わらび座ミュージカル「北斎マンガ」特設ページ
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2020年11月19日 13:28

【IR福岡誘致特別連載12】国際金融都市構想にとってIR誘致開発はベストシナリオ(3)コロナ問題収束後のIRは東京・大阪・福岡の3カ所

 筆者はIR(カジノを含む統合型シティリゾート)案件について、当初から東京都を中心とした関東都市圏か、大阪市中心の関西都市圏か、福岡市中心の北部九州都市圏にしか、採算が成り立つ市場はないと断言している(名古屋市中心の中部都市圏は文化的に異なる)。これ以外ではビジネスとして成り立つはずがないことを説明してきた。

 人口が密集していない地域(巨大な後背地人口は必須)でのIR誘致開発は、最初から無理な話である。このコロナ禍により、そのことを嫌というほど、身に染みて理解したはずだ。いまだにそのことを認めない地方が税金を無駄遣いしているにすぎない。

 それゆえ、北海道苫小牧市(昨年末断念)、和歌山市、長崎県佐世保市などは当初から"絵に描いた餅"であり、集客が海外観光客一辺倒の行政主導の粗削りな計画は、素人の政治家のパフォーマンスに過ぎない。プロのデベロッパーは皆これらに採算性がないことを熟知している。これに呼応している民間業者は目先の利益に群がっているに過ぎないのだ。

 韓国仁川で確定していた米国系IR投資企業のMohegan Gaming Entertainment Internationalのプロジェクトが、先月、すべての締結済みの契約を解除し撤退した。コロナ禍で金融機関からの投融資がままならないなか、当然の帰結だ。

 韓国では、カジノ専門でIRではない江原ランドを除いて、韓国国籍の一般市民はカジノ施設に入場することが法的に認められていない。すべて海外観光客相手だ。それゆえ、コロナ禍による海外観光客激減のため、ソウル市都市圏の仁川、済州島のIRも含めて、すべての韓国IRはがガタガタだ。海外からの観光客インバウンドだけでは採算は合わない。

 海外観光客誘致を主眼としたIR誘致構想は、既報の通り、安倍前政権がトランプ大統領と交わした"密約"により始まったことで、"ギャンブル依存症"を主たる反対の理由とするマスコミからの批判をかわすためのものだ。政府は実際にはIRには後背地人口がないと採算が合わないことを十分認識しており、そのうえでの方便なのだ。

 実際のところ、後背地人口の少ない地域では絶対に採算は合わない。そのことはコロナ禍により十分に知らしめられた。それゆえ、国外含め投資開発企業はコロナ収束後においても、リスクの高い地方のIRに参加する意志などはありえない。

 福岡市は、国際クルーズ客船の寄港実績は日本一、国際会議等の誘致実績は東京につぐ2位、大阪市の1.6倍。北部九州都市圏の後背地人口も多い。IR誘致開発に必須である候補地への交通インフラは国内のIR候補地のなかでもっとも整備されている。

 したがって、さる8月、いまだに立候補していない福岡市行政に対して、本件IRの「上申書」を提出し、誘致を要望した「IR誘致促進委員会」(井上準之助会長)および若者たちの福岡JCらも含めた組織グループと、産学官連携の福岡国際金融都市構想グループTeam Fukuokaとが、積極的に提携すべきであると筆者は考え、促している。これに対しては当該地周辺住民からはギャンブル依存症など(オンラインカジノの急速な普及とその市場拡大により、すでに現実とオンラインとの間に垣根はない)の反対がないということもあり、IR福岡構想には、全国唯一といってよいほどの魅力的な条件が揃っている。

 現在、このコロナ禍でも、米国系を含めた海外のIR投資企業の数社が上記グループと積極的にコンタクトをとってきており、このような候補地はほかにはない。これは、すべて北部九州都市圏がもつポテンシャルの高さによるものだ。この世界からの評価にはもっと自信をもってよい。

 森記念財団が、世界の主な都市について、経済、研究開発、文化交流、居住性、環境、交通アクセスなどに基づいて順位付けをしたGlobal Power City Index(GPCI)という世界的に著名な調査指標がある。

 東京は総合ランキングの50都市中の3位(ロンドン、ニューヨークにつぐ)、大阪市は29位、福岡市は42位。しかし、日本ではこの調査対象に含まれるのはこの東京、大阪市、福岡市のみだ。

 福岡市は居住環境と環境分野では大阪市を上回り、それぞれ26位、28位である。しかし、残念ながら、研究開発分野と経済分野は34位、39位と低く、文化交流分野は相当に低く45位である。福岡市市はこれらの分野を頑張れば、より高い評価を得られるということだ。そして、こられはまさに、IR誘致開発の実現により強化できる項目だ。筆者はIR以外のほかの戦略を見つけることは容易ではないと考え、"IR誘致開発が一番の早道"であると推奨する。

 IRに関して、福岡市にとって大阪市が現実的に"手が届く所"にあると認識している。前述の調査ランキングを踏まえて合理的に考えると、交通インフラなどがもっとも充実した福岡市は政府の承認を得やすいはずであり、今が好機であると断言できよう。

 もし、関東都市圏と関西都市圏にそれぞれIRが誘致され、北部九州都市圏には誘致されないということになると、成長が送れ、都市間格差は今以上に拡大する。九州の雄と自負する、福岡市・「国家経済戦略特区」の沽券に関わると懸念するのは筆者だけなのか。好条件が揃った福岡市はIR誘致をもっとも速く実現できる地域であり、関係各位の今後より一層の積極的な行動を期待する。

【青木 義彦】

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