2024年05月15日( 水 )

社内の結束を強化し、変化に対応する企業風土を醸成

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日本ビルケア(株) 代表取締役社長 山田 秀樹 氏

リモートワーク環境をいち早く整備

日本ビルケア(株) 代表取締役社長
山田 秀樹 氏

 日本ビルケア(株)は、ビル改修・保全のスペシャリスト集団として、オフィスビルや商業施設をはじめ福岡を代表する建築物の「美」と「健康」を守り続けてきた。その技術やノウハウは高く評価され、業容を拡大している。そんな同社も、今回の新型コロナウイルス感染拡大防止のための影響を受けた。受注した物件の施工延期や見直しなどにより、計画していた売上を下回ることとなった。

 自粛によって経済が停滞、将来への不安が満ちてきたころ、山田秀樹社長は今回のコロナ問題を変革へのきっかけにしようと前向きに捉えていた。いち早く取り組んだのが、働き方の改革だった。リモートワークを実現するための環境整備に投資し、山田氏自身も週に2日は在宅で仕事をした。コミュニケーションのツールや方法についても試行錯誤を繰り返しながら、自社に合うスタイルを見出したようだ。たとえば、会議は事務所、現場、自宅、移動中など、どこにいてもオンラインで参加できるよう環境を整え、従業員の意識も変えた。「直接会って話す方が良いという意見もあるが、実際に導入してみるとまったく問題ない。普段、直接顔を合わせることの少ないスタッフ同士もオンラインでつながることができ、コミュニケーションはより活発化している」と手応えを感じている。

柔軟な働き方を可能にする新評価制度

 ITの活用と従業員の意識改革を推し進めながら、山田氏は、働き方を自由に選択できる環境を用意したいと考えている。事務所などで集まって仕事をしたい人、子育てや病気、介護のために在宅を希望する人、それらの混在型など柔軟に働くことができる環境の整備だ。

 働き方の改革には、それに応じた仕組みづくりも必要になる。評価制度もその1つだ。同社は、従業員の満足度を高めるため、創業時から評価制度の改善に取り組んできた。新評価制度は、やったことに対する評価からどれだけ経験したのかという経験値を基準とする全方位的な評価制度となり、年内をメドにつくり上げる予定だ。これが機能し始めれば、働き方の選択なども幅が広がり社員の満足度とヤル気はさらに向上することだろう。

 企業が生き残っていくには、変化を見極め対応する力が欠かせない。加えて、従業員がお互いを認め合い、仲間のために力を合せる風土、文化を醸成することが必要だ。それができる企業は、いつの時代でも生き抜くことができる。新型コロナウイルス問題を利用し変革を遂げる同社の風土には、生き残る企業の逞しさを感じる。

【宇野 秀史】

<COMPANY INFORMATION>
所在地:福岡市博多区神屋町4-5 KS神屋町ビル6F
設 立:2001年8月
資本金:2,000万円
TEL:092-263-0060
URL:https://n-builcare.jp

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