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2020年11月02日 15:57

【大阪都構想】驚異の追い上げで反対派が奇跡の勝利 維新と菅政権に打撃

奇跡の「大阪都構想」否決劇

任期後の政界引退を宣言した、松井一郎維新代表

 大阪都構想(大阪市廃止)の賛否を問う住民投票が1日に投開票され、約1万7千票差で反対多数となり、2015年に続いて否決された。維新代表の松井一郎市長は直後の会見で、23年4月の任期満了で政界を引退することを改めて表明。さらに、公明党幹部とともに会見に臨んだ維新副代表の吉村洋文知事も同時期の政界引退の可能性を示唆、3度目の都構想を目指すことはないとも断言した。

 吉村人気で上昇機運に乗っていた維新は一転、看板政策の都構想と代表をともに失うダブルパンチで失速、「存在意義そのものを問われることになる」(2日の産経新聞)として崩壊の危機的状況に陥った。“維新創業者”の橋下徹・元大阪市長や松井代表と定期的に会食するなど蜜月関係にある菅義偉首相にとっても、この敗北の影響は大きい。第2次安倍政権で維新は、与野党対決法案で最後は賛成に回る政権補完勢力として重宝され、菅政権でも野党分断のカードとして、さらなるパワーアップが期待されていた。吉村人気に加えて公明党が都構想賛成に回ったことで当初は、「都構想の可決は確実。維新が勢いづく可能性が高い」と見られていたが、反対派の「奇跡」的逆転勝利で菅首相の思惑が外れてしまったのだ。

涙目で「3度目の都構想はない」と語る、吉村大阪府知事

橋下氏は「否決無効」説で悪あがき?

 そんな中で、5年前の否決で政界引退した橋下氏は現在、「私人」と自称しながらも“維新応援団”のような存在でテレビやツイッターで発信を続け、「(都構想)否決なら無効だろう」という驚くべき見方を披露してもいた。

 本サイト10月31日公開の「維新の毎日新聞バッシングは無理筋な『言いがかり』」で紹介した、「市4分割 コスト218億円増」という見出しの毎日新聞(10月26日付)記事と関連報道について、橋下氏は10月28日のツイッターで「住民投票直前に、最大の争点について、大阪都構想に不利なかたちで在阪メディアが大誤報をしでかした。都構想が可決されればそれでいいが、否決されれば住民投票は無効だろう」と指摘したのだ。毎日新聞の記事を「大誤報」と批判した10月29日の馬場伸幸幹事長の代表質問と連動するかたちで、維新や菅政権への打撃回避を狙った発信であるのは間違いない。

 トランプ大統領が、「もし負けても、無効を主張して裁判に持ち込む」と宣言しているアメリカ大統領選と同じような状況になる可能性もあるのだ。橋下氏の発信力の大きさもあってか、この反則技の実現可能性が取りざたされてもいた。31日の松井代表(市長)の囲み取材で、橋下氏の“否決無効説”に関する質問がABC(朝日放送)の記者から飛び出したのだ。

 ――明日の結果がどちらになってもきちんと受け入れますか?

 松井氏 もちろんですよ。

 ――橋下さんが、「『毎日』(新聞)の件もあるし無効だ」と言っていますが、そのようなことは?

 松井氏 無効になるはずがありません。法的な拘束力もあるし、何度も言うように、僕はきちっと受けとめます。

 ――訴訟を起こしたり、無効申し立てとかは?

 松井氏 考えていません。

維新の馬場伸幸幹事長

 松井氏から“否決無効説”に同調しないとの言質を取ったかたちとなったが、翌11月1日、「大誤報」と批判した馬場幹事長は松井氏と違って、法的措置を取る可能性を全否定しなかった。ホテルで投開票を見守っていた馬場氏に橋下氏のツイートを伝えたうえで対応を聞くと、「党内で議論することになるだろう」と回答したのだ。

 ただし午後10時半すぎに反対多数確実と報道された後、午後11時から始まった会見では、松井氏も吉村氏も否決の結果を受け止めると発言した。そこで会見終了後に改めて馬場氏に再び聞くと、維新ツートップの発言を受けて、「党内議論することはないだろう」とトーンダウンした。

 しかし弁護士の橋下氏が無効訴訟などの何らかの具体的提案をした場合、維新の対応が変わる可能性については馬場氏は全否定しなかった。都構想の住民投票は反対多数で決着したが、橋下氏発信の“無効説”が浮上するのか否かにも注目していく必要がある。

維新の異論排除体質に大阪市民は「NO」

 2日付の毎日新聞では「都構想 再び否決」と題した記事のなかで、麻生幸太郎・社会部長が「対話と調整 再認識を」という小見出しとともに、維新の敗因ついてこう記している。

 「成長ありきの制度設計が新型コロナウィルス禍のなかで不安視され、異論を徹底的に攻撃する維新の政治姿勢が懸念を増幅した結果だと、私は考える」

 馬場氏の「大誤報」質問や、橋下氏の“否決無効説”は、この「異論を徹底的に攻撃」する維新の政治姿勢の現れといえるだろう。毎日の試算報道をめぐる維新の対応(政治姿勢)についても、検証することが不可欠だ。

【ジャーナリスト/横田 一】

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