倍首相は「核兵器禁止条約」に触れなかった。
「核兵器禁止条約」は核兵器の開発や保有、使用を全面禁止する国際条約。
国連は2017年7月に条約を採択した。
しかし、安倍首相は、これ以降4年連続で条約に言及していない。

(略)

核兵器不拡散条約は「核兵器のない世界」をつくるものではない。
第2次大戦の戦勝国による核兵器の独占保有を維持するもので、「核兵器のない世界」を実現するものでない。

(略)

「核兵器禁止条約」に40の国が批准している。
条約は50カ国・地域が批准した90日後に発効することになっている。
現在はまだ発効できない状況にある。

安倍内閣は日本が米国の核兵器の傘の下に位置しているとの認識で、核兵器禁止条約を肯定しない。
核兵器の存在を肯定しておきながら「核兵器のない世界」を目指すというのは矛盾そのものだ。

イージスアショアの配備が中止されたが、代わって安倍内閣は「敵基地攻撃能力」を掲げ始めた。
「敵基地攻撃能力の保有」は「専守防衛」に反するもの。
敗戦から75年が経過し、不戦の誓いが風化し始めている。

日本は敗戦後、戦争をしないことを決めた。
戦力の不保持を決めた。
このことを定めた日本国憲法第9条は、世界に誇ることのできる、永遠の未来に向けての遺産だ。

日本は「核兵器禁止条約」の先頭に立つべきだ。
軍産複合体にとって平和は存亡の危機をもたらすもの。
軍産複合体は存続のために戦争を必要としている。
国家の政策が軍産複合体の経済事情によって支配されるのは本末転倒の極みである。

原爆投下から75年、日本の敗戦から75年。
私たちはいま、改めて不戦の誓いを明確にする必要がある。

いま、安倍内閣は日本の不戦の誓いを反ゆえにして、日本を「戦争をする国」に改変しつつある。
理屈はいかようにも付くものだ。

(略)

敵基地を攻撃する能力を保有することは「専守防衛」の枠を逸脱するもの。
この行動が周辺国との軍拡競争を加速させ、緊張を高める原因にもなる。
安倍内閣が突然「敵基地攻撃能力保有」に言及し始めたのは、次の衆院総選挙の大義名分づくりの側面もあると見られている。

(略)

※続きは8月6日のメルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」「安倍内閣不戦の誓い破壊を許さない」で。


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植草一秀の『知られざる真実』

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