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2020年11月05日 11:58

「再エネ主力電源化」の実現はどこまで?

エネルギー基本計画の改訂へ

 菅首相が目標として掲げる「温暖化ガスの2050年実質ゼロ」を達成するには、2021年夏の「第6次エネルギー基本計画」の改訂において、CO2排出量を下げるべく、再エネ普及率の目標を大幅に高めることが必要だ。電源構成に占める火力発電の比率を減らした場合に、原子力に依存することなく再エネの普及を図るような本質的な見直しがどれほどなされるのか、その動向が注目されている。

 経済産業省は、第6次エネルギー基本計画の改訂に向けて、有識者会議を10月13日から行っている。

 18年の電源構成に占める再エネの比率は約17%。経済産業省は再エネを基幹電源と位置付け、18年の「第5次エネルギー基本計画」では30年度に再エネの比率を22~24%とする目標を掲げてきた。

 東日本大震災前の10年の電源構成はそれぞれ火力発電65%、原子力25%、再エネ9%であったが、東日本大震災後の原発稼働停止により、18年には火力発電77%、原子力6%、再エネ17%と火力発電の比率が増加し、原子力が減少していた。

 しかし、気になる点は、第5次エネルギー基本計画では、30年度に火力発電76%とその比率が減る一方で、18年に6%まで比率が低下していた原子力を再稼働などにより30年度に20~22%まで上昇させる将来像が描かれていることだ。今回の改訂では第5次計画の将来像を踏襲せず、「再エネ主力電源化」の方向へと明確に舵を切ることが求められている。

低いEV普及率

 CO2排出量世界1位の中国は、60年までにCO2排出量を実質ゼロとする目標を掲げており、35年までに新車販売のすべてを環境に対応した自動車とすると発表している。同年には新車販売に占める電気自動車(EV)や燃料電池車などの新エネルギー車の比率を50%超に引き上げ、残りの50%はすべてハイブリッド車(HV)とするという。

 日本のCO2排出量に占める比率がエネルギー部門、産業部門についで高いのは運輸部門であり、再エネを活用した電気自動車(EV)などの次世代自動車の普及が注目されている。

 しかし、実態としては、9月の新車販売において従来型ガソリン車は13万5,389万台で53.6%を占め、ハイブリッド車(HV)は9万6,234台(同38.1%)、プラグイン・ハイブリッド車(PHV)は1,387台(0.6%)、EVは1,887台(0.7%)、燃料電池自動車(FCV)は155台(0.1%)である((一社)日本自動車販売協会連合会調べ)。
EVをはじめとする次世代自動車の割合は約40%で、次世代自動車市場にはまだまだ拡大の余地がある。政府は30年には次世代自動車の普及率を国内乗用車の5~7割を目標としているが、実現に向けて、さまざまな課題の解決が必要だ。

電源構成(経産省資源エネルギー庁「エネルギー基本計画の見直しに向けて」より)

【石井 ゆかり】

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